日本にいてもアメリカにいても、おそらく多くの人は「全く役に立たないのは分かっているのに欲しいもの」というのがあるのではないかと思います。
私にとってのそれはラズパイ4でした。
(ラズパイとはクレジットカードサイズの極小PCで、主に電子工作の土台として使われることが多い、安価なPCです)
しかも、メモリ8GB搭載の、ラズパイの中で最も高いモデルが欲しかったのです。
なぜラズパイ4(8GBメモリ搭載)が欲しかったかと言えば、
「ラズパイで、Windows 10 が実使用に耐え得る速度で動くかどうか検証したかった」
ただそれだけです![]()
ラズパイ4は、高いとは言えAmazonで見る限り1万7千円くらいでした。
そして もしその1万7千円のマシンでWindows 10が普通に使えるレベルで動作するのであれば、
なにも10万円、20万円出して高価なPCを買わなくても、ラズパイ4でWindowsマシンの代替になる、
と思ったのでした。
本当にその仮定は正しいのか?
2万円未満でWindowsマシンを手に入れるというロマンは実現するのか?
・・という、つまらない実験のためだけに、ラズパイ4が欲しかったのです。![]()
なお、私はすでにラズパイ1やラズパイ3を持っているのですが
(うちの奥さんが誕生日のたびにプレゼントしてくれました・・なんて素敵な奥さん)
流石にラズパイ1や3ではWindows 10 は使い物になりませんでした。メモリ1GBでしたから、まあ当然の結果でした。
(Windows 10 を使い物になるレベルで動かすならば、メモリ8GBが最低ラインかと思います)
ただもっとも、仮にラズパイ4(8GBモデル)でWindowsが実使用に耐え得るパフォーマンスで使えたとしても、
私自身はすでに複数台のWindows PCを持っていますので、
ラズパイ4をWindowsマシンとして実際に使う予定はありません
・・したがって、この検証も遊び以外の意味はないのです ![]()
もっと言えば、普通のラズパイの使い方(WindowsではなくLinux系のOSを入れて、電子回路の実験をするなど)ならば、今持っているラズパイ3で可能です。
ということで、私にとって「ラズパイ4(8GBモデル)を入手する」というのは何の実用的な意味もない、言ってしまえば無駄遣い以外の何物でもないことなのです。![]()
さすがに無駄遣いで1万7千円は痛いです。
・・しかししかし、分かってはいても、どうしても、やってみたくて仕方がない・・ そういう感情って、ありますよね?![]()
そこで考えたのは、現在贅沢嗜好のために使っている出費を1万7千円分抑えて、そのお金でラズパイ4を購入するならば問題ないだろう、ということでした。
私が消費している贅沢嗜好品というのは極めて限定的ですが(そもそも日々ほとんどお金を使っていません)、唯一心当たりがあったのが、
うちの奥さんが夕食の際に1日1本だけ出してくれる、ノンアルコールビールでした。

ノンアルコールビールは、日本であればまとめて買えば1本60円くらいで飲めていたと思いますが、
アメリカでは 日本製ノンアルコールビールは輸入品なので当然高くつきますし、
バドワイザーのノンアル版のまとめ買いでようやく1本1ドルくらい(約100円~140円)です。
とりあえず、1本飲むのを我慢すれば、100円セーブしたと換算し、これを170回繰り返せば1万7千円分浮かせたこととなり、
ラズパイ4購入という、実用的意味のない贅沢を許すことができる、と考えました。![]()
ということで、毎日夕食のたびに、ノンアルコールビールを我慢したらメモ用紙にしるしをつけて、170回への挑戦が始まったのでした

(なお、開始日が12月25日になっているのは、クリスマスプレゼントがラズパイ4だろうと勝手に期待していたところ 違うものだったので、ラズパイ4は自力で手に入れるしかないと判断し、この活動を始めたからです
)
もちろん、ノンアルコールビールを飲んでしまった日(例えば誕生日とか)はカウントしません。
そして結局、日本旅行に行く日(6月26日)までに、155 までたどり着きました。
・・少し170到達できていない状態・・だったわけですが、
日本に旅行に行った際に、秋葉原の電子パーツ店で、ラズパイ4(8GBモデル)が1万3千円程で売られているのを発見。
(※千石電商という店でした。電子パーツ店の聖地・秋月電子のすぐ近くにあります。なお秋月電子ではラズパイ4は品切れでした。)

これならば、Amazonで$170で買うよりも安く、かつ私が到達した155で十分に購入可能でした。
ということで、欲しいと思ってから2年以上の年月を経て、ついにラズパイ4を入手できたのでした。![]()
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しかも全く無駄な出費をすることなく![]()
(ノンアルコールビール代をそのままラズパイ4代にすり替えただけですからね)

いやあ、ラズパイ4、素晴らしいです。![]()
この小ささでCPUはコア4つの1.5GHz、メモリ8GB、デュアルディスプレイ出力対応、USB-C充電、USB3.0インターフェイス、ギガビットイーサネット対応、Bluetooth5.0対応など、これはもうPCとして行けそうなスペックです![]()

さて、果たしてラズパイ4で Windows 10 を動作させたらどうだったのか、についてはまた別記事にしたいと思います。