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INTEGRAL∫CRAFT

孤独なエンジニアによる趣味の世界

作業環境測定士の粉じんの試験問題の項目のうち、最後となるのは石綿に関することです。

 

基本的に一種は分析についての資格ですが、一部二種の範囲であるサンプリングも含まれています。

 

どうやって捕集するか?

 

それをどうやって分析するか?

 

分析の違いや、手順についてのことが問われ、その結果から答えを導き出す。

 

それだけと言えばそれだけの試験です。

 

それが難しいんですけどね💦

 

 

●石綿粉じん

 

◎セルローズエステルメンブランフィルターについて

 

・フィルターのごく表面に粒子が捕集されるため、光学顕微鏡で計数するのに都合が良い。

 

・フィルターの孔径(ポアサイズ)は、水の表面張力を利用したバブルポイントテスト法によって測定した値である。

 

・グラスファイバーフィルターに比べて、圧力損失が大きい

 

・フィルターの透明化にはアセトン蒸気が用いられる。

 

・フィルターには、格子(グリッド)が印刷されているものがあるが、細い繊維が格子の線に重なると見えにくいという欠点がある。

 

・屈折率はクリソタイルとほぼ等しい1.5である。

 

・捕集率は、粒径は0.3μmの粒子に対して99%以上である。

 

 

◎位相差顕微鏡について

 

・位相差用対物レンズに内蔵されている位相板の大きさは、対物レンズの倍率によって異なる

 

・顕微鏡の光源は、リング絞りをとおして入射する。

 

・顕微鏡の分解能は、対物レンズの開口数に左右される。

 

・試料を通過した光は、直接光と回析光に分かれ、両者には1/4波長の位相のずれが生じる。

 

・位相差顕微鏡による観察でのコントラストには、ダークコントラストとブライトコントラストの2種類がある。

 

・位相差顕微鏡は位相物体の位相差を振幅の大小に変換し、明暗の差として観察する顕微鏡である。

 

・位相差対物レンズには、位相板が内蔵されている。

 

・直接光と回析光を同位相にした場合には、背景より像が明るく見える

 

 

 

・石綿繊維数濃度の計算に当たっては、ブランク値を求めておく

 

・視野の中央にある粒子にピントを合わせても、視野の端の粒子にはピントが合っていないことがある

 

・アイピースグレーティクルの大円内(φ0.3mm)を計数する場合には、繊維数200本以上あるいは検鏡した視野の数が50視野になるまで行う。

 

・粒子が付着している繊維の場合は、粒子の幅が3μmを超えるものは計数しない。

 

・計数視野領域に繊維の片方の端が入っている場合は、1/2本として数える。

 

・数本の繊維が交差している場合、交差しているそれぞれの繊維を1本として数える。

 

・1本の繊維が枝分かれしている場合は、枝分かれした部分を含め1本として数える。

 

 

 

◎リフラクトリーセラミックファイバー

 

。リフラクトリーセラミックファイバーは、アルミナ(Al₂O₃)とシリカ(SiO₂)を主成分とする非晶質の人造鉱物繊維である。

 

・リフラクトリーセラミックファイバーは、1,000℃以上の高温域で耐火材や断熱材として使用されている。

 

・リフラクトリーセラミックファイバーの管理濃度は、5μm以上の繊維として0.3本/cm³である。

 

・リフラクトリーセラミックファイバーの捕集・分析方法の基本は、石綿の捕集・分析方法と同じである。

 

・位相差顕微鏡を用いる計数分析法では、リフラクトリーセラミックファイバーのみを区別して計数することはできない

 

※リフラクトリーセラミックファイバーは平成27年の法改正より、特化物(第2類物質)、管理第2類物質に指定されています。

 

現在の区分では特化物となっていますが、性質上粉じんであり、石綿に良く似ています。

 

令和4年の法改正では、アーク溶接のヒュームも特化物に指定されました。

 

今年の試験でこれが出題される可能性は低いですが、ゼロとは言い切れません。

 

一般的な作業環境測定とは違い、個人サンプラーを使用するので、どういった問題になるかは不明です。

 

少し勉強しておく方が良いかもしれませんね。

 

 

 

 

 

いよいよ明日が試験当日です。

 

今回もあまり勉強しませんでしたが、どうでしょうか?勉強したような問題が出てくれることを祈ります💦

 

 

粉じんの分析については大きく分けるとあと2つです。

 

ひとつは石綿について、もうひとつがX線回析分析法です。

 

X線を使用して、どんな元素がどれくらい含まれているか調べる方法です。

 

最近ではTV番組で何かを調査する時に使われていたりするので、聞いたことある人も多いでしょう。

 

私は学生時代に実習で使った事がありますね。当時は何の事かいまいち分からなかったけど、今となっては、凄い実習をしてたんだなって思います。

 

では最後の追い込みをしましょう。

 

 

●X線回析分析法

 

・対陰極がCuのX線管球を用いて分析した場合、トリジマイトの主回析線(d:4,33Å)は、2θ:20.5°に出現する。

 

・特性X線の波長は、K、L系列ごとに異なるが、原子番号が大きくなると短くなる

 

