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M3遣いのブログ

ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

〓閲覧注意〓

・僕のブログの中で過去イチ長い文章ですm(_ _)m

・クルマのことしか書いていません^^;



2025.3.16(日)

6年間相棒として乗り続けたBMW M4(F82後期)に替わり、新しいクルマを迎えました



ポルシェ 911 カレラ4S(991.1型)

7速PDK(PポルシェDドッペルKクップルング=デュアルクラッチトランスミッション)・左ハンドル

排気量:3,800cc NA(自然吸気)

最大出力:294kW(400PS)/ 7,400rpm

最大トルク:440Nm(44.9kgf/m)/ 5,600rpm

0-100km/h加速:4.3秒    最高速度:297km/h

駆動方式:リアルタイム4WD



車体寸法:全長4500‪✕‬全幅1850(ドア部は1720)‪✕‬全高1295mm

車両重量:1,520kg

ホイールベース:2,450mm

タイヤサイズ前:245/35R20   後:305/30R20



主なオプション装備(すべて有償・下記に記載が無いものを含め総額256万円分・・だそうです)

スポーツクロノパッケージ(PASM≒電制サス・PADM≒アクティブエンジンマウント含む)

スポーツエキゾースト(通称スポエグ)

マルチファンクションスポーツステアリング

パワーステアリングプラス(極低速時にアシスト+)

スポーツシートプラス(4way電動)・シートヒーター

クルーズコントロール

サンルーフ・プライバシーガラス

レザーインテリア(ブラック)

カラーセンターキャップetc.



ポルシェは、他のメーカーなら標準装備が当たり前のものまでほとんど有償オプションで、新車で買おうとするとオプションだけで車がもう1台買えてしまうくらいになることが有名ですが、とりあえず走りに必要なものは付いている個体を探しました(中古車なので、メーカーオプションは後付けできないものも多いので)



ただ、電動格納ミラー(発売時のオプション価格53,000円)が非装着なのは残念(´;ω;`)



駐車場で乗降する度に手動でミラーを畳んでまた開く作業は、習慣になるまでもうしばらくかかりそうです(笑)





ポルシェを選んだ理由


僕が今のBMW M4から別のクルマに買い替えようと思ったきっかけは、昨年9月の自身のケガでした



頭の裂傷(30針縫合)のほか右手首を骨折し、現在も手首に金属のプレートが18本のボルトで留められています



今もリハビリ治療中ですが、歳のせいもあるのか、なかなか元通りにはなりません



日常生活(運転だけでなく全て含めて)で最も不自由を感じたのが、車を後退させる時のリバース(R)に入れる際の手首への負担です



以前のブログでも書きましたが、ただシフトノブを握って動かすだけではバックギアに入らず、勢いをつけて思い切り体の方に倒さないといけない(シフトレバーを殴る感じです)



自宅駐車場(マンション)は狭く何度も切り返しが必要で、左ハンドルマニュアル車はリハビリ中の今の自分にはかなり過酷でした(全て不注意でケガをした自分のせいです)




後退時に不自由しない次のクルマを考えた時、国産車に戻ることは考えられなかったので、輸入車となるとペダルレイアウトを始めとするさまざまなネガを抱える右ハンドル仕様という選択は僕には有り得ませんでした



そうなると、右手首に負担を掛けないATしかない・・



でも、運転の楽しさだけは絶対にスポイルしたくない



予算は別として、候補としてポルシェ911に絞り込むのはある意味必然だったと思っています







911のカタログ表紙には、モデル名の下に


Porsche Identity


と書かれています



その意味を探るまでもなく、ポルシェは911をRR4座のスポーツカーとして50年以上作り続け、これからもポルシェのアイコンと位置付け続けるという強い意志を感じます




その911に乗らずして運転好きを自称するなかれ、とまではもちろん言い過ぎですが、もしこのクルマを所有するならばこの機会を逃せば二度と機会は巡って来ないと思いました




僕が小学生の頃、通学路の住宅のガレージに停められていたBMW E30(友達同士で、ベーエムベーと呼んでいました)とともに、当時タミヤのプラモデルを買って作ったポルシェ935ターボ(’77)の格好良さがめっちゃ好きでした


