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M3遣いのブログ

ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

仕事で、ある会議に出席しました。


参加者は30歳代から60歳代までの16名。県内各地から集まってきた人たちで、コロナ禍でなければ概ね三か月毎に場所を変えながら集まるのですが、今回は昨年からのコロナの影響によりなんと1年半ぶりの開催。


2か月ほど前に今日の会議の出席確認依頼があって、当時は2か月後の感染状況なんて予測できないのでとりあえず出席すると回答していました。


しかし、東京オリンピック開催前後から全国的に感染拡大(というよりもはやパンデミック?)が続いており、我が福岡県にも昨日(2021年8月2日)まん延防止等重点措置が適用され、当会議の開催地も福岡都市圏ということで時短等の対象になっています。


仕事の上でも、今月予定されていた会議や研修が軒並み中止や延期のお知らせが次々と来ていて、正直、「え、今日本当にやるの?」という感じでした。


でも、仕事だから仕方ない。




用意された会場は、ステージ(舞台)も併設されている広い和室で、普通に座れば100人以上は収容できるだろう。


そこに16人。確かにキャパシティを考えれば十分に少ない。


会議冒頭には、事務担当者が「感染防止を考慮して、広い会場を用意していただき・・」と感謝の言葉を述べていました。


でも、僕は会議の間じゅう、感染リスクの高さが気になって仕方ありませんでした。




スペースは十分にあるのに、16人に対し8つの机を部屋の中央にロの字に囲み、三人用の机を二人で使う形。

 

隣の人との距離は50cmあまりしかない。


会場は冷房が入れられていて、窓は開けられていない様子。つまり、換気は十分でないということ。

 

事務局から、大声を出さないよう(もちろん全員マスク着用)注意があり、発言する時にはワイヤレスマイクが渡されました。

 

僕はマイクも怖かった。でも、自分だけマイクを使わないという訳にもいかないので、最初の自己紹介の時だけ、できるだけマイクを離して喋りました。

 

さらに、各自のテーブルの上には、ペットボトルのお茶と、数種類のお菓子。

 

どうやら、会議費を使って飲み物と菓子を用意するのが恒例になっているらしい。

 

会議の間、他の参加者の皆さんはお茶を飲んだり途中休憩の時間などにお菓子をぱくぱくむしゃむしゃ。マスクを外したまま隣の人と談笑する姿も。


畳の間に上がるまでに履くスリッパは、誰のものかわからなくなり、トイレに立つとき、帰る時、誰が使ったのかわからないものを履かないといけない。


玄関には、スリッパ入れと消毒用アルコールが置いてあって、使用済みのスリッパを消毒するような仕組みになっているけれど、全く意味がないと思う。


会議は午後2時に始まりました。事務局からは、感染防止のため会議の円滑な進行(時短)にご協力くださいとお願いがあったけど、空気読まないで長々と質問したり発言したりする人もいて、結局終了したのは午後4時20分。


2時間20分もの間、(僕の基準では)感染リスクが非常に高い空間に拘束されていたわけで、他の皆さんは終了後笑顔で「また次回ね」とか言って帰っていったけど、僕は今でも心がざわざわしています。


ちょっとおおげさな表現かもしれないけど、これじゃ「感染リスクが高いから避けるべき」とされている「飲食店での多人数による長時間の会食」とあんまり変わりないじゃんって。



 

政治家や専門家は、「感染拡大の中心が若者にシフトしている」とか、「若者を中心に人流(外出)が減っていない」などと、まるで20代・30代の若い世代が言うことを聞かないで出歩くから感染拡大が収まらないんだ、と暗に言っているようにしか僕には聞こえない。


テレビで流される街頭インタビューは、たくさん撮った中から視聴者受けしそうなものだけ選んでいるだろうから、その世代の声を必ずしも代表しているとは言えないかもしれないけど、インタビューを受けた若い世代の人たちからは、

 