・対陰極がCuの場合、X線の単色化に用いるKβフィルターは原子番号が1小さいNiが用いられる。

 

・モノクロメーターによってKβ線は殆ど除去されるが、Kβフィルターを用いた場合より回析X線の強度は弱くなる

 

・ゴニオメータの走査速度は、回析線のピーク位置や回析線強度に影響を及ぼす。

 

 

 

◎X線回析分析装置を用いて粉じん試料中の遊離けい酸分析を行ったところ、回析図形上で尖鋭な回析ピークが得られなかった理由

 

・レートメータの時定数の設定が小さすぎた。

・発散スリットの幅の設定が通常の場合より狭かった。

・受講スリットの幅の設定が通常の場合より狭かった。

・分析資料が石英繊維ろ紙に捕集されていた。

 

※ゴニオメータの光軸が正しい位置からわずかにずれていても尖鋭なピークは得られる。

 

 

・基底標準吸収補正法は、試料の後側に置いた基底標準物質のX線回析強度の変化量を基にして、分析試料のX線吸収量を補正する方法である。

 

・吸収補正を行う事により、定量範囲は広くなり、マトリックスの吸収の影響を少なくすることができる。

 

・検量線は、縦軸のX線吸収補正係数を乗じた石英の回析線強度をとり、横軸に石英量をとって作成する。

 

・金属基底標準板には石英の測定回析線より高角度側の回析線を持つ材質を選ぶ。

 

・試料の採取にフッ素樹脂加工グラスファイバーろ紙を用いた場合には、ろ紙に固有の測定回析線を用いることができる。

 

 

 

・X線回析分析装置のよる定性分析で、管電流及び管電圧を見直し、感度を上げて再度分析しても遊離けい酸の存在を示すピークが認められない場合は、遊離けい酸含有率は0%として取り扱う。

 

・X線回析分析装置による定性分析で、クリストバライトの含有が認められた場合、りん酸法による定量操作を選択してはならない。

クリストバライトはりん酸溶液に溶解するため。

 

 

 

◎有効直径20mmのフィルターに1.26mgの粉じんを捕集した。クリストバライトをX線回析基底標準吸収法により定量操作を行ったところ、クリストラバイトの主回析線強度は150cpsであった。クリストラバイトの含有率を求めよ。

 ただし、X線吸収補正係数は1,10、クリストラバイトの回析線強度は1mg/cm²のとき4,000cpsとする。

 

解き方

 直径20mmのフィルターの面積は

  1[cm]×1[cm]×π=π[cm²]

 1cm²当たりの粉じん量は

  1.26[mg]/π[cm²] = 1.26/π[mg/cm²」

 補正後の回析強度は

  1.10×150[cps] = 165[cps]

 粉じん中の石英の含有率は

  165[cps]/4000[cps]×1[mg/cm²]/1.26/π[mg/cm²]×100%

 ≒10.3%

となる。

 

一般的な試験の計算に比べると、与えられた数値や単位を元に流れを考えてなんとなく計算すると、似たような答えが導き出されるので、適当に計算しても当たる可能性が高いですねW

 

 

 

◎鉱物性粉じんの定性分析を、対陰極としてCuを用いたX線回析分析法で行ったところ石英の存在が認められた。石英の3強線の回析角度(2θ)の組合せは・・・?

 

 20.87°、26.66°、50.18°

 

 

 

 X線回析基底標準吸収補正法

 

・金属基底標準板は石英の主回析線より高角度側に回析線のある亜鉛又はアルミニウムが用いられる。

 

・X線吸収補正係数は、計測された金属の回析線の強度と試料を乗せたときの金属の回析線の強度との比と、金属と石英の回析線のそれぞれの回析線の回析角度の正弦比から求める。

 

・吸収補正法は直接法に比べて定量範囲が広くなり、共存する他の物質の吸収の影響を少なくすることができる。

 

・検量線は、縦軸にX線吸収補正係数を乗じた石英の回析線強度をとり、横軸に石英量をとって作成する。

 

・粉じん試料を採取する前のフィルターを載せた金属板の回析線強度と粉じん採取後のフィルターを載せた金属板及び石英の回析線強度を計測する。

 

 

 

 

◎X線回析基底標準吸収法により、粉じん中野石英の定量を行ったところ、次のような測定結果が得られた。

 有効直径20mmのフィルターに、再発じん法により1.26mgの粉じんを捕集した。このフィルターの石英の主回析線強度は325cpsであった。粉じんの石英含有率(%)を求めよ。

 ただし、X線吸収補正係数は1.20、石英の回析線強度は石英が1mg/cm²のとき6,500cpsとする。

 

解き方

 補修面積はπr²なので、半径10mm=1cmから

  π×(1cm)²=π[cm²]

 1cm²あたりの捕集量は

  1.26[mg]/π[cm²] ≒ 0.40[mg/cm²]

 吸収補正後の主回析強度は補正係数を乗じるので

  1.20×325 = 390[cps]

 石英含有率は

  390[cps]/6500[cps]×1[mg/cm²]/0.40[mg/cm²]×100[%] = 15[%]

 となる。

 

 