                                                                                            (Amazonより)

歳がバレますが、当時スーパーカーブームの真っ只中で、ガルウィングのランボルギーニカウンタックLP400や、めっちゃ車高が低いロータスヨーロッパ(サーキットの狼)などが大人気でしたが、


僕はなぜかポルシェ935(ホワイト塗装にマルティーニの青と赤のステッカー)の無骨なシルエットが大好きでした(しかもめっちゃ速かったし)






時は流れ・・



ポルシェはアウディなどと共にフォルクスワーゲン(VW)グループの傘下に収まってはいますが、911は初代のフォルムやエンジンを後軸の後ろに置くというRR(リアエンジン・リアドライブ)レイアウトを50年以上変えずに作り続けています



現在最新のポルシェ911は、俗に992.2と呼ばれる世代で、僕が購入した991.1とは3世代異なります



電動化したクルマと区別されるために使われるところのICE(純内燃機関エンジン)には年々風当たりが強く、最新の排ガス規制(Euro6d-Tempや次世代のEuro7)に対応するため、


ポルシェは燃料噴射装置にガソリンエンジンとしては異例のピエゾ式を採用したり、2018年以降のモデルには重量が嵩むGPF(排ガス微粒子捕集フィルター)を2基も装着したりして苦心しながらもICEの存続に必死の努力を重ねているように見えます





最近発表された最新の992.2型GT3では、新型をリリースする際にはスペックで旧型を必ず上回るという慣例とプライドを捨てて、最高出力は旧型と全く同じ510PS、最大トルクに至っては何とスペックダウン(470Nm→450Nm)させてまで、最新の排ガス規制に対応させながら4.0リッター自然吸気エンジンの牙城を守り抜いたのです



GT3は911の中でも2,800万円以上する特別なモデルですが、ポルシェは、前々世代に当たる991.2(2015~)から、一部の例外を除いてほぼ全てのグレードをターボ化しました




当時欧州メーカーを席巻し、やがて日本車にも波及したのが、「ダウンサイジング」という思想です(マイナスイメージ払拭のため、のちに「ライト(正しい)サイジング」と言い換えられましたが、言葉遊びに過ぎないと僕は思います)



エンジンを小排気量化し、パワーは排気を利用するターボで補う



ターボ化すれば低回転域からトルクフルになり、日常使用では高回転まで回す必要がないから燃費も良くなる



小排気量化でエンジンが軽くなるのでさらに燃費改善




911シリーズも例外ではなく、それまで3,400cc(カレラ)、3,800cc(カレラS・GTSなど)だった自然吸気エンジンを排気量ダウンして3,000ccに統一し、補機類やECUの仕様などによりグレードに応じ出力を変えてラインナップするようになりました



しかし、一見良いところだらけのように見えるダウンサイジングターボにもネガはあります



それは、フラットトルク化されることによる、ドライビングプレジャー(BMWがかつて標榜していた「駆け抜ける歓び」)の喪失です



M4(F82)もそうでしたが、ターボ化された911(991.2型以降)は、最大トルクをわずか1,700回転程度から発揮するので2,000回転も回せば日常では必要充分なので、高回転まで回す楽しみがかなり損なわれてしまったのです



僕は、911に乗るならば絶対に自然吸気エンジン(NA)モデルだと決めていました



ICEのうち、ターボやスーパーチャージャーなどの過給器の助けを借りない純ガソリンエンジンはもはや絶滅の危機に瀕していて、ヴィンテージカー(旧車)と呼ばれるようになる前に買える今が最後のチャンスだと思いました



しかし、僕の生活力で買えるモデルは中古車と言えど限られています



911は、ざっと数えてもカブリオレ・タルガなどを含めると24車種以上をラインナップしていて、現実的に買えそうなのは、カレラ・カレラ4(4駆)・カレラS・カレラ4Sまででした(その上のグレードのGTSや4GTSになると、991.1モデルでも程度の良い個体だと1,500万円を超えてきます)



