先日 日本語補習校小学部を卒業し、完全に小学生を卒業したうちの子に、記念品を贈ってあげたいと考えていました。
前から考えていた記念品は、「万年筆」でした。
実は、私自身も小学校を卒業したときに、親が 名前を彫った万年筆を贈ってくれました。
当時の価値で一万円の商品でしたので、今の価値で言えばおそらく3~4万円に相当する 高価なものだったと思います。
その価値と、万年筆という筆記具の性質(使わないで放置してしまうと、インクが内部で乾いて書けなくなり、分解修理が必要になる)が当時の私にも とてもハイレベルなツールであると感じられ、
これを使って字を沢山書かなくては、という気持ちになり、
中学生になった私は帰宅後その万年筆で、予習・復習のために多くのことを書きまくりました。
(※学校に万年筆を持ち込むことは禁止されていました。高価すぎるという理由だったようです)
・・今にして思えば、そうやって毎日文字を書きまくったことが、少なからず脳を刺激することにつながったかと思います。
おかげで多くの人が嫌いだという「数学の証明問題」などは得意分野となりました
(小学生のころは、算数の 応用問題が大の苦手でしたが。。)
したがって、私にとっての「小学校卒業記念の本格的万年筆」は、人生を変えるきっかけにもなりました。
なので同じような体験を、うちの子にもしてもらえたらと思いましたし、
しかもうちの子は 紙に字や数を書くのを面倒くさがって、紙の上で考えるという習慣ができていないため)、
名前入りの高級な筆記具を手に入れることで「書きたい」という意欲が少しでも湧いてくれたと思ったのでした。
しかし、今の時代 万年筆というものがどのくらい使われているのかもわかりませんでしたし、
(決して便利な筆記具ではないですしね。。)
また、時代の風潮として「卒業記念に万年筆」という昭和のにおいをプンプン感じる贈り物が今時通用するのか、という疑問もありました。
しかし、少し調べてみたところ、万年筆という筆記具の人気はいまでも十分に生きており、
むしろ昭和の頃よりもいろいろなインクや紙など(インクの滲み具合が紙によって変わるので)を選べるようになっており、
万年筆のコレクターや、こだわりのある人たちは一定数いるそうで、
いわゆる「高級万年筆」の市場は今も生きていることがわかりました。
そして「卒業記念に万年筆」という贈り物も、令和の今でも変わらず存在するようです。
そしてうちの子に上記の私の思いを伝えたところ、「万年筆を持ってみたい」ということだったので、早速紀伊国屋書店へと行きました。
(アメリカ全土に4店舗ほどしかない紀伊国屋書店ですが、うちから車で20分程度のところにあるのは本当に有難いです)
しかし、万年筆の品揃えは そこそこありましたが、
聞いてみたところ、「名前を彫り込む」というサービスはないということでした。
・・やはり、名前が彫り込んである筆記具を手にすることで、今までとは違った意識が生まれると考えているため、そこは譲れません
そこで我々の結論としては
「今は、練習用に安めの万年筆を買って扱い方に慣れるようにし、夏に日本に旅行に行った際に、名前入りの万年筆を注文する」
ということにしました。
なので、今回は20ドル(約2千円)程度の、万年筆としては安価な部類に入るものを一本購入してきました。
うちの子が早速自分でそれを使ってみて、
「新品の万年筆で、インクがペン先に到達して使えるようになるまでには結構時間がかかる」ということも体験しました
キーボードばかり叩いている私が言うのは説得力がないかも知れませんが、とにかく手を動かして、書いて書いて、脳を活性化させて、
有意義な学生生活を過ごしてくれたら と思います。