中国や韓国の発展を恐れても意味がない | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

日本はもうすぐ中国や韓国に追い抜かれるんだ。もう終わりだ。絶望だ。なんでこんな国になってしまったんだ。政府のせいだ。


とか叫んでいる人たちが多い。正直ちょっと面白い。


でも、それは恐れるものなんだろうか?


adam smith instituteのブログから

We cannot copy China's economic growth


Basically, there are two kinds of economic growth – the kind that comes from increasing the factors of production (capital and labour) and the kind that comes from improving those factors


経済成長させるためには資本と労働の量の増加、もしくはそれらの質の改善(=イノベーション)という方法がある。


農家の例をあげると、一つ目のトラクターの導入は生産性を驚異的の上昇させる。二つ目もかなりの効果がある、しかしある時点で新しいトラクターを導入しても生産性は上昇しなくなる。(限界費用が限界効用を上回るポイント/資本の蓄積の例)


中国は今どんどんトラクターを導入している段階だが、我々はすでにトラクターはもちろん、さまざまなツールを持っているからそれらを単純に増やすだけでは成長しない。中国は過去に我々が来た道を歩んでいるだけにすぎない。


一方で我々(西洋社会)は生産性を向上させるため(さらなる発展)には今あるトラクターの性能をさらに改善しないといけない(=イノベーション)わけだが、これは非常に難しい。


ま、至極当たり前の話だが、わかりやすい例だなと思ったので、取り上げてみた。


こう考えれば中国や新興国がどんどんキャッチアップしていくのは当たり前で日本が停滞するのも当たり前だというのがよくわかるだろう。同時にあるポイントで中国や新興国も発展が停滞する可能性は高い。


だから、我々は別に中国や新興国の発展を恐れる必要はないわけだ。


そして、いつも言っていることだが「需要が不足してるから財政出動を~」とか「金融緩和を~」というのではなくて、どうしたら新たなイノベーションが起こるのか、そのためにどういった規制緩和をしていけばいいのかということをこそもっと論じるべきだろう。


かなり便利になった我々の世界だがまったくイノベーションの余地がないかといえばそうではないだろう。


たとえばインターネットの普及や金融技術の発展は1990年代以降、多くの生産性の向上を起こし我々の生活は格段に便利に快適になった。


よい供給、イノベーションは需要を作り出す。上記の例でいえば、現在のニーズに合わない旧式のトラクターの生産設備は廃棄されるべきであり、それを政府の補助金で残しても意味はない。


供給が需要を生み出すということを我々はもっと認識すべきだ。


同時に、イノベーションを起こすのは容易ではないことを認識し、より持続可能な社会のあり方を目指すべきだし、人間の生活は今でも十分豊かになっているのだから、「成長をあきらめる」ことも必要だと思う。


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