4WDを含む991.2以降のカレラとカレラSは同じ排気量(3,000ccターボ)でスペックが異なるだけですが、僕が購入した991.1ではカレラは3,400cc、カレラSは3,800ccと、明確な差がつけられていました



ではなぜ、ドライバーの運転技術が試される純粋なRRではなく、僕は4WDのカレラ4Sを選んだのか・・




それは、以前同じ991.1型のポルシェ911カレラSを所有していた職場の同僚の言葉からでした



「高速を走ると、何かフロントの接地感が軽くなるんですよね~。たぶん気のせいではないと思います」




僕の脳裏には、1982年頃、当時地上波で放送されていたル・マン24時間レースの生中継中、最高速が出るミュルサンヌストレートで(素人の推測ですが)フロントのダウンフォース不足で木の葉のように空中に舞い上がりコースサイドの木に引っかかって大炎上するポルシェ962C(ヨーストポルシェ)の無惨な姿が焼き付いて離れないのです



もちろん、市販車でそんなことは起こり得ないことは分かってはいるものの、ポルシェに乗りつつも車のメカニズムには無関心なカレラSの彼(シャレじゃないです)が言った「高速度域でフロントの接地感が軽くなる」という言葉はとても気になっていました



4駆の4Sであれば、前輪にも駆動装置が必要なため前後重量配分はリアヘビーながらもRRモデルよりは多少改善され、前輪も駆動することで接地感の不安も軽減されると思いました



(購入後の感想として)結果的に言うと、その選択は正しかったと思います



911伝統の5連メーターの右から2つ目はマルチディスプレイになっていて、水温・油温・油圧のデジタル表示(めっちゃ便利です)など多様な項目を切り替えることができ、



その中のひとつに駆動力の前後配分のリアルタイム表示があり、これまで2週間ほどさまざまなシチュエーションで走ったところ、きほん後輪駆動(F0:R100)で動いており、発進加速や曲がっている時などに前輪をアシスト的に動かしている感じです(確認できた限り最大で3:7)



つまり、基本レイアウトRRという911のアイデンティティを守りつつ、走行をより安定させるため、またドライバーの間口を広げるために4WDモデルを設定しているのだと思います





長文になってしまって恐縮なんですが、納車されてちょうど2週間時点での僕のインプレッション(印象)をできるだけ正確に記しておきたいと思います



納車直後の印象と、ある程度乗りこなした時点での印象がどのように変化するのか、自分自身で確認したいと思うからです




納車直後の感想


納車当日は、高速で70kmほど走行して自宅に戻りました



当日初めて911を運転して思ったことは、


『まるでジェットエンジンを積んだゴーカート(当然後ろにエンジン)を運転しているみたいだ』


です



水平対向(ボクサー)エンジンと言えば、スバルが昔から4気筒エンジンを採用していることが知られていますが、僕のイメージではボボボーッと唸って走るWRブルーを纏ったインプレッサWRX STIくらいしかありませんでした




初めてステアリングを握る911は、まるでジェットエンジンのようなキーンという金属音を後ろから発しながら、地を這うように疾走し、


PDKの変速は文字通り電光石火で加速時も減速時もまるで僕の意志を読み取ったかのように適確にシフトアップ・シフトダウンを行い、シフトダウンの際には自動でブリッピング(回転合わせ)までやってくれるのです



当然ステアリングに付いているマニュアル操作も試してみましたが、クルマ任せにした方がよっぽど賢すぎてシフトチェンジが下手くそな自分が嫌になるほどです(´・ω・`)




ところが・・



納車後2週間


翌日から通勤に使ったところ、いたってフツーのクルマで、残念ながら日常使用で楽しいと感じることは今のところできていません



普通の道路で使える速度域では、ポルシェが誇る3,800ccNAエンジンも400PSのパワーも発揮できる機会がなく、わずか1,600rpmで5速50km/hに達してしまうため、エンジンはまるでずっとアイドリングかと思うくらい静かで運転を楽しめる要素は皆無です




