『キャットフード』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。

『キャットフード』
森川 智喜、講談社、2013年


「うふふ、ご主人様って本当に容赦ないですねえ。同じ人間ですのに」


化け猫のウィリーは、人間に化けて人間と遊ぶ趣味を持っていた。ある日ウィリーは、緋山 燃という人間になりすまし、飼い猫同然に世話をしてくれている人間とその友人たちと旅行に出かけていた。しかし、その離島にある宿泊先の屋敷は、ほかの化け猫たちが運営する人肉ミンチ工場だったのだ。

化け猫が化け猫を殺すことは許されない。その掟に従い、ウィリーはどの人間に化けているのかを分からなくして化け猫たちを牽制し、自分によくしてくれる人間を守るために、人間たちに紛れ込みその島からの脱出を試みる。
しかし、業を煮やした化け猫たちは、飼い主である人間・三途川 理に協力を要請。人間の炙り出しにかかった。

三途川の計略により一人また一人と犠牲になっていく人間たち。ウィリーは飼い主同然の人間を助けることができるのか。



   




極上の食材である人間を鮮度を保ったまま缶詰にすべく、人間たちをミンチ工場に誘い込んでしまおうという「注文の多い料理店」での惨劇。
化け猫のウィリーはノラ猫ですが、飼い猫のようによくしてくれる人間を守るため島からの脱出を図ります。化け猫同士の殺しはご法度という掟があるため、敵側もウィリーが誰に化けているのか分からない内は手出しができなくなっています。

そこに召集されたのが敵側の飼い主・三途川。こいつの策略で犠牲者が次々と出てしまいます。本当に人として終わっている奴。

一方、成り代わられ、友人たちが自分を置いて旅行に出たことを知った本物の緋山。彼のとる行動でウィリーたちの運命が変わるのです。
これは緋山が探偵になる前のお話のようですね。つまり、彼の始まりの物語でもあるわけです。
化け猫・人間のタッグ同士の知能戦の結末とは。