『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』
歌田 年、宝島社、2021年
紙鑑定士・渡部 圭の営む事務所に、「神探偵」と勘違いした女性が彼氏の浮気調査の依頼にやってきた。手がかりはプラモデルの写真のみ。成り行きで依頼を引き受けた渡部は、伝説のプラモデル造形家・土生井はぶいと出会い、彼の知識と洞察力から真相に辿り着いたのだ。
その依頼者を介して訪れた次なる依頼者がもってきたものはミニチュアハウスだった。
渡部は再び土生井の下を訪れるが、そのミニチュアハウスに込められた秘密を解き明かしたとき、渡部は他殺体を発見することになる。
そこから次々と模型が送り付けられ、それらは大量殺人の計画を示唆していて。
どんな紙でも見分けることができる渡部と伝説の造形家・土生井のコンビは、この狂気の犯人を止めることができるのか。
第18回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
紙と模型の蘊蓄が目白押しで、紙については初めて知ることだらけでしたねー。
とあることで業界から干される形となった土生井も、かなりの世捨て人というかアレな感じでの登場でしたが、実質的に安楽椅子探偵みたいな感じになります。
LINEやらGoogleマップやらTwitterやらも多用されていて、現実世界に即した感じになってましたね。