納車後はじめての週末を迎え、久しく行っていなかった福岡市東区志賀島(島の外周をぐるっと回れる海辺の周回道路)へドライブに行きました



すると911は水を得た魚のように生き生きと走り、自分とクルマとの一体感を久しぶりに味わうことができました



搭載されているMA103エンジンの性能曲線を見てみると、ターボ化された次世代991.2のそれとは大きく異なり、トルクがエンジン回転の上昇とともに盛り上がり、一番美味しいいわゆるパワーバンドが4,000~4,700rpm辺りであることが分かります(図を載せたいんですが、著作権の関係で割愛します)



その領域を意識して運転すると、加速では文字通り加速のジャーク(加加速度)を存分に味わうことができ、減速ではまるで自分がレーシングドライバーになったかのような思い通りのブレーキングとシフトダウン(盛大なブリッピングあり)を体感することができます



14年前初めてBMW (E90_320iセダン)を所有した時、それまでの国産車(R34スカイラインやFC3Sセブン等)と段違いの旋回性能に感銘を受けたのですが、それを遥かに凌駕するコーナリング体験でした



まさに手足の先に4つのタイヤが付いているような真のクルマとの一体感、ドライビングプレジャーを感じて胸が踊る体験でした





〓ブレーキ〓


ポルシェのブレーキは数あるメーカーの中でも随一だと評されるようですが、まさに自分が頭にイメージした通りの制動力をピタリと発揮してくれます



海辺のワインディングをハイペースで流している時、道幅が狭くRのキツいコーナーで、ラインを読み違えセンターラインのキャッツアイを踏みそうになった時、ステアを切りながらかなり強くブレーキを踏んだところ、タイヤは派手に鳴いたんですがクルマは何事もなかったかのようにタイトコーナーを抜けて猛然と加速体勢に入りました



Brembo(ブレンボ)製のモノブロック対向6ピストン(フロント)・4ピストン(リア)のキャリパー(カラー塗装レッドは有償オプション)は伊達ではないと感じます





ホイールベース


駐車場のお隣さんは、日産のBセグメント小型車ノートですが、ホイールベースはノートの2,580mmに対して2,450mmと130mmも短い



F82 M4との比較では、245mmもM4のほうが長くて、以前ポルシェセンターにM4で訪問した時、対応してくれた営業さんに、



「ポルシェ911はスポーツカーですが、M4は残念ながらスポーツカーではなくスポーティーカーですね」



といきなり言われてムッとしたことを今でも忘れていませんが(笑)、歳月を経てその911に乗ることになった今、営業さんの言葉をむげに否定することはできません



一般的に、ロングホイールベースだと直進安定性、ショートホイールベースだと旋回性能にそれぞれ優れると言われますが、スポーツカーである911は旋回性能をこれまでも、これからも重視するのだろうと思います





〓ペダル〓


アクセルペダルはオルガン式で、M4と比較すると少し重い



しっかり踏まないとポルシェ最後の自然吸気(NA)エンジンになるかもしれないこのクルマの心臓に自分の意志を伝えることはできない



幸いこの個体にはクルーズコントロールがオプションで装着されていて、高速での長距離運転の際はお世話になりそうです



ブレーキペダルは適正なボジションを取って右足を自然に伸ばした先にレイアウトされていて、オフセットはありません



今回の買い替えは右手のケガが理由なので7速MTは選択肢から外しました(もし所望していたら今でも見つけられていないかも)が、PDKでこれだけ楽しいのだから、マニュアルで操ってみたかった・・というのは我儘に過ぎるだろう





足回り


足回り(サスペンション)の感触ですが、よく動き、路面の状況を素直に返してくれる優秀なアシです



カレラS以上のグレードには、PASM(電子制御アクティブサスペンション)が標準装備されていてデフォルトでONなんですが、試しにOFFにしてみたけど違いはよくわからなかったデス^^;



よく動くサスですが、収束も早く決して不快な揺すられ方ではありません



前245/35、後305/30という超ワイドで薄いタイヤ(僕の個体はピレリP-ZERO2023年製造)を履きこなしているのは、さすがポルシェだと思わされます





ステアリング


次にステアリングについてです


直径は実測で375mm



ほぼ真円ですが、ステアリング軸は中心より僅かに下にずらされています(直進時の位置で)



