一目惚れの彼女に3年かかって、やっとデートの約束をとりつけた。
彼はとても満足だった。
一緒の時間を過ごせた・・・ほんのわずかではあるけれど、
2人の関係が前進した・・・ただそれだけで充分だった。
しかし・・・
部屋で今日1日の出来事を思い返し、彼女の言った言葉を
ひとつひとつ思い返しているうちに、とうとう居たたまれなくなり、
“今日は楽しかった”とひと言、電話したくなったのだ。
電話したい・・・でもしつこいと思われたくない・・・
でも・・・電話したい・・・電話したい・・・電話したい・・・
気がつくと彼は彼女の家の電話番号を、ダイヤルしていた・・・。
ちょっと冴えない男の話。
この男の気持ちが痛いくらいによく分かる・・・。
誰しも恋愛の初めの頃に経験したことがあるであろう、
心の葛藤・・・だけど・・・妙に笑えるんですが・・・。
“恋愛に関して、新たに悟ったことは、既にもう、前に一度悟っている”
今度こそ・・・今度こそ・・・そう思っていても、恋は容赦なく
人の心のすきに入り込み、熱を持ち、惑わせる。
同じような失敗は繰り返さないと、心に誓ってもそれは無理・・・。
だってもうすでに、心は恋に支配されているのですから!!
- 三谷 幸喜, 唐仁原 教久
- 俺はその夜多くのことを学んだ