『屍人荘の殺人』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


​『屍人荘の殺人』
今村 昌弘、創元推理文庫、2019年



舞い戻ってきたホームズを、ワトソンの手で再び崖下に突き落とすなんて。


神紅しんこう大学ミステリ愛好会の葉村 譲と明智 恭介は、去年自殺者を出したという噂のある映画研究部が夏休みに行なう合宿に招かれる。彼らを誘ったのは同じ大学の探偵少女・剣崎 比留子けんざき ひるこ

映画研究部に脅迫状が舞い込んだことにより、参加者が激減してしまっているからだという。


こうして合宿先のペンションを訪れた一行だったが、近隣で開催されていたフェスを起点とした集団感染テロの信じがたい効力により、ペンションに籠城を余儀なくされる。

そして翌朝には、部員の一人が密室で惨殺される事件も発生。それは連続殺人へと発展してしまう。


外部と内部の両面から命の危機にさらされる中、葉村や比留子らは事件を解決し生き残ることができるのか。



   



第27回鮎川哲也賞受賞作。
ほかにも『このミステリーがすごい!2018年版』第1位、『週刊文春』ミステリーベスト第1位、『2018本格ミステリ・ベスト10』第1位という怒涛のデビュー作。
映画化もされましたね。


葉村たちがどんな状況でクローズドサークルに入ることになってしまったのかは、ネタバレのため言わない方がいいようですが、これはなかなかなクローズドサークル

そのペンションでは連続殺人も起こるし、外の状況とも相まって「前代未聞の密室殺人」とさえ呼ばれました。


きちんと名探偵ものであり、密室トリックもあり、加えてアレ、という。なかなかにものすごい作品ですな。