グリップは今まで僕が乗ったどのBMW車よりかなり細い



BMWの太いグリップに慣れている僕は最初はちょっと違和感がありましたが、スポーツドライビングをした後ではこの方がステアを切りやすいと感じました



ステアリングの形状やグリップについては、各メーカーで流儀があるようで、ポルシェはこの細めのグリップを最適解としているようです



ポルシェに失礼かもしれませんが、ステアリングの取り付け剛性は無論申し分なく、タイヤが拾った路面の情報を過不足なくしっかり伝えてくれます



911はこのモデル(991.1)から、パワステを油圧式から電制に変えましたが、中立付近でも妙な動きはなく特に違和感はありません





シート


シートについてですが、スポーツシートプラス(4way電動・op価格約14万円)が装備されていて、フィット感抜群、座面の感触も申し分なく、長距離ドライブでもシートが原因の疲労はなさそうです



強がりのように思われそうなんですが、電動なのは背もたれの傾きと座面上下だけ(BMWのようにサイドサポートやランバーサポートを含めて細かく調整できシートメモリーも付いている18Wayパワーシートはオプション価格40万円!)で、前後スライドは手動



しかし、スライドレバーがびっくりするほど大きくてしかも手が届きやすい!(手探りで右手を伸ばした先にちょうどレバーがある感じです)



僕は乗降する度にシートを前後に動かすタイプなんですが、手動の方が素早く動作してくれるので助かっています




後席シートにも触れておきます



後席は2+2であくまで人も乗れますという狭さなのは言うまでもありません



しかし、荷物の積載という観点で言えば、2シーターのケイマンやボクスターよりも遥かに多くの荷物を積むことができます



ポルシェはついに最新の992.2モデルから後席レスを標準としましたが、何もかも有償オプションにしたがるポルシェにしては珍しく、後席を付けても追加料金はありません



僕が考えるその理由は、ポルシェは当初の911をGT(グランドツーリング)カーと定義していて、スポーツカーでありながら長距離ドライブも可能なモデルであり続けることにポルシェがこだわっているからではないかと思うのです





ユーティリティ関連


日常の使い勝手にも少し触れておきます



ミラーが電動で格納できないのは前述の通りですが、便利さに慣れてしまうと不便に感じるものも多い



ドアロックはリモコンキーのボタンで開閉できますが、エンジンの始動はそのキーをスロットに差し込んで回すタイプです



キーレス(キーをポケットに入れっ放しで全部済む)に慣れてしまうと、ドアロックを解除した後ついポケットに戻してしまい、毎回シートに座ってから再びキーを取り出してしまっています




バックギアに入れた時、助手席側のミラーが自動的に下を向いてくれる機能もなく、手際よく駐車できるようになるまでにはもうしばらく掛かりそうです





〓デザイン〓


最後にクルマのデザイン(フォルム)について触れて、このブログを締めたいと思います



僕は911を買いたいと意志を固めて馴染みのクルマ屋さんに連絡した時、



「今度買うクルマは、趣味で乗る人生最後のクルマだと思っています。だから、グレードやオプションで妥協はしたくない。時間がかかっても納得するまで選びたいです」


と告げました



クルマ屋さんにしてみれば、とっても面倒くさい客だろうと思います



実際、相談してから決まるまで3ヵ月を要しました




待ちに待った納車後、たくさん乗り回すと同時にクルマを止めていろんな角度から眺め、そして写真もたくさん撮りましたが、見れば見るほど不思議なクルマだなと思います



正直に言って、これがドイツや世界を代表するスポーツカーのひとつだという実感はありません



ポルシェが50年の歳月を経ても初代911のイメージをあまり変えずに作り続けていることもあると思いますが、どこかのほほんとしたとぼけた可愛いフォルムに見えます



その一方で、(上から見ると)8の字型に中央が絞られ、グッと張り出している前後フェンダーや、305サイズの極太なリアタイヤを含むシルエットは、紛れもないスポーツカーの雰囲気を漂わせていて、その気になればほぼ300km/hを出せる能力も感じさせます



