北海道の稚内と礼文島にて・・・。
初めて人物の写真を撮ることにチャレンジした銀色夏生。
色を抑えたモノクロの写真は、どこか懐かしい感じがします。
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この場所から
君と会えてよかったと思える恋でも
僕たち以外の何かの力を待って
この場所にとどまることはできない
僕の願いを果たすために
駆けだす一足一足が
たとえ僕たちを遠ざけることになっても
それはそれで仕方ないのだから
夕日の中で困った顔をする君を見て
心から好きだと思う
君が僕のものではないことが悔やまれるほど
確かに思う
君は僕に愛されたという事実を
金ピカのバッジにして胸にはって
歩いていくんだよ
もしかしてずっと一緒にいられたら
それがいちばんいいから
もう何も考えないようにしようよ
もう何も迷わないことにしようよ
この場所から
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あなたをあきらめる理由をひとつひとつ数えあげてみた
あなたを嫌いになる理由を
小さいことから大きいことまで
性格の違いや好みの違いも
そうしたらわりと次から次と出てきて
10コも20コにもなった
そして
こんなことまでして忘れようとしている
この恋の深さにハッとした
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恋してるからこそ味わうことになる苦しみや迷い・・・
胸がキュンとなるような・・・切なる想いがここにはあるのです。
*書籍名・・・・・わかりやすい恋
*著者名・・・・・銀色夏生
*出版社・・・・・角川文庫
*発刊年・・・・・1987年