粉じんの作業環境測定で重要なのは『遊離けい酸』です。
そもそも遊離けい酸って何?って感じですが・・・
問題数も多いので押さえておくべきポイントですね。
●遊離けい酸(3~4問)
・遊離けい酸とは、けい素が酸素と3次元的に結合していて、他の元素とは化学的に結合していない状態の鉱物のことである。
・石英は常圧下の573℃において可逆的に転移し、低温型をα石英、高温型をβ石英と呼ぶ。
・石英が長時間高温にさらされると、トリジマイトなどに変化する。
・メノウ、フリントは石英の微細結晶が集まった鉱物であり、遊離けい酸含有率の測定の対象となる。
※カオリンは他の元素も含んでおり、遊離けい酸にはならない。
・作業環境における粉じん中の遊離けい酸の大部分は石英である。
・堆積粉じんの再発じん法で、目開き75μm程度のふるいを通し、乾燥させたものを再発じん用の資料とする。
・再発じん装置として、ビニール袋を用いる場合には分粒装置として慣性衝突式のものを用いるとよい。
・1回の捕集で十分な質量が得られなかった場合は、小型インピンジャー内の残った資料を入れ替えて、再度発じんさせて、サンプリングを行う。
・厚さの薄いフィルターを用いる場合は、採取量が多くなると変形することがあるので、フィルターを2枚重ねにして用いるとよい。
・帯電性の高い粉じんの場合は、装置の内壁に帯電防止スプレーをしたから行うとよい。
・浮遊粉じんの採取には、多段平行板式、慣性衝突式などの分粒装置を付けたろ過捕集装置が用いられる。
・浮遊粉じんの採取の際の採取量の目安を得るためには、あらかじめ圧力計の指示値と粉じんの採取量との関係を求めておく。
・浮遊粉じんを採取するときは、あらかじめフィルターを装着した金属基底標準板またはフィルター固有の回析線強度を求めておく必要がある。
・堆積粉じんは、単位作業場所内の腰より高い位置の梁や設置されている設備等の上部に堆積しているものを採取する。
・堆積粉じんを採取した試料は、りん酸法用の試料として用いられる。
王水添加りん酸法について
・約200mgの分析対象資料を精秤し、りん酸15mℓを加えて試料をよく分散させた後、王水5mℓを加えて加熱する。
・王水は硝酸1に対し塩酸3を加え用時調整する。
※王水はどんな酸にも溶けない金や白金も溶かす性質がある。
・加熱開始から6分経過後より1分ごとに振とうし、所定時間加熱した後、電熱器から降ろし、約40分間振とうする。
・加熱終了後、室温まで冷却し、60~70℃の温湯を50mℓ加えてよく振とうし、その後希ホウフッ化水素酸10mℓを加えて、1時間以上静置する。
・最適加熱時間は、石英のりん酸残渣率が95%以上、かつ、微斜長石のりん酸残渣率が1%以下になる加熱時間である。
◎りん酸法により、石英含有率を求めるため、液相沈降法により10μm以下に粒度調整した試料200.00mgを熱りん酸で処理し、りん酸残渣として45.00mgを得た。
このりん酸残渣を白金るつぼに移し、フッ化水素酸で処理したところ、フッ化水素酸残渣0.75mgが得られた。石英含有率(%)を求めよ。
ただし、標準石英について求めたりん酸残渣は96%であったものとする。
解き方
りん酸の質量を求める
(りん酸残渣)-(フッ化水素残渣)=45.00[mg]-0.75[mg]
=44.25[mg]
標準りん酸残渣に換算する為、96%で除する。
44.25[mg]/96% ≒ 46.09[mg]
試料が200.00mgだったので、
46.09[mg]/200[mg]×100 ≒ 23.04%
となる。
・りん酸法による石英の定量下限値は1%である。
・王水添加りん酸法において、りん酸に王水を加えて加熱処理を行うのは、試料中に混在している硫化物や金属類を溶解するためである。