湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科の医師、永田充です。

 

「次の胃カメラはいつ受ければいいですか?」

 

外来でとてもよくいただく質問です。

 

ただ、実はこの質問には

 

「すべての人に共通する答え」はありません。

 

というのも、胃がんのリスクは人によって大きく異なるためです。

 

今回は、胃カメラの適切な間隔について、リスク別に整理してお話しします。

 

👉「結局、自分はどれくらいの間隔で受ければいいのか?」
  迷ったときの“考え方”をやさしく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

 

 

 

 

まず基本:健診として受ける場合

症状がなく、「健康チェック」として胃カメラを受ける場合は

 

年1回程度が一つの目安になります。

 

胃カメラでは、

 

・咽頭(のど)
・食道
・胃
・十二指腸

 

を観察できるため、胃がんだけでなく、さまざまな病気の早期発見につながります。

 

もちろん、

 

・症状がある場合
・気になることがある場合

 

は、間隔に関係なく、主治医と相談して検査を受けることが大切です。

 

ピロリ菌で変わる「胃がんリスク」

胃カメラの間隔を考えるうえで重要なのが、

 

ピロリ菌の状態です。

 

・ピロリ菌に感染したことがない方(未感染)
・ピロリ菌に感染している方、除菌後の方

 

に分けて考えます。

 

ピロリ菌に感染したことがない方(未感染)

ピロリ菌に感染したことがない方は、

 

胃がんのリスクは比較的低いと考えられています。

 

そのため、

 

・健診として
・ご本人の希望に合わせて

 

検査間隔を決めて問題ありません。

 

ピロリ菌に感染している方・除菌後の方

ここが今回の記事で一番のポイントとなる部分です。

 

ピロリ菌に感染している方、除菌後の方では

 

胃の粘膜の状態によってリスクが大きく変わります。

 

特に、

 

・胃の粘膜の萎縮が強い

 

場合は、胃がんのリスクが高くなります。

 

ピロリ菌の除菌後も胃がんは見つかる

ピロリ菌を除菌すると、胃がんのリスクは下がります。

 

しかし、

 

除菌後にも胃がんが発見されることは珍しくありません。

 

実際に、

 

・除菌後3年以内に見つかる胃がんが多い
 

胃がんリスク検診(ABC検診)マニュアル-胃がんを予知して, 予防するために. 第2版. 南山堂, 2014.

 

といった報告があります。

 

さらに、

 

除菌後10年以上たってから胃がんが見つかるケースもある

 

ことが知られています。

 

そのため、

 

ピロリ菌の除菌後も、定期的な胃カメラで経過観察を受けることが重要

 

です。

 

胃カメラの間隔はどれくらいがよい?

明確な「全員共通の正解」はありませんが、胃がんを早期発見するという意味では、

 

リスクが高い方(胃粘膜の萎縮が強いなど)

年1回の胃カメラ

 

リスクがそれほど高くない方

2〜3年に1回を目安に調整

※これは胃がんの進行速度が比較的ゆっくりであることを前提にした目安であり、

 個々のリスクに応じて調整が必要です。

 

といった考え方が参考になります。

 

胃がんを早期発見できれば、

 

体に負担の軽い内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)で完治が期待できます。

 

なお、健康チェックとして受ける場合は、年1回程度が一つの目安となります。

 

また、症状がある場合は、主治医と相談し、必要に応じて胃カメラを早めに受けることが大切です。

 

まとめ

胃カメラの間隔は、

 

ピロリ菌の感染の有無
胃の粘膜の状態

 

などによって決まります。

 

ポイントをまとめると

 

・健診目的なら年1回が目安
・ピロリ菌未感染者はリスク低め
・ピロリ菌に感染したことがある場合はリスクに応じて調整
・ピロリ菌の除菌後も、定期的な胃カメラで経過観察を受けることが重要

 

となります。

 

「自分はどれくらいの間隔がよいのか?」

 

迷った場合は、主治医と相談して決めるのが一番安心です。

 

※この記事は、病気や検査について一般的な情報を分かりやすくお伝えする目的で書いています。症状や検査の必要性は、年齢や体質、既往歴などによって異なりますので、気になる症状がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。

 

この記事を書いた人  

永田充(消化器内視鏡専門医/湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科 部長)  
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▶内視鏡治療や研究内容(Underwater ESDなど)については、専門家向けにnoteでも発信しています。

https://note.com/nagata326

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