第19回 別府アルゲリッチ音楽祭;室内楽マラソン・コンサート その1 | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

2017. 5. 20 (土)    15 : 00 ~   ビーコンプラザ・フィルハーモニアホール(別府市)にて

 

第19回 別府アルゲリッチ音楽祭

<室内楽マラソン・コンサート> ~アルゲリッチが贈る「星の王子さま」

小さな子どもだったあなたへ~ 私たちの星で音楽を奏でる理由(わけ)

To you who were once a little child - Why we have music on our planet

 

第一部

バーバー:弦楽のためのアダージョ

(カルテット・アマービレ;北田千尋 (1st Vn), 篠原悠那 (2nd Vn), 中恵菜 (Vla), 笹沼樹 (Vc) )

 

メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20

(竹澤恭子, 豊島泰嗣 (Vn), リダ・チェン・アルゲリッチ (Vla), 向山佳絵子 (Vc), カルテット・アマービレ)

 

第二部

アニー・デュトワ プロデュース 「星の王子さま」

( アニー・デュトワ (朗読), イヴリー・ギトリス (Vn), Mariano Nante (映像) )

 

ドビュッシー/ハイフェッツ:子供の領分より ゴリヴォグのケークウォーク

( 竹澤恭子 (Vn), マルタ・アルゲリッチ (Pf) )

 

ラヴェル:マ・メール・ロワより 第1曲;眠りの森の美女のパヴァーヌ、第5曲;妖精の園

( マルタ・アルゲリッチ, 伊東京子 (Pf) )

 

ドビュッシー:子供の領分より グラドゥス・アド・パルナッスム博士

( マルタ・アルゲリッチ (Pf) )

 

第三部

クライスラー:愛の悲しみ

クライスラー:美しいロスマリン

( イヴリー・ギトリス (Vn), マルタ・アルゲリッチ (Pf) )

 

シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44より 第1楽章、第2楽章

( マルタ・アルゲリッチ (Pf), イヴリー・ギトリス (1st Vn), 豊嶋泰嗣 (2nd Vn), リダ・チェン・アルゲリッチ (Vla), 向山佳絵子 (Vc) )

 

 

今年のアルゲリッチ音楽祭で唯一参加できたコンサートがこちら。(毎年参加していたコンツェルトシリーズは今年は小澤征爾さん指揮で、予想通りチケットは瞬殺でなくなってとれませんでした泣く

 

この室内楽マラソン・コンサートは長時間に及ぶため、観客の体調などを考慮していったん休止していたが、今回はこの企画が大好きなアルゲリッチ本人の強い希望で5年ぶりに復活したのだそうだ。

 

そして昨年の音楽祭で「夜のガスパール」の原詩の朗読を披露したアニー・デュトワから、今年は「星の王子さま星の王子様」を読みたいという希望があり、そこから今年の音楽祭のテーマ、

「小さな子どもだったあなたへ~私たちの星で音楽を奏でる理由(わけ)」ができあがった。

 

 

本当に盛りだくさんのプログラム。

第一部のバーバー、そしてメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲はずっと生で聴いてみたいと思っていた曲が聴けて幸せハート

 

第二部はアニー・デュトワプロデュースの「星の王子さま星の王子様」。

ステージに映像が映し出されて、アニー・デュトワの朗読をはさみながら曲が演奏された。

そして朗読の中で王子さまと狐との会話があるたびに、隣に座っているイヴリー・ギトリスがアドリブ(?)でちょこちょことユーモラスな旋律をはさんでいった。

そのギトリスの即興演奏とデュトワとの掛け合いがなんとも面白くて時々ふふふと笑いが出てしまうsao☆ 当のギトリスも弾きながら自分でくすくすと笑っていたぷぷッ(笑)

あの有名な 「大切なものは目に見えない」という一節も出てきた。

 

第三部の前半はギトリス&アルゲリッチのクライスラー2曲。

ギトリスは年齢のせいもあるのか、もう強い弾きはできないようで、全体的にささやくかのような音色でゆっくりと弾いていく。 でも早いパッセージなどは身体に沁みついているかのようにコロコロと音がはじけて生み出されてくる。

そしてアルゲリッチがギトリスにぴったりとそしてひっそりと寄り添う本当に素晴らしい伴奏だった。 このクライスラーは誰にも真似できない、ふたりならではの演奏だったと思う。

 

そしてシューマンのピアノ五重奏曲。当初は第1、第3楽章の予定が第1、第2楽章に変更とのアナウンスが当日あった。

第一ヴァイオリンのギトリスは、隣の豊嶋さんに自分のヴァイオリンを渡してチューニングをさせて、「ブラボー」と言ってお客さんを笑わせていたふふ

 

実際の演奏はやはりギトリスを気遣いながらのものだったように思う。ギトリスが主旋律を弾くときは皆がぐっとテンポを落としていた。ギトリスの音はチューニングしたにもかかわらず若干ずれることが多い。 第2楽章の最後の最後も少し音がずれたままで、おまけにアルゲリッチが激しく咳込み、そのまま終わってしまった・・・ 

ギトリスを支えながら舞台袖へ歩いていくアルゲリッチ。白髪のふたりの後姿を見ているとやっぱりしみじみと年齢を感じてしまった。

 

 

第四部のアルゲリッチ・ファミリープロジェクトは次回に続きます。。。つづく