下野竜也&九響:ベートーヴェン;交響曲 第9番 | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

2018. 12. 23 (日)  14 : 00 ~        福岡シンフォニーホールにて

 

<第15回 名曲・午後のオーケストラ>

 

ベートーヴェン:交響曲 第9番 二短調 Op.125 「合唱付き」

 

ソプラノ:吉原圭子

メゾ・ソプラノ:小林由佳

テノール:村上敏明

バリトン:宮本益光

 

合唱:九響合唱団、RKB女声合唱団、九州大学男声合唱団コールアカデミー、久留米音協合唱団、コーロ・ピエーノ、西南オラトリオ・アカデミー合唱団、多目的混声合唱団"Chor Solfa!"、筑紫女学園中学校音楽部、ちくしの混声合唱団、福岡教育大学混声合唱団、福岡工業高等学校グリークラブ、一般公募(U30)

 

合唱指揮:横田 諭

指揮:下野竜也

九州交響楽団

(コンサートマスター:扇谷泰朋)

 

 

私にとって今年最後のコンサートは「第九」。

個人的には年末➡「第九」っていう図式は全く好きじゃない(あまのじゃくなんで笑う)のですが、第九を聴こうと思ったらこの時期しか演奏されないことが多いので仕方ないです←ひねくれ者

 

九響は15日に延岡市(宮崎県)、16日に大分市で演奏し(指揮は山下一史氏)、21日に北九州市と今日福岡市で下野さん指揮での演奏だったから、九響としては4回目の第九だ。

 

 

全体的な感想から書かせていただくと・・・ 

そしてあくまで「個人的な勝手な感想です」と前置きして書かせていただくと・・・

あんまりいいとは思えなかった汗

 

弦の音が軽い。厚みが全然感じられなかった。(私の席では)低弦が全く響いてこないので、迫ってくるような迫力感や重量感が全く感じられず物足りなかった。

今日の弦は14-12-10-8-7だったと思う。この構成はいつもと大体変わってないと思うんだが、「あれ、今日はどうしたんだろう」と思うくらい音色がえらく薄っぺらく感じてしまった。

 

オーボエ、フルート、クラリネットはよかった(特に佐藤太一さんのオーボエはピカイチにうまい)が、ファゴットやホルン、トロンボーンがうーん、いまひとつ。

ファゴットは第4楽章は頑張っていたが、第2楽章の重要なとこ、もっとふくよかさやキレが欲しかった。先日退団されてしまった首席の山下奈美子さんの穴はとても大きいと思ったうぅ

ホルンは最近調子いいかなと思っていたが、今日はやっぱ余裕がない音、バラつきが気になる。第3楽章の4番ホルンのかたのソロはとてもよかった。個人的には1番ホルンよりこのかたの方がうまいんではないかといつも思ってるんですけど・・汗

いつもは全然気にならないトロンボーンもやけに気になってしまった。なんだろうあの音は・・

 

 

そんな風で第1楽章の最初から、弦は音が軽い、木管・金管も合わせてバラつきが目立つ気がして、「これをいつ立て直すんだろう」と思っているうちに第1楽章が終わってしまった。

 

第2楽章は頑張っていたと思うが、迫力やキレがもっともっと欲しかった。

この楽章のティンパニも好きなんだけど、厳しいことを言えばなんとなく乾いたようなキレの悪い音?

第2楽章の終わり、普通ならダンッ!と終わるところを下野さんは指揮棒をふんわりと回して柔らかく終わっていたが、これは何故?? 意図的だと思うけど理由を知りたい。

 

第2楽章から第3楽章への間を下野さんは割と長めにとっていた。

弦の軽やかさが功を奏したのか第3楽章が一番よかったと思う。のびやかに歌っていた。

 

第3楽章から第4楽章へもアタッカではいかず、少し間をおいていた(私自身はアタッカの方が好き)。

合唱が入ってくると演奏もしまってきた。ただ、私が視覚的に勝手に好きなんですが、この楽章のヴァイオリンなどが前傾姿勢で必死こいて弾くところも思ったほどではなく、やや期待外れだったかなぁ。

最初っから座っていた歌手の方々、発声や発音のことは私は分からないけど、4人とも声が3階席まで十分響いてきてよかったと思う。

合唱団は男女とも各々約110-120人くらい?と大人数だったせいか迫力があった。ただ逆にいうとこのくらいの大人数が揃わないとこのくらいの声量にならないのかなと思わないでもないけど・・

独唱や合唱がひと息ついて、打楽器群が弱音で鳴らし始める行進曲のところ。鳴らし始める直前にピッコロ(?)が「ピヨ!」と(誤って)鳴らしてたような・・・

最後は盛り上がって、演奏終了後はブラボーが飛び交っていた。

 

 

粗探しみたいなことばっかりたくさん書いてすみません汗

でも自分の正直な感想です。個人的には昨年の小泉さん指揮の第九の方が断然よかった。

今年の九響は、ブルックナーの5番に始まり、「惑星」、「カヴァレリア・ルスティカーナ」、こないだのエルガーの1番などなど熱演、名演続きだったので、それらに比べると正直、「今日はどうしちゃったんだろう」と思ってしまいました。それとも今回4回の第九の演奏で、前半2回と後半2回の指揮者が異なったことも影響しているのかな~など演奏を聴きながら色々と考えていました。

 

ただ・・・ここまで書いて思ったのが、弦の音色の軽さその他下野さんの意図したことだったのかも、ということ。だとするならば、自分の聴きなれた第九と違って聴こえただけなのかもしれません。

あるいは、Twitterなど拝見すると絶賛している方々も多かったので、単に自分の好みではなかっただけといえるのかもしれません・・・

 

 

下野さんは、譜面台に楽譜を閉じて置いたまま、めくることなく指揮していた。

指揮はいつもながらのとてもメリハリが利いていて、見ていても小気味いいものだった。

 

カーテンコールでは下野さんが大きな花束を抱えてきて、今日で定年で退団されるコントラバスの杉上恒明さんに渡していた。下野さんが杉上さんに真ん中までいらっしゃい~と手招きして、指揮台にものぼらせて拍手を送っていた。舞台下からは娘さんと息子さん(らしい)が来て娘さんがお父さんに花束を渡していた。娘さんは(遠目にみてですが)涙ぐんでおられたような・・ 

 

 

私はこれで年内のコンサートは終わり!

九響のおかげで今年は実演を初めて聴く曲、今まで知らなかった曲をたくさん聴けたaya

そして11月に上京して聴いたメータ&バイエルン放送響、その音楽もさることながら「生」へのパワーや素晴らしさ、色んな事を教えてもらった気がする。

今年聴きに行った数々のコンサートの指揮者の方々、演奏家やオケの方々、それからいつも拙記事を読んでいただいている皆さまに心から感謝を申し上げますayaaya

来年はどんなコンサートでどんな音楽との出会いがあるのか、とても楽しみですsao☆ラブラブ