眺めれば眺めるほど、もしかしたらその時々の自分の気分によっても見え方が変わる不思議なクルマです





超長い文章になって申し訳ありません



適度なところで区切って後日書こうかとも思ったのですが、納車直後のインプレッションはまさに今日にしか書けないと思い、一気に書き上げました



ここまでお付き合いいただきありがとうございます












仕事で、幼少の頃から成長を見守ってきた現在20歳の若者がいます



先月行われた地元の成人式に同級生たちとの参加を楽しみにしていたのだけれど、彼は一生に一度の成人式に、とある理由で参加できませんでした



12月末のある日、通学している専門学校の帰りに自転車で帰宅中、転倒して大ケガをしてしまったのです




そんなある日、まだ松葉杖なしには歩くこともできない彼の保護者に、学校から電話がかかってきました



「お子さんの進級についてなんですが、残念ですがこのままでは次の学年に進級できません。出席日数が足りない、つまり単位不足ですね。」



保護者はそれを聞いてとてもびっくりしたそう



なぜなら、子どもが怪我をした直後、あわてて学校に連絡したところ、



「怪我の補償などはできませんが、下校途中の怪我ですから、入院や治療で通学できない場合は公欠扱いとします」



との説明を受けていたそうだから。



そのことをあらためて学校に確認するも、「単位が不足しているから進級できない」の一点張りで話にならない



挙句に、


「どうしても進級させたいとおっしゃるなら、ひとつだけ方法があります」と意味深な言葉・・



「いったいどうすれば?」



「不足している単位は、1単位あたり15,000円で買っていただくことができます。お宅のお子さんの場合、24単位不足していますので、36万円を一括で支払っていただければ、問題なく進級できますよ。」



「そんな大金、すぐには用意できません。怪我による欠席は公欠扱いにするって言ったじゃないですか。」



この後押し問答が続き、ついに堪忍袋の緒が切れた保護者は、

「どうしても進級できないなら退学させます!」



すると学校の担当者は、



「あー、そうですか。退学するならご自由に。そもそもお宅のお子さんはゲームクリエイターになれるような学力はないんですよ。たとえ卒業できたとしてもそういう業界に就職するのは絶対に無理だと思いますけどね。」



と捨て台詞を吐いたという



保護者は、怒り心頭で電話を切ったそう



その後本人を含め家族会議を開き、4年制の専門学校の2年で退学することを決めた





確かに彼は、小学校も中学校も、学力は極めて厳しかった



高校進学も、公立高校は学力面で諦めざるを得ず、学費は高いけれど入試が自己推薦文と面接だけの私立高校に合格し、何とか3年間がんばって卒業した



学費は、2種類の奨学金(いずれも貸与)と本人のアルバイトで工面



ゲームが大好きだった彼は、将来の夢をゲームクリエイターになると決め、保護者もそれを応援したいと、70万円以上の入学金と年間150万円(低所得世帯のため入学後に半額の75万円に減免)の学費を、再び奨学金を借りて、アルバイトも続けながら2年生の途中まで真面目に通った



そして起こった不慮の自転車事故



その結末が、上に書いた通りです



もう退学すると決めたそうだから書いても意味は無いけれど、電話口の学校担当者から、



「来年度から授業料が値上げになります。お宅の場合は減免後で年間100万円です」


と告げられたそう



学校生活の様子を尋ねたところ、授業は毎日午後からで、ゲームをまったりとプレイしたり、パソコンでキャラクターを制作したりしていたという



何か資格取得をめざしたりする授業とかはないの?と聞いてみたけれど、個人で取ろうとする人はいるかもしれないけど授業ではやらないという



古い頭の僕からすれば、年間150万円も払って受ける価値のある授業、就職に本当に役立つカリキュラムだとはとても思えない



学校のWebでは、大手ゲームメーカーに就職した卒業生のコメントを大きく掲載していたけれど、何百人もいる就職希望者のうちいったいどれだけの人が夢を叶えられたのか



彼の入学時にその専門学校のパンフレットを見せてもらった



スーパーゲームクリエイター専攻、e-sportsプロゲーマー専攻・・と、いかにもなコースがずらりと並んでいて、入学しさえすればバラ色のゲーム業界人生、大金を稼ぐプロゲーマー人生が誰でも待っていると勘違いしても仕方ない