「なぜ自分たち若者ばかり言われるのか」
「ワクチンを早く打ちたいのに接種券すら送られてこない」
などの声も聞かれます。


その通りだと僕は思います。


今日の会議の開催を断行したのも運営を考えたのも少なくとも若者ではない。


県内には県独自の「コロナ警報」が7月28日からすでに発令されていて、国のまん延防止等重点措置が適用されたのが昨日。


他の会議が次々と中止される中で、延期や中止という選択肢は考えられなかったのか。

 

どうしても必要性や緊急性があって(僕にはあるとは思えないけど)開催するという選択をしたなら、机は一人ひとつずつにして距離をさらに空けるとか、恒例の飲み物や菓子は出さずにマスクを外さないようにする等の対策をなぜ取らなかったのか。


僕ら「大人」に、若者ばかりを批判する資格は全くないと思います。


今日の会議には、欠席した人も数名いました。理由はわからないけれど、県内各地からの長距離の移動や日頃顔を合わせない人たちとの会合のリスクを考えてのことなら、僕は賢明な選択だと思う。


しばらくは、万が一にも自分が感染源となることがないよう、より一層気をつけて生活したいと思います。


(写真と本文は関係ありません)

酸素ポンプが動いているのに、何も入っていないじゃんと思っていた水槽の土管にいたナマズ君。

なんだか寂しそうだったので、しばらく会話しました。次に会えるのは一ヶ月後かな。またね。

 

 


いろいろあって、数年前から精神科にかかり、現在も薬を飲み続けています。



服薬は一日一回で、就寝一時間前。



薬の種類です。

・トラゾドン塩酸塩錠(50mg+25mg)各1錠

効能:気持ちを落ち着かせる、意欲を向上させる

・プロチゾラム錠(25mg)2錠

   眠りに入りやすくなる、気持ちを落ち着かせる

・ロラゼパム錠(0.5mg)1錠

   不安や緊張をやわらげる

・レクサプロ錠(10mg)1錠

   気持ちを落ち着かせる、意欲を向上させる


他に、どうしても眠れない時のために、頓服薬が処方されています。

・ゾルピデム酒石酸塩錠(5mg)1錠

   眠りに入りやすくなる



頓服薬は、4週間につき7回分しか処方されていないので、どうしても必要となった時のためになるべく使わないようにしたいのです。



でも、仕事が始まる前日の日曜日の夜は、考えまいとしても仕事のことをあれこれ考えてしまったり、悩み事が頭を離れなかったりすることが多いので、ほぼ毎週他の薬と同じタイミングで飲んで、無理やり眠っている感じです。



服薬は一日一回ですが、薬の種類や数が多いので、一回分(日曜日の夜だと全部で7錠)を小さなケースに入れて飲んでいます。





この前の日曜日(7/18)も、22:30頃に薬を飲み、23:30にベッドに入りました。



眠りに入るまでの間、色々なことが頭をよぎります。



先週は、期せずして全く別の2件の隣人トラブルの対応にあたることになりました。



1件はゴミ出し、もう1件は駐車場トラブルで、どちらもよくあるケースなんですが、お互いに自分の主張を譲ろうとされず、今のところ解決の見通しが全くついていません。



うち1件は、すでに弁護士さんにも相談するなど、対応を誤れば裁判沙汰にもなりかねないくらい深刻な対立です。



間に立っている僕(個人ではなく組織としてですが)には、双方から「早く解決を!」と迫られるけど、どちらかの譲歩がなければ折り合いのつけようがないほど泥沼化しています。



コロナ禍が長期化して、皆気持ちがささくれがちな今だからこそ、「お互いさま」の気持ちが大事だよなって思います。




話が逸れました。



そんなことをぐるぐる考えながらベッドに横になり薬が効いてくるのを待つのですが、その日に限っていっこうに眠れません。



眠れないとき、時計はあえて見ないようにしているのですが、トイレに立ったとき目に入った時刻は午前2時。



医師から、睡眠の頓服薬は遅くとも午前3時までに飲んでください、そうしないと翌朝影響が残りますから、と言われていたのを思い出し、さっき飲んだけど効かないのだから背に腹は代えられないと、もう一錠飲むことにしました。



リビングの、薬を置いている場所に行くと、そこには何とケースに入ったままの一回分の薬が!