 

私が数年前に第二種を受験したときの問題集に載っていた過去問と昨年の試験問題で、計算問題が数問あるが、ほぼ同じ問題があった。数字が1~2か所違うだけで、文言まで同じだった。

 

使っている問題集は過去2年(前年はないので、2・3年前)の問題の解説が載っている。

 

しかし、過去2~3年の間、出題されなかった問題が現れるパターンもある。

 

全ての内容を理解していれば、解けるだろうが、そこまで出来る人は少ないだろう。

 

私の経験から言うと、過去問h5年分くらいやっておくのがベスト。

 

それは出題の傾向も分かるし、ある程度規則的な問題の出し方が見えてくるからだ、二種を取得した時は、過去3年間、同じ文言が出題されていた。

 

私はがむしゃらに試験勉強はしていない。学生時代のテスト勉強を思い出すが、教科書読むより、過去問やる方が効率が良い。

 

でも、公表試験問題って5年も残してくれてないのが残念ですね。

 

 

粉じんの作業環境測定で重要なのは『遊離けい酸』です。

 

そもそも遊離けい酸って何?って感じですが・・・

 

問題数も多いので押さえておくべきポイントですね。

 

 

●遊離けい酸(3~4問)

 

・遊離けい酸とは、けい素が酸素と3次元的に結合していて、他の元素とは化学的に結合していない状態の鉱物のことである。

 

・石英は常圧下の573℃において可逆的に転移し、低温型をα石英、高温型をβ石英と呼ぶ。

 

・石英が長時間高温にさらされると、トリジマイトなどに変化する。

 

メノウ、フリントは石英の微細結晶が集まった鉱物であり、遊離けい酸含有率の測定の対象となる。

カオリンは他の元素も含んでおり、遊離けい酸にはならない

 

・作業環境における粉じん中の遊離けい酸の大部分は石英である。

 

 

 

・堆積粉じんの再発じん法で、目開き75μm程度のふるいを通し、乾燥させたものを再発じん用の資料とする。

 

・再発じん装置として、ビニール袋を用いる場合には分粒装置として慣性衝突式のものを用いるとよい。

 

・1回の捕集で十分な質量が得られなかった場合は、小型インピンジャー内の残った資料を入れ替えて、再度発じんさせて、サンプリングを行う。

 

・厚さの薄いフィルターを用いる場合は、採取量が多くなると変形することがあるので、フィルターを2枚重ねにして用いるとよい。

 

・帯電性の高い粉じんの場合は、装置の内壁に帯電防止スプレーをしたから行うとよい。

 

 

 

・浮遊粉じんの採取には、多段平行板式、慣性衝突式などの分粒装置を付けたろ過捕集装置が用いられる。

 

・浮遊粉じんの採取の際の採取量の目安を得るためには、あらかじめ圧力計の指示値と粉じんの採取量との関係を求めておく

 

・浮遊粉じんを採取するときは、あらかじめフィルターを装着した金属基底標準板またはフィルター固有の回析線強度を求めておく必要がある。

 

・堆積粉じんは、単位作業場所内の腰より高い位置の梁や設置されている設備等の上部に堆積しているものを採取する。

 

・堆積粉じんを採取した試料は、りん酸法用の試料として用いられる。

 

 

 

王水添加りん酸法について

 

・約200mgの分析対象資料を精秤し、りん酸15mℓを加えて試料をよく分散させた後、王水5mℓを加えて加熱する。

 

・王水は硝酸1に対し塩酸3を加え用時調整する。

※王水はどんな酸にも溶けない金や白金も溶かす性質がある。

 

・加熱開始から6分経過後より1分ごとに振とうし、所定時間加熱した後、電熱器から降ろし、約40分間振とうする。

 

・加熱終了後、室温まで冷却し、60~70℃の温湯を50mℓ加えてよく振とうし、その後希ホウフッ化水素酸10mℓを加えて、1時間以上静置する。

 

・最適加熱時間は、石英のりん酸残渣率が95%以上、かつ、微斜長石のりん酸残渣率が1%以下になる加熱時間である。

 

 

◎りん酸法により、石英含有率を求めるため、液相沈降法により10μm以下に粒度調整した試料200.00mgを熱りん酸で処理し、りん酸残渣として45.00mgを得た。

 このりん酸残渣を白金るつぼに移し、フッ化水素酸で処理したところ、フッ化水素酸残渣0.75mgが得られた。石英含有率(%)を求めよ。

 ただし、標準石英について求めたりん酸残渣は96%であったものとする。

 

解き方

 りん酸の質量を求める

  (りん酸残渣)-(フッ化水素残渣)=45.00[mg]-0.75[mg]

                          =44.25[mg]

 標準りん酸残渣に換算する為、96%で除する。

  44.25[mg]/96% ≒ 46.09[mg]

 試料が200.00mgだったので、

  46.09[mg]/200[mg]×100 ≒ 23.04%

となる。

 

 

 

・りん酸法による石英の定量下限値は1%である。

 

・王水添加りん酸法において、りん酸に王水を加えて加熱処理を行うのは、試料中に混在している硫化物や金属類を溶解するためである。