皆さま、今日もお元気でしたか? 今週も皆が無事に過ごせますように!
「今日はなんの日」のコーナーです。
参考にしたのは、近藤憲一氏著「1日1曲365日のクラシック」という本で、それにプラスαで書いています。(写真はwikipediaなどwebからお借りしました)
今日、8月3日は・・・名ソプラノ歌手 「エリーザベト・シュヴァルツコップの命日」 です。
Olga Maria Elisabeth Frederike Schwarzkopf : 1915.12.9-2006.8.3;
ドイツのソプラノ歌手
昨日のカルーソーは知らなかったけど、シュヴァルツコップさんはなんとなく面白い名前だったんで知ってます
ほとんどwikipediaの情報にプラスαくらいですが・・・
エリーザベト・シュヴァルツコップは、1915年12月9日にドイツ帝国・プロイセン王国ポーゼン州(現ポーランドのヴィエルコポルスカ県)で生まれました。
ベルリン音楽大学で学び、最初はコントラルトでしたが後にソプラノに転向。
1938年(23歳)にベルリン・ドイツ・オペラでデビュー。1943年(28歳)にカール・ベームに認められてウィーン国立歌劇場と契約、コロラトゥーラ・ソプラノとして活動を始めました。
第2次世界大戦後にHMV/EMI/英コロンビアレコードの名プロデューサーのウォルター・レッグと知り合い、厳しいオーディションを受けたあとEMIと専属録音契約を交わします。以来、レッグはマネージャーと音楽上のパートナーを務め、1953年(38歳)にふたりは結婚しました。
バイロイト音楽祭やザルツブルク音楽祭にも出演、カラヤンやフルトヴェングラーともたびたび共演しました。1947年(32歳)にイギリスのコヴェント・ガーデン王立歌劇場に、1948年(33歳)にミラノ・スカラ座に、1964年(49歳)にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場にデビュー。
1952年(37歳)にミラノ・スカラ座で R.シュトラウスの「ばらの騎士」の元帥夫人マルシャリンを歌い(指揮はカラヤン)、大成功を収めました。1960年にザルツブルク音楽祭で歌った元帥夫人は「永遠に高貴な」と評され、彼女の最高の当たり役となりました。
出典本の近藤氏も、「立ち居振る舞いだけで、”元帥夫人”と思わせる歌手は、二度と現れようもない、時代が創ったひとつの理想像であった。」と書いておられます。
1960年のザルツブルク音楽祭での元帥夫人を演じるシュヴァルツコップ
オペレッタの録音にも非常に熱心で、「こうもり」や「メリー・ウィドウ」の録音が残っています。
ちなみに、オペレッタを歌うシュヴァルツコップを、マリア・カラスは非難しました。
カラスはオペラ歌手たるもの、オペレッタなどは歌うべきではないという固い信念を持っていました。その批判の矛先がシュヴァルツコップに向けられたのです。
当時、「オペラ歌手」たちは決してオペレッタを歌おうとはしませんでした。オペレッタはオペラ歌手になれなかった者たちが歌うもの、と見なされており、オペレッタはオペラと比べると一段も二段も劣るものだと認識されていたのです。
マリア・カラスはたとえ録音であったとしてもオペレッタを歌うオペラ歌手を心底馬鹿にしており、そのことを隠そうともしませんでした。
しかし、そうした批判には耳を貸さず、シュヴァルツコップはオペレッタだからといっても一切の手抜きもせず自分のもてる技術のすべてを注ぎ込んで歌いあげました。
そして彼女によるオペレッタの歌唱は、いまだに誰も超えることのできない一つの頂点であり続けています。
また、リート歌手としても特に評価が高く、R.シュトラウスやヴォルフの歌曲の録音を行いました。「完璧主義」を貫いた彼女の歌曲録音の完成度は、他の追随を許さないものがあります。フィッシャー=ディースカウとともにドイツ声楽界をリードした男女の双璧と評されています。言葉のニュアンスを十分理解せずに歌う行為を嫌い、外国語の歌唱には比較的慎重であったそうです。
1976年(61歳)にオペラから引退、1979年(64歳)に歌曲リサイタルからも引退し、後進の指導にあたりました。
2006年の今日、8月3日にオーストリアのフォアアールベルク州のシュルンスの自宅で他界しました。90歳でした。
スイスのチューリッヒのツミコン墓地にあるシュヴァルツコップ家のお墓
ご主人のウォルター・レッグ氏などとともに眠っています
それでは今日の曲です。モーツァルトの歌曲《春への憧れ》です。
モーツァルト:歌曲「春への憧れ」 K.596 (2分4秒)
/ エリーザベト・シュヴァルツコップ (Sop)、ヴァルター・ギーゼキング (Pf)
1980年(65歳)に行ったマスタークラスの様子もありました。
もっと演技しろ、と盛んに言ってます。とっても面白かったです
エリーザベト・シュヴァルツコップのマスタークラス (1980年 エジンバラ・フェスティバルにて) (10分18秒)
『私の歌をお聴きになる方は、始まる前と後とでは違った人になって帰られることを望みます』 (エリーザベト・シュヴァルツコップ)
エリーザベト・シュヴァルツコップ (1915-2006)
(1961年)