つまり、寝る前に飲んだと思い込んでいたいつもの薬を全く飲まずにベッドに入っていたわけです。




僕は、いろんな意味でショックを受けました。



薬を飲んで安心したと思っていても、やっぱり眠れないということは、自分の体が薬に依存しないと眠れない体質になっているのでは、と怖くなったのです。



通院している精神科の医師の説明は丁寧で、薬についても「少しでも早く薬を飲まなくても眠れるようになりたい」という僕の希望を聞いて、依存性の低い薬を選んでくれていました。



僕も、毎月(4週ごと)に受診のために仕事を休まなくてはいけないし、医療費の負担も大きいので、早くこの状態から脱したいと常に思っています。



服薬も、週末(金土)は量を減らしてみるなどしているのですが、なかなかうまくいかずさらに凹んでしまうという悪循環が続いています。





話は変わりますが、僕がこのような状態になってしまう前、以前仕事でご一緒したことがある同年輩の男性と街なかでばったり会ったことがありました。



仕事が一緒だった頃は、体格も声も大きく堂々としてあったのですが、3年振りくらいに会った彼は別人のように痩せて顔色も悪く、思わず「どうされたんですか?」と聞いてしまいました。



すると彼は

「実はメンタルやられちゃって、今も病院に行くところなんです」と張りのない声で答えてくれました。



当時の僕は、彼のあまりの変わりように驚いたのですがその一方で「メンタルをやられる」というのが今ひとつピンとこなかったことを覚えています。



しかし、自分がこのように通院や服薬なしでは仕事や生活に支障をきたすようになってしまった今、メンタルをやられる、ということがどういうことなのか、身に沁みて解る感じがします。



ゲームで例えるなら、健康な人ならHPやMPが削られても時間経過とともに徐々に回復していく機能が働くのに、メンタルをやられてしまうと、回復機能がうまく働かず、削られたまま、もしくは放置しておくと逆にさらに少しずつ減っていってしまう状態のようになる感じです。



まさか僕自身がそういう状態になってしまうなんて、かつては想像もできませんでした。



もう何年も引きずっている悩みもあって、ここに向かってがんばろってぜんぜん思えない日々が続いています。




昨日は、駅の駐輪場に停めた自転車の鍵を掛け忘れて帰って来てしまったことに気づき、車で鍵を取りに行きました。



何のために自転車通勤してるのか・・



その数日前には、楽天銀行に入金する必要があって、キャッシュカードを必死で探しましたが見つかりません。



楽天銀行はもう何年も使っていなくて、最後に何で使ったのかも思い出せず、カードを失くしてしまったと思い込み、他行からの振り込みを考えていた時、ようやくあることに気がつきました。



楽天銀行はイーバンク銀行から名称変更しており、僕が持っていたのはイーバンク銀行のキャッシュカードだったのです。



入金はイーバンク銀行のカードで無事終わりました。やれやれ。



最近は一事が万事こんな感じで、テレビを見ていても芸能人の名前がすぐに出てこなかったり、家の中でメガネやスマホやリモコンを探し回ったり、上記のように飲んでいない薬を飲んだと思い込んでしまっていたりします。



これが、加齢による認知機能の低下なのか、服用している薬の影響なのか、はたまた他に原因があるのか自分でもわかりません。



世間では子どもたちの夏休みが始まり、今日から暦の上では4連休だそうです。


僕にとっては、どこにも出かけず、誰とも喋らない、いつもと変わりない週末(×2)になるんだろうなと思います。



その一方で、隣人トラブルの対応などで神経をすり減らす日々の中でも、もうとうに分別がついていないといけないはずの僕のことを呆れながらも諌めてくれたり、良いところを認めようと真摯に向き合ってくださったり、離れていても気にかけてくださる方が少しでもいてくれると思えることが、書くことがない灰色の日記の重たいページをめくる力になっています。



そんな人たちや、毎日心配なく食事を調達できることや、コロナ禍の中でも変わらずに輝いてくれる月や星々や、はっとするほど美しい夕焼けに感謝と尊敬の気持ちを持って、日々を過ごしたいと思います。