学力が全てとは言わないけれど、字の読み書きや簡単な計算すらおぼつかない若者が、ゲームが好きというだけでお金さえ払えば入学も卒業も簡単にできてしまう仕組みには、驚きを超えて憤りさえ感じます




本題に入りますが、今政策的な議論が進められている高校無償化は、今までの公立と私立の経済的負担の差を縮める目的で導入しようとしているのなら、搾取と格差の拡大を助長するだけの史上稀に見る愚策としか僕は思えない



生徒が集まらなければ経営が成り立たない私立高校は早くから少子化対策に着手していて、学校のブランド力を高めるために学力やスポーツなどの特進コースを設けて学費の減免などで一部の生徒を優遇し、優秀な教員を配置して文字通り実績を上げている



少し前なら、地域の中で「公立に受からなかった子が行く高校」と認識され風紀も乱れがちだった学校が、道路から見える校舎の壁に


「T大現役合格〇名」

「〇〇部インターハイ優勝」

などの懸垂幕が誇らしげに掲げてあるのを目にする



しかしその華々しい実績の陰には、中学校の先生が「入試の答案用紙に自分の名前さえ書ければ合格」と憚りもなく言うくらい、一般入試で入学する学力に幅がある多数の生徒がいて、


中には、前述したような社会人として最低限身につけておくべき基礎学力も十分につかないまま(放置されて)卒業していく者もいるのもまた事実(何人ものそういう若者を目の当たりにしてきました)です




今般議論の的になっている高校無償化は、私立高校入学のハードルを下げ、結果的に学力格差と搾取の構図を助長するものに他ならない



政治家は、無償化というコトバを強調し党勢を拡大する目玉商品にしたいようだが、それに翻弄される子どもたち、保護者たちのことをもっと真剣に考えて欲しい





件(くだん)の彼は、専門学校を退学して6ヶ月後、規定により奨学金の返済が始まります



就職が決まっていてもいなくても、容赦はありません

(猶予制度はあるけれど免除されることはありません)



その額、3件の奨学金で月額6万円



高校と大学で借りた奨学金の返済が重荷になって、結婚はおろか、実家を出たくても出られない、と別の25歳の青年は僕にこぼしました




そんな社会の現実に無縁で無関心な政治家や官僚がいくら机上の絵を描いたところで、永遠に「国民皆が楽しい国」など実現出来るはずもない



僕は、専門学校を退学する彼の新たな旅立ちを応援すべく、苦悩する毎日デス(*•̀ㅂ•́)و"








今日は歯医者についてのお話です



遡ること1年3ヵ月前、2023年10月から歯医者に通い始めました



きっかけは、上あごの前歯の一部が欠けてしまったからです



欠けたのはほんの直径1ミリくらいの大きさでしたが、よく使う前歯のため急がなくてはと思い、以前かかっていた自宅近くの歯医者に行きました




医者の説明では、欠けた部分を樹脂で補填する治療法か、欠けた前歯の土台だけ残して大半を削り、義歯の上屋を建てる治療法の二つを提示されました



どちらが耐久性が高いのか質問すると、義歯の方が断然耐久性が高いと即答されたので、僕は迷わず義歯を選択しました



今思えば、とても後悔しています



なぜかというと、樹木で例えるなら、木を根元近くで切断して切り株に穴を開け、そこに接ぎ木をして接着剤で固めたような状態になっているのですが、治療後何ヵ月も経過した今でも、微妙にぐらつく感じが終始つきまとい違和感ありまくりなのです



