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前にこんなこと言われたとか、子供の頃親からこうしつけれたとか、以前からこうしてるとか、昔こう習ったとか聞いたとか、人ってのはとかく、判断基準を過去の記憶にしてしまいがちだ。
しかし、自分が思うより何倍も過去の情報は判断基準としてアテにならない。
理由は簡単で、過去の情報や記憶が正しかったとか確かだということは一切立証できないということや、過去と比較している現在の何かは全ての条件が違うので比較対象として不十分であるという点、また、人は必ず記憶や解釈に関してそれぞれ独自のバイアスを加えるため、判断材料にするには不安定要素が多すぎるという点が挙げられる。
いかにも論理的に書いてみたが、一言で言うと、過去は自分が思ってるほど大事でもなければ意味もないということだ。
強いていうなら、大事だとか意味があったと思いたい自分がいるだけ、というのが実際のところなのだ。
あくまできちんと分析するのならばだが。
こんなん書いてるからって当然自分だって「前にこの状況だった時はこうしたな」とかフツーに思うし、判断材料にするけれども、できるだけ「それは自分が思ってるほどアテになるもんじゃないんだよな」と付け加えるようにしはしている。
常に新しい判断基準や選択肢を自分の中にさらっと軽やかに取り入れるような意識を持っておかないと人は不必要なところで過去に囚われて機会を失う。
前にあの人にああ言われたとか、それがどれほど正確で公平で普遍的で万人が納得する意見だったのか、考えたことなんかないだろう。
他人のほとんどは自分の影響力なんか露ほども考えずにものを気分で言う。
そんなものに惑わされるな。
今の自分がどうなのか、それが全てだ。
家族がああ言う、友達や上司や恋人がこう言ってくる、だからなんだ。
それも家族や他者の意見のひとつに過ぎず、自分の話でもなんでもない。
まぁそうは言ってもってみんな言うんだ、否定されるのが怖いから、否定されても否定し返す強さやしなやかさがないから。
「うるせえ黙ってろ、今自分のしたいことくらい自分で決める」
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