今回受講したのは『墜落制止用器具を用いて行う作業に係る業務に係る特別教育』です。
特別教育とは、業務上危険な作業を行う場合、受講していなければその作業は出来ません。
試験もなく、受講するだけなので、簡単です。
講義としては
作業に関する知識 1時間
墜落制止用器具に関する知識 2時間
労働災害の防止に関する知識 1時間
関係法令 0.5時間
実技 墜落制止用器具の使用方法等 1.5時間
の合計6時間です。
高所作業における安全帯の使用に関する法律が改正され、新たに特別教育の受講が義務付けられております。
この法改正で胴ベルトはダメ?全てフルハーネス?みたいな勘違いもよく聞かれます。
まず、明確に言える事は、安全帯と言う言葉を使わなくなった。
その理由は『柱上安全帯』を除外したからだ。
柱上安全帯とは、電柱などで作業する時、腰にロープを回し、姿勢を安定させるものです。
転落した場合、地面への激突をさせない為のものというより、身体を固定させるものです。
だから、柱上安全帯とは別に新しい安全帯=墜落制止用器具という名称を使用することとなりました。
では墜落制止用器具とは何なのか?
簡単に言えばはフルハーネス型の安全帯のことです。
じゃあ、2m以上が高所と言われますが、全ての条件でフルハーネスが義務化されているわけではありません。
新規格のフルハーネスの場合、ランヤードの取り付け位置が胴ベルトの様に腰ではなく、背中となり、更には作業性が悪くならない程度にハーネスと身体の間に隙間があって、多少ずれます。
そして新しいショックアブソーバーは衝撃吸収の為、伸びしろが長い!
結果として胴ベルトより落下すると地面に近いんです。
長いロープでバンジーすると地面に激突しますよね?あれがフルハーネスでは起きる可能性が高いのです。
だから、中途半端な高さの場合、フルハーネスは使えず、胴ベルトを使う事になるんです。
結果として、胴ベルト型も墜落制止用器具として認められています。
・・・え?胴ベルトでもいいの?
ここからが面倒な解釈なのですが、基本はフルハーネスを使用してください。
地面に激突する可能性のある高さの場合は胴ベルトを使用しても良いですよ。
出来れば、作業床や手すりなどを設けて、墜落制止用器具を使わなくても良い環境にしましょう。
という感じです。
という事は、胴ベルトとフルハーネスの二刀流になる場合もあると言うことです。
2~3mくらいで、胴ベルトを使い、7mくらいまで上がるとフルハーネス・・・。
非常に面倒ですね。
大きな工事をやってる現場じゃなきゃ足場なんて組めないと思います。
足場があってもそこから身を乗り出す様な作業は多々あるでしょう。
高所で作業する人は、まずは受講しなくてはいけないと言うことでしょう。
今の法律と保護具の仕様から言えることは胴ベルトとフルハーネスの両方を持っておく必要があり、その使い方と使う高さから選定してどちらを使用すべきか?見極める必要がある。
そして、自由落下距離を短くする為に、フックは出来るだけ高い位置に掛けることだ。
そして、体重は落とすこと・・・。
落下した場合のエネルギーが重さに比例します。
例えば50kgの人が4mの高さから落下した場合、約1,960Jですが、100kgの人の場合、約3,920Jとなります。
因みに、4mの高さから落下した衝撃は32km/hで壁に激突したのとほぼ同じです。
原付で壁に突っ込んだのと同じくらいですね。
計算したい方は 時速[km/h]×時速[km/h]÷260 ≠高さ[m] の式に代入してみましょう。
墜落制止用器具については、旧規格のものは2022年1月2日から使用禁止とされていますので、新規格のものを買う様にしましょう。
新規格のランヤードのショックアブソーバーには種類があり、第1種と第2種があります。
それぞれ条件が異なりますので、よく調べてから購入、使用しましょう。
目安としては1種は5m以上の場所、2種は6.75m以上の場所です。
ランヤードが3つ打ちや8つ打ちのロープとベルトタイプがあります。
これらで落下の実験をした結果ですが、鉄骨などのエッジに当たる様な使い方をした場合、ロープは切れやすい傾向がある様です。
また、ランヤードには自動で巻取りするタイプもありますが、落下時にロック機構が付いたタイプだと、自由落下距離が短く出来るので、比較的衝撃が小さく出来ることと、低い場所では地面への激突も防げることもあるでしょう。
現場のルールとして2丁掛けと指定される場合もあるので、2丁掛けを選ぶ方がスムーズに事が運ぶこともある様です。
使用する条件によって選びましょう。
そして、胴ベルトと違う点はハーネスは体系に合ったものを選ぶ必要があります。
各社が身長や体重でサイズの目安を作っているので参考にしましょう。
フルハーネスを使用して作業する場合は必ず特別教育を受講し、適切な墜落制止用器具を選定し、正しく着用すること。そして正しく使用する事で、災害を起こさない様に努める必要があります。
毎年、200人以上の方だ仕事中に転落や墜落で亡くなっています。
墜落制止用器具は命を守ることはできますが、落ちない訳ではありません。
落ちた時、どこかに身体をぶつけたり、下にモノを落として誰かに当たる可能性もありますので、まずは落ちない為の努力や注意が重要です。
ご安全に。