震災はチャンスだろう。実際。 | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

需給ギャップ がすごいんです。

多くの人が言う言葉である。「需給ギャップ」が大きいからデフレなんです。という説明がなんとなくまかり通る。そして、需要をもっと押し上げなければならないという主張をする人がたくさんいる。

多くの人はこのときあまり考えていないようだが、ではその供給力(生産設備)は本当に需要に対応したものになっているのだろうか?という疑問を僕は常々抱いている。そうではなくて、需要と供給の間でミスマッチが起こっているのではないかと。

現在の人々が本当に欲しているもの(需要)に対応していない生産設備はスクラップされるのが当然である。それなのに、その生産設備を政府の財政政策や中央銀行による金融緩和で需要を無理矢理押し上げて維持してもまったく意味は無い。それは持続できないことは明白だからだ。

すなわち政府による補助金・公共事業などの財政支出・日銀による金融緩和・業界団体の働きかけによる各種の規制や参入障壁によりゾンビ企業が生き残り無駄な供給力が維持されてきたのである。そのことによって需給ギャップがうまらなかったのではないか。

需給ギャップといわれると単純になんとなく判った気になり、「需要を押し上げればいいのだ!景気が悪いのは需要が低迷しているからだ!」と思ってしまうがその中身は実はもっと複雑であるはずだ。

今回の震災で多くの工場などが被災し、供給力(生産設備)が失われた。また、電力も夏場に不足しそうである。

おそらく、被災地では、多くの中小企業が震災で苦しい状態に置かれたことは間違いないだろう。現に今後、倒産していくところも増えてしまうかもしれない。不幸なことであるのは間違いない。

一方で日本の財政は非常に厳しい。安易な財政出動による景気の下支えはできない。

まるでダブルパンチを浴びせられているようにも思える。

しかしである。これはある意味では日本にとってはチャンスといえると僕は思っている。

国家の財政が厳しいことはそういったゾンビ企業が生き残る原因となってきたムダな財政出動を「復興優先」の大義名分の下に削るチャンスである。

その結果、時代の流れに会わなくなった企業が市場から退出し新しく世の中の需要にそった企業が東北にどんどん生まれてくるとしたらこんな素晴らしいことは無い。新たなイノベーションが東北からどんどん生まれる可能性もある。

不要な供給力がスクラップされ、本当に必要な供給力が生まれてくれば、需給ギャップは自然と埋まる

今、本当に必要なのは民間主導の復興政策である。そのためには被災地を特区として徹底した規制緩和を行うべきであることは言うまでも無い。財政の惨状はそういった全うな方向での復興政策を後押しする可能性は高い。

そのためにも、震災を隠れ蓑にした財政拡大派の伸張を許してはならない。(過去記事→震災を隠れ蓑にした財政拡大の動きを許してはならない

ゾンビ企業が淘汰されれば、供給制約も減るはずだ。一番のネックである電力にも余裕がでるだろう。今までゾンビ企業延命のせいで動かなかったヒト・カネ・モノといった資本がより成長性のある産業分野に流入しよりよいサービスが提供され需要が盛り上がるだろう。

そうであるならば、この震災が日本と東北地方にとって大きなチャンスであるはずだ。日本経済にとって最大のネックである過剰な供給力がスクラップされ新しい産業が生まれるチャンスなのだ。ピンチの後にチャンスは必ず来る。この好機を我々は逃すべきではない。

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