そしていつかは、灰色の日々に色彩が戻って来ることを願って。



(タイトル:『希望』)


【2021.7.23追記】

今日は、太陽が沈んでしばらくすると、反対の北東側まで茜色に染まるほど綺麗な夕焼けが見られました。大切な人に届きますように。








〓長文です!クルマ及びBMWに興味の薄い方は、どうぞスルーしてくださいね(^^ゞ〓

 

*写真は最後にまとめて掲載します。(短い動画(エンジン音)3本あり)




ディーラー入庫(車検)の際に代車でお借りした現行型X1(直4ディーゼル4WD)のレポートです。週末から次の週末までの一週間、100kmほど(市街地6:高速4)乗りました。


試乗した個体は、2020年式の18d xDrive xLineというグレードで、新車価格は、5,230,000円(税込)です。


ボディカラーはカシミアシルバー(メタリック)というオプションカラーで、若干ゴールド系が混じった品のいいシルバーでした。


【第一印象】

自宅まで乗ってきて、駐車場に入れてみての第一印象は、

でかっ!

X1といえば、初代はタワーパーキングにも入る、背が高すぎないちょっと小ぶりなSUV(BMWの呼称ではSAV)という印象があったのですが、現行型はどこから見ても堂々とした体躯のSUVそのもの。


初代(E84:2010年~)と現行型(F48:2015年~)のボディサイズを比較すると、全長は30mm短く(FF化でノーズが短くなった)、全幅は25mmワイドになっている一方で、全高は1545mmから1610mmへと65mmも高くなっていました。


このデカさ(あくまでも僕の印象です)で、BMWのXシリーズ7兄弟の末っ子なんだから、X7アニキの大きさとか想像もつかない。


【足回り・重量】


タイヤサイズは前後とも225/50R18、ブランドはHANKOOK(韓国)、銘柄はventus S1evo2(非ランフラット)と記されていました。



もちろんBMW純正である証の☆マーク付でしたが、コスト抑制の波がこんなところにも、と感じます。



サスペンション形式は、前ストラット・後マルチリンクのBMWお馴染みのコンベンショナルなタイプ。


車重は1,680kg(前軸940kg・後軸740kg)で、前後重量配分は56:44です。


やっぱりディーゼルは重いなあ・・と思いましたが、同じ直4ガソリンエンジン四駆のxDrive20i(現在は販売していない)と比較すると+30kgしか変わらなかった。


【エンジン・駆動系】

搭載されるエンジンは、B47C20B(2L直4シングル(ツインスクロール)ターボ)で、150PS・35.7kgmというディーゼルならではの力強いトルクを生み出してくれます。


組み合わされる変速機は8速トルコンAT。


BMWの8速ATといえば、F30以後「神AT」とも称されるZF製8HPを思い浮かべますが、運転してみた感覚がどうも違う。


変速ショックが明確で、制御も甘い。加速時も減速時も、エンジンがシャクる感じがつきまといます。


借りている一週間のあいだじゅう違和感が拭えなかったので、代車返却の際にサービス担当さんに変速機のサプライヤーを確認したところ、アイシン精機(日本)製でした。四駆とはいえFFベースなのとコスト面でZFは搭載できなかったんだろうと推察します。




【音振】

乗ってみて感心したのは、音振対策の優秀さ。


ボンネットフードを開けてエンジンをかけると、ディーゼル特有の「ガラガラ」音が結構大きいのですが、フードを閉じるとその音は文字通り半減され、さらに車内に乗り込んで窓を閉めた状態だと、ほとんど気にならないレベルになります。(下部動画参照)


さらに驚いたのは、アイドリング状態でシフトレバーを触っても全く振動が手に伝わってこないこと。


僕のM4は、理論上完全バランスのはずの直列6気筒だけど、ギアボックスに直結しているシフトレバーには、エンジンの振動が明確に伝わってきます。


BMW車のAT(DCT含む)はずいぶん前から電子制御になっているのは知っているけど、もしかしたら全モデルバイワイヤ(物理的に繋がず電気信号で制御)なのかな。


現行X1は2015年の登場で、ぼちぼちフルモデルチェンジの声が聞こえてきてもいい頃です。さすがに最新の安全・自動運転関連は装備されていないけれど、音振対策についてはおそらく年次改良で向上させているのだろうと思います。