もちろん担当医師にはそのことを何度も伝えたのですが、「きちんとはまっているので問題ない」の一点張りでお話にならない



とりあえず欠けた前歯の治療が終わると、間髪入れず「レントゲン検査の結果、下の左の奥歯(古い被せ物あり)が虫歯になっているので次はそこをやります」



被せ物を取ると確かに中の歯は虫歯でボロボロで今にも崩れそう



今度の治療法は、ボロボロの歯を抜いて、穴が自然に塞がるのを待ち、根っこのない義歯を作り、両脇の無事な歯と繋げて3連のブリッジを作ります、とのこと



この段階で、歯科衛生士さんから「保険治療にしますか?それとも保険外治療にしますか?」と聞かれる



保険外治療にすると自己負担額が10万円超えとかになるのがわかっているので、即座に「保険治療でお願いします!」



仕事の関係で通院は週1回土曜日にしか行けないため、治療の進行はとても遅い



しかも、数カ月に一度歯茎の検査とクリーニングを入れられ、「クリーニングは最後でいいから早く治療を進めてよ!」と言いたくなる




治療を開始して9ヵ月程が経過したある日(2024年7月)、僕の心がプッツリと折れた瞬間を迎えました



ようやく一連の長かった治療が終わり、「今日で最後だ(うれしい)!」と思った次の瞬間、お医者さんから言われたのは、



「じゃあ、次は右の上の奥歯に軽い虫歯ができているようですので、次回はここをやりましょう」



僕はとりあえず「はい」と答えて、受付で次回の予約を取って帰りましたが、二度とその歯医者には行くものかと思いました

(もちろん予約はキャンセルしました)




結局、今回通院した9ヵ月の間に最初に欠けた前歯を含め4箇所の治療を施され、5箇所め(軽い虫歯)と言われた時点で心が折れてしまったのです



でもその歯医者は腕が良いのか患者集めが上手なのかわかりませんが、予約も思うように取れないほど繁盛しているようです



数年前には見かけなかった別の医師もいるようで、予約していても待合室で数十分待たされることも多い



待ち時間が長い理由のひとつは、その歯医者では治療が終わった後も1ヵ月に1回のメンテナンスを推奨していて、それを真面目に受けに来ているお客さんも多数いるからだと思う



歯医者さんからしてみれば、律儀にメンテナンスを受けてくれれば安定収入にもなるし、自覚症状がなくても「軽い虫歯があるから治療しましょう」とも言いやすいだろう





時は流れ・・



暮れも押し詰まった先月下旬のある日、僕は奥歯に違和感を感じて舌で奥歯を探ると、右下の奥歯に大きな穴が空いています



どうやら、以前この歯医者で治療した虫歯の詰め物が取れたらしい(心当たりはない)



僕は、別の歯医者を探すことに躊躇はありませんでした



スマホで平日仕事が終わってからでも行ける歯医者を探し電話すると、「詰め物が取れたのならできるだけ早く来てください」と言われ、電話したその日の夕方に受診



穴が空いた歯の内側を少し削って樹脂の詰め物を入れ、ライトで固めて終了



「歯石除去もしますか?」「はい、お願いします」



当日は上の歯全部をやって、2回目の受診で下の歯と歯科衛生士による歯茎の状態チェックとブラッシング指導



治療費(自己負担)は、2回合わせて2500円程度で済みました



受付も兼ねている歯科衛生士さん「次回は10ヵ月後くらいに歯の状態を確認しますので来てください」




今まで通い詰めていた歯医者(治療が終わっても毎月来いという)はいったい何だったんだろうと思う



もちろん、どちらが正しいとか良いとか僕は言えません(素人だから)



ただ、僕が行くのを止めた歯医者は、お金に余裕がある人が行くところなんだな、ということは理解できました



少子化で子どもの数が減ったり、フッ素歯磨きや洗口が普及して虫歯になる人も減って歯医者さんも経営が大変だというニュースも目にすることがあります



歯医者にしても他の病気で医者にかかるにしても、基本的に僕らはお医者さんの言うことを信じてそれに従うしかない



もしその心理を利用して必要以上の治療やケアのための通院を勧めてくる医者がいるとしたらそれは許せない



でも僕等には、その真偽を見分ける力がありません




いったい何が正解なんだろう?



どの歯医者にかかるのが正解なのか、その答えは、80歳を迎える頃に自分の歯で何でも噛めるかどうか




それまで生きていられるかなぁ