日本から持ってきたこの本、すでに5回以上読み返したと思います。
寝る前に数分、数ページだけ読んでいます。
1テーマが見開き1ページに短く簡潔に書かれているので、読みやすく頭にも残りやすいです。
なぜこういう類の本を読むかと言いますと、良いメンタルの状態を維持するためです。
人間の脳は意外と単純であると言われており、
例えば前向きになれる本を毎日読み続けていれば自然に自身の思考も前向きになりやすくなり、
逆に落ちていく人のストーリーなど後ろ向きなものばかり毎日見ていると、自身の思考もそちらに引きずられていくと言われています。
また、メンタルの状態が健全であると、身体もそれに引っ張られるように調子が上がっていくと言われています。
結局、自分自身のメンタルを良い状態に維持することは、あらゆる面での成功・向上・好転といったことに繋がる・・これは今や脳科学的にも認められている事実かと思います。
さて、この本で全体を通じて言われていることの一つに「幸福な人生を送るコツは、自尊心を高めることだ」ということがあります。
自尊心、つまり自分自身は(他のすべての人々と同様)この世で価値のある存在であると考える、ということです。
「自分はなんとダメな人間なのだ」「自分は価値のない(もしくは価値の少ない)人間だ」といった考え方をやめよう、ということです。
・・しかし、特に私のような古い世代の人間には、その「自尊心を高める」という考え方には抵抗があると思います。
なぜなら、幼いころから我々は「自分は大したことのない人間だ」と思うことが常識、むしろ美徳であると教え込まれてきたからです。
もちろん「自惚れ」は良くないと思います。
自惚れは自分の成長を阻害し、また他人から嫌われる原因にもなると思います。
この本で言っている「自尊心」は「自惚れ」のことではなく、「自分自身の存在価値」のようなものを意味していると思います。
自身の存在価値を自分で認めることで、他人との人間関係も改善され、自分自身の人生も好転していく、ということです。
・・実は私もなかなかそのようには考えられませんでした。
例えば今の会社組織の中で、私自身の存在価値を 私自身が認めることが難しかったのです。
とにかく頭が切れて仕事ができる連中を世界各国から集めてきたような組織なので、たまたまタイミングよく紛れ込んでしまった私のような日本の田舎育ちの凡人を「組織の中で価値のある人間」と認めるのはとても難しいことでした。
しかし、次のように考えてみることにしました
1.「うちの組織のリーダーたちの人を見る目は確かである。」
2.「ということは、私が採用されて今もここにいるのは、私自身にこの組織にいる価値があるとリーダーたちが判断したということだ。」
3.「しかし、客観的に見て、あの天才的な同僚たちと私自身が同じレベルのエンジニアリングスキルがあったり、マネージメントスキルがあったりすることは、 間違いなく無い。」
4.「(そこで落ち込んで終わるのではなく、)では、彼らにはなくて もしくは足りなくて、私にあるものがあるのではないだろうか。そこに私の価値を見出して採用してくれたのかも知れない。」
5.「ならば私自身の特徴や能力の中で、今のこの組織にとって有益なものは何かをもっと明確にし、それを意識的に発揮できるように努めよう。」
この考え方は、私自身の能力の不足を認めながらも、自身の組織での存在価値を肯定した上での発想 になると思います。
・・もしかしたら、上記の本の中で言われている「自尊心を高める」ということと若干差異があるかも知れませんが、自分自身の存在価値の根拠を追求する、というのは悪いことではないと思います。