【ステアリング・操舵感】

以前試乗したことがある、現行型FFの118i・118dとよく似たフィーリングで、よく言えばゲインも穏やかで安心して曲がれる。厳しく言えば、甘く茫洋としていてBMWらしさは感じられない凡庸な操舵感です。


50扁平のタイヤのおかげなのか、回した時に妙な反力(グニャグニャ)がないのは救い。


車検の往復の際に連続して代車X1と自分のM4を高速で走らせてみて明確に感じたのは、X1のほうは直線でもけっこうステアを真っすぐに保つのに力が要りました。M4のほうは軽く手を添えているだけでいいので、長距離だとX1は疲れるかな。


Mとエントリーグレードを比べるなよ、とも言われそうですが、「駆け抜ける歓び」を標榜していた(過去形で書かないといけないのが悲しい)メーカーならば、エントリー車でももう少しがんばれるはず。


アイシン製の8ATは、せっかくの豊かなトルクバンド(1750-2500rpm)を積極的に使おうとせず、燃費を気にしてか懸命に低回転を保とうと早めにシフトアップしてしまう。


モードをSPORTにしてようやく3000rpmくらいまで引っ張ってくれるけど、巡航に入ると速攻で1500rpm以下に落とされてしまいます。



100km/h巡航時のエンジン回転数(8速)は、メーター読みで1,700rpm。瞬間燃費計の数字は23〜25km/Lを示していました。



燃タン容量が61リットルなので、計算上は高速だけなら無給油で1,300km以上走れることになります。



軽油はガソリンより安いので、距離を乗れば乗るほどメリットは大きくなる。



パドルシフトを装備していないのは正解だと思います。もし付いていてもまず使わない。シフトレバーでのマニュアルシフト(シーケンシャル)は可能です。


唯一、BMWらしさを感じられたのは、速度が上がれば上がるほど路面に張り付くような安定感が強まり、なぜかステアリングも落ち着きを取り戻したようにどっしりと豹変すること。


速度が上がるほど不安定さが大きくなる国産車との違いは明確で、車高が高いSAVでもちゃんと辻褄を合わせてくるところは、さすがBMW、と思わせられます。



ただし、この感覚が試乗したxDriveだけでなく同じX1のFFモデルでも同様に感じられるのかどうかは分かりません。


【ブレーキ】

ブレーキに関しては、これも1シリーズと同様、コスト要件が厳しいのかあまり力を入れていないなと思わせる凡庸なタッチで、エネルギー回生の減速Gが強いことと相まって、意図通りに気持ちよく止まれる類のものではありませんでした。期待はしていなかったけどやっぱり残念。


【ポジションなど】

シートは電動でメモリー付。ドライビングポジションは、同じFFの1シリーズとシャシーを共用していると思われ、低く設定しようとするとステアと座面の辻褄は合うけれどメーターパネルの下部がステアのセンター部分で隠れて見えない。


シートポジション調整は、最初にパネル全体が見通せる位置まで座面を上げてから、ペダル・ステアとバックレストを順番に合わせていく感じになります。


かなり座面を上げたはずだけど、それでもボンネットの先端は見えない。


僕は代車など馴れない車を運転する際は、タイヤの実際の接地面と自分の感覚のズレをできるだけ確認するようにしています。


やり方はとても簡単で、駐車場などラインが引いてある場所で、前進で平行と垂直のラインぎりぎり(と感じるまで)に寄せてみて、車を降りて確認するだけです。


今回のX1では、前はほぼピッタリ、助手席側は+3cm(あと3cm寄れた)でした。ガタイが大きく目線も高いクルマとしては、車体感覚が掴みやすい(といわれる)BMWの面目躍如といったところです。


【居住性・内装・ユーティリティー】

シートはファブリックとレザーのハイブリッドタイプで、硬さは適度ですが座面の厚みがもう少し欲しいかなと思いました。サイドサポートはあまり張り出しておらず、当然ですがスポーツ走行