皆さん、ご存知のニュースではあると思うが、アップルのスティーブ・ジョブズ 氏が病気療養を発表し、株価が下落した。
言うまでもなく彼の経営者としての存在がいかに重要かということを示しているわけだ。
世の中には経営陣が「お手盛り」で法外な報酬を取っている。と嫉妬に狂って糾弾する人々がいる。
しかしこういう研究結果があるようだ。(Stumbling and Mumblingというブログから)
Compiling a sample of 149 executives who suddenly died in the United States from 1991 to 2008, we find that, following death, stock prices drop by 1.22% on average.
1991年から2008年の間にアメリカで突然死亡した149名のエグゼクティブを例に株価の動きを見たところ平均で1.22%下落したらしい。
ただし、149例中67の例では株価は上昇したという。
もちろん、市場は複雑だから経営者の死亡がその日の株価を動かす要因であったかは必ずしもわからないだろう。もっとちゃんとやるなら、その日の株価指数の動きや同業他社の動きに対してアウトパフォームしたか、アンダーパフォームしたかを見るべきだ。
とはいえ、この結果を見る限りはおおむね、市場は経営陣に対する給料を妥当と見ていることがわかるし、その死亡はマイナスだと考えているようだ。(株価が上昇しちゃった67例の経営者は浮かばれないね。笑)
もちろん、いくつかの疑問は残る
*市場は不透明感を嫌うから経営者死亡のニュースにとりあえず売りで反応した可能性
*現在の経営者が死んでも新しい経営者が来て高額の報酬をもらうんだろうから結局は何も変わらないという考え方もありそう。
などだ。
いずれにしても、僕は経営者が高額の給料をもらうことはいいことだと思っている。経営者って言ったって現代においては多くの場合はサラリーマン経営者だ。サラリーマンでもがんばれば高額の給料がもらえるほうが夢があるしやりがいもあるだろう。
自分でリスクを犯して起業しなければ金持ちにはなれない社会やすでに資産家の人が今ある資産を元手にさらにどんどん金持ちになる。そういった方法でしか金持ちになれない社会なんかよりはよっぽどか平凡な人間にとっても夢があるはずだ。もちろん、お金があるから幸せかっていえばそうでもないのは言うまでもないことだけど。
どっちにしても、嫉妬に狂って「経営者の高額報酬を許すな」なんて言っている人たちはこういった現実の市場の動きにどう答えるんだろうか。いや、それ以上にどういった社会がお望みなんだろうか。
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