Layoff(大量解雇)の対象になってしまった私が(関連記事) 最初に決めなければならないことは
「アメリカに残るのか、日本に帰るのか」
ということです。
なお、これがグリーンカード(永住権)を持っていない、就労ビザで在米している状態でのLayoffであれば、有無を言わさず帰国でした。
(もしくは一か月ちょっとの間に新しいビザスポンサーが決まれば、つまり新しいフルタイムの仕事 - ビザが発給できるレベルの大企業に限る が決まればもちろん残れますが、当然かなり難しいです)
しかし、グリーンカードホルダーである我々は、法的には我々はアメリカに永住する権利を持っていますので、帰国するかどうかについては自分たちの意思となります。
その意思決定にあたって 私が一番考えなくてはならないのはうちの子の将来のことです。
うちの子は日本の学年で言うと今中学3年生です。アメリカの学年で言うと今年の9月から高校生です。
==== 日本に帰る場合の考察
一般的に子供を連れて日本に帰国する場合、一番避けた方がいいといわれているのが「高校編入」になってしまうタイミングです。
義務教育ではない日本の高校に編入する場合、受け入れ態勢が整っていない高校が多く、編入は大変不利なものになってしまう場合が多いそうです。
かといって高校編入を避けるために中学留年のような形で翌年まで待って、高校受験からやり直すとなると、一学年遅れますので日本の社会の構造上 正直つらい思いをする可能性が高くなってしまうかと思います。
一方、大学への編入は逆で、アメリカの大学に通っていた帰国子女を 有利な条件で受け入れてくれる大学は少なくないそうで、むしろ日本で大学受験するよりもずっと有利だといわれております。
なので大学入学時か大学編入のタイミングで日本に帰るのが、もしも学生のうちに日本に帰るならば有利だといわれております。
なお、中学生のうちに帰国して、日本の中学に編入することはもちろん可能です(義務教育ですから)。
ただし今のタイミングでうちの子が帰国して中学に編入すると、いきなり高校受験に向けて猛勉強、という状態になると思います。
まあ、英語のリスニング以外はボロボロになるのは目に見えています。。
==== アメリカに残る場合の考察
一方、アメリカで高校ー大学と進む場合ですが、
高校はアメリカでは義務教育ですので、基本的には100%地元の高校に入れます。
そして、大学入学に関しても(ここが日本との大きな違いなのですが)、地元の高校である一定の成績をキープしていれば、地元の大学にエレベーター式に入れるということです。
※そもそもアメリカの大学は、日本のようなあの厳しい大学入試制度はなく、特に地元の高校ー>大学コースであれば入学はそれほど難しくないのだそうです。
ただし、日本の大学に比べて入学後の単位取得は大変なので、入学後頑張る必要がある ということになります。
そしてもう一つ、有利な話がありまして、
うちの地元の大学である University of Washington は、世界の大学ランキングで言いますと、現在は東大よりも上となっているそうで、
つまり、このままここで地元の高校に入り、普通に頑張ってまともな成績を修めて、そのまま地元の大学にエレベーター的に入学して卒業すれば、単純に言えば「東大卒」以上の学歴を得ることになります
もちろん、地元大学を卒業するためにそれなりに努力しないといけないとは思いますが、まず間違いなく、日本に帰って東大受験して東大を卒業するよりも現実的だと思います。
その後日本に帰って就職するもよし、アメリカに残るのもよし・・どう頑張ってもいま日本に帰るよりもうちの子にとって有利だと思います。
ということで、うちの子の将来のためにはアメリカに残るのが得策、ということになると思います。
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そして次に、うちの奥さんがどうしたいかということですが、
これは結構明確で、彼女は日本にいた時よりも アメリカに移住してからの方がはるかに幸せそうです。
そもそも彼女は、私の長期計画である「リタイア後は日本に帰国して平和に暮らす」というアイデアさえも、できることなら変更したいと思っているくらいで、
生涯アメリカに住んで、年に数回日本に旅行に行くというのが理想だと思っている人です。
まあ、リタイア後のことはまだPendingとしても、少なくとも今はアメリカに住み続けることが彼女の幸せにより近いという状況です。
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最後に私はどう思っているのか、ということですが、
とりあえず金銭的な話は置いておいて、純粋にアメリカに住み続けたいのか? それともこれを機会に日本に帰りたいのか?を自問自答しますと、
もともと私は、先週までやっていた仕事がやりたかったからアメリカに来ました。
何度かこのブログでも書きましたが、あれは私の「ドリームジョブ」だったのです。
だったら、それができなくなった今、もうアメリカにいなくてもいいんじゃないか?という話になりますが、
確かに移住後 最初の数年はそんな気持ちでしたが、
6年たった今は、アメリカの方が住み心地がよくなってしまいました。
もちろん、日本の方が有利な部分もたくさんあります。なんといっても、日本の「救急車がタダ」をはじめ、国民健康保険の金額など、医療にかかるコストが安いというのは在米日本人の垂涎の的です
まあ医療に限らず、金銭的な意味ではほぼすべてにおいて日本の方が安いと思います。
しかし、何がアメリカの方がいいと感じているかと言いますと、「世間体」という概念がアメリカにはほとんどない、ということです
無理に人に合わせることなく、無理に流行にある程度合わせることなく、必要以上に他人の目を気にすることなく、自分が自分らしくいられるこの風潮が好きです。
したがって私は、うちの子と奥さんのためだけにではなく、自分自身のためにも、アメリカに残りたいと思っています。
(日本に帰っても、それはそれでOKなのですが)
ということで、次に考えなくてはいけないのは「ではどのくらいアメリカに残れるのか?」です。
もちろん新しい仕事が決まればそこをクビになるまでは残れると思いますが、仕事がなかなか決まらなかったとして「どのくらいの期間持ちこたえられるのか?」
というところを明確にする必要があると思います。
そこは次の記事にしたいと思います。