昨年末にKBCシネマに映画を観に行きました
「新世紀、パリ・オペラ座」
監督:ジャン=ステファヌ・ブロン
製作:フィリップ・マルタン、ダヴィド・ティオン
撮影:ブレイズ・ハリソン
いや~、個人的にはすっごくおもしろかった
見にいった29日は上映最終日だったが、観に行ってよかった!
元々こういう裏方的なドキュメンタリーには興味を引かれてしまうのだが、期待以上の面白さだった。
このドキュメンタリー映画は、オペラ、バレエ、新人発掘、子どもたちへの教育、経営面、そして裏方の仕事などなど色んな面から描かれている。
職員の組合のストライキや、もっと安い値段のチケットの設定をすべきでは、という議論の場面では、パリのオペラ座といえでも時代の波には勝てないのだなと思ったし、一方でオペラの演出で実際の「牛」(といっても通常想像するような牛ではなくて、でっかい牛!)を登場させることにこだわったり、舞台にほんの少しの妥協も許さないところなどはやはり”世界一”を自負する」「パリ・オペラ座」なのだと思った。
それから、先日福岡公演で観た指揮者のフィリップ・ジョルダンが頻繁に登場する。
彼はパリ・オペラ座の音楽監督でもあるのだ。
もうね、ほんとにカッコいいんです
先日はウィーン交響楽団の指揮者として何気に見ていたが、この映画を観ると「この人はやっぱりオペラの人ではないかな」と思った。
ウィーンの国立歌劇場の次期音楽監督に抜擢されたと聞いたときは、「え?そうなの?」と正直思ったが、これを観たらなんか納得できる気がした。
それからこの映画に登場する、新人歌手(バス、バリトン)のミハイル・ティモシェンコ。
彼はロシア出身の24歳で、2015年9月からこのパリ・オペラ座アカデミーのアトリエ・リリックに所属している。映画ではアカデミーのオーディション風景やレッスン風景、思い悩む様子など彼も頻繁に登場するのだが、音楽に対する姿勢がとっても純粋で応援したくなる。
今年はヴェルディの「仮面舞踏会」の水夫シルヴァーノなどを歌う予定だそうで、個人的にも今後も注目したい
他に感じたこと。バレリーナたちも舞台上は華やかで優雅だが、舞台袖まではけてくると倒れてしまうのではないかと思うくらい、息づかいもはげしくへたりこんでいる。
オペラを1本創り上げるのにいかにたくさんの人々が関わって、いかに時間をかけて何度もリハーサルを重ねて本番に向けて練習を重ねているのか、よくわかる。
パリ・オペラ座は1661年のルイ14世時代からの歴史を誇っているのだそうだ。
私はパリ・オペラ座には行ったことはなく、それどころかフランス自体にも行ったことがない。
いつか実際に行っていみたいなぁ
オペラがまたとっても観たくなりました
<本作に登場する音楽の数々・・・>
ワーグナー:ニュルンベルクのマイスタージンガー、タンホイザー
モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ、フィガロの結婚
ベルリオーズ:ファウストの劫罰
シェーンベルク:モーゼとアロン
ヴェルディ:リゴレット
バルトーク:弦楽四重奏曲第3番、第4番、青ひげ公の城
ベートーヴェン:交響曲第7番
イベール:ドン・キホーテの4つの歌
ドニゼッティ:愛の妙薬
ミンクス:ラ・バヤデール
他・・・