フロントには10分前に入ることになっている。就業は9時からだけど・・・
朝日が燦々と降り注ぐフロントに漂うのは、香り高い京の香。


ほのかに甘く優しい香りがふわり、ふわり。
お香が大好きで燻されて燻製になってもいいと思う私は
こんな癒し空間の中で働けることに、何の不満もない。
とりあえず、朝の掃除を終えると
香炉の灰を捨て、また新しく香を焚く・・・。
この瞬間がとても好きだ。
そして・・・ある日のこと・・・
ふと社員Sさんが私に言った。
もしかして香炉の灰・・・捨ててへん?!
あ・・・捨てたらダメでしたか?家では溜まると掃除してるもので・・・
仏壇の灰って捨てないでしょ?それと一緒やから!
仏壇の線香と要は同じ考えやから、いちいち捨てんといてねぇ。
分かったような、よく分からないような・・・説得力も根拠もまるでないが
まだ入りたての私なので、長いものには巻かれろ・・・と
素直に謝り、その場・・・納得した顔をしてやり過ごした。大人な私・・・
ひとつ、学習した。
香炉の灰は捨てないっ!
そして・・・また、ある日のこと・・・。
朝の掃除を終え、さぁ、ひととき癒されようと香炉に手を伸ばす。
渦巻きタイプのお香を少し短く折って、火を・・・と思っていた矢先だった。
あ~ダメダメ!
遠くから聞こえる社員Nさんの声。
え?私ですか?何がダメなの?おぃ!←小さく心の声・・・
それは男性社員の仕事って決まってるから
勝手に焚かんといてくれるかな!!
(゚∇゚ ;)エッ!? いつから決まったんだろう・・・。
だったら、なぜあの灰の時に言ってくれないのだろう・・・。と、心の声。
どうも腑に落ちない。
だけど笑うしかない・・・所詮、パートだもの・・・
お香の香りが嫌だというお客様もいるから、
焚きすぎるのはよくない・・・そんな理由らしい。
もひとつ、学習した。
香炉は勝手に焚かないっ!
嗚呼・・・私の楽しみがいっこ減ってしまった。
あ!そーだっ!
これを買って帰って、家で焚こうかな?
ここでパート中に、すっかりこの香りのファンになってしまった私は
値段をチェック・・・600円・・・安いっ!これかなりお得っ!!
よし、2時で交替したらお財布持って来て、ふたつばかり買って帰ろう。
ニコニコ顔でよ~く見たら・・・
1600円だった・・・。
高っ!買えんわっ!
社員割引はないんですか?!Σ( ̄□ ̄;;;)!!あ!私、パートだった・・・

いま、何位かなぁ~?
それぞれをクリックしてくれると嬉しいえんちです!





Nさん・・・
普段はとても穏やか
家庭菜園を楽しんだり、ローカルでソフトなおっちゃんだが、
ちょっとした事で、すぐ切れちゃう要注意人物である。
上司として・・・ちょっと、ついていけないかも・・・。
しかし・・・そのNさんが・・・
今日付けで、支配人に昇格するなんて・・・。
この先が不安である。なるべく関わらないようにしようっと!
