二足の草鞋 -46ページ目

孤独な道標 【第十一章】~雑魚と下女①~

【第十一章】
≪雑魚と下女①≫

みるくとの約束。1年後に結婚をする為に婚姻届にサインしたタイムカプセルを出逢った日に開封する日が近づいていた。

しかし、今となってはその約束は関係なかった。俺は一人でBRAイノセントへ行き、マスターにみるくと別れたことを告げた。

「そうですか・・・。じゃぁ、これはお返し致します。二人でご来店してくれるのを楽しみにしていたんですが・・」

タイムカプセルと称したボトルをマスターから返してもらい、婚姻届とみるくが俺に宛てた手紙の中身を読んだ。

手紙を書いている時点で俺と結婚する気がなかったようだ。

きっとその頃から雑魚と俺との間で二股をしていたに違いない。ということは、俺の棒と雑魚の棒を交互に楽しんでいたことになる。
この間、仮病を使い自宅に来た時も抵抗しなかったのは、まだ俺への未練があるということだろう。いや、未練というより現時点でも二股をかけているに等しい。最近、ペタ返しはないが、記事は読んでいるはずだ。きっと雑魚に何か弱みを握られ、そのうち俺に助けを求めてくるに決まっている。
雑魚から救ってやれるのは俺しかいない。
みるく、この婚姻届、よく見ると住所が違うじゃないか。
 それにこの手紙の内容はなんだ。
 俺と別れる前に今の彼氏と知り合い、きっと何か弱みを握られたんだろう。可哀想に・・・。
 俺は今の彼氏をけっして許さない。
携帯でブログをアップすると婚姻届と手紙を燃やし、BRAを後にした。
雑魚からみるくを救う。それが今の俺にとっての使命と定め、例えどんな手を使ってでも取り戻すと誓った。
自宅に帰り、今までみるくと関係のある人間を思い出すことにした。
携帯を手に取り、電話帳に記載されている名前を見るとY子が出ていたが、すぐに消去した。

捨て駒にもう用はない。そういえば、Y子から電話が何度かあったが無視し続けた。自宅前で待っていたこともあったな。
「何しに来たんだ。もう用はない。消えろ。」
「一体、女性をなんだと思ってるの?そういう性格を変えない限り、みるくが戻ってくることはないわよ。」

「お前に指図される覚えはない。もう一度言う。消えろ!」

Y子がその後どうなったかは知らないし、知りたくもなかった。

再度、携帯で名前を調べると一人の気になる名前を見つけた。

渋谷区にある美容室の名前だった。何度かみるくと一緒に髪を切りに行ったが、みるくの髪を最後に担当したのが男で、不機嫌になった俺は、もうみるくにそこの美容室には行くなと言った覚えがある。
その美容室で働いているみるくの知り合いは女性だったのを思い出した。

よし、次の下女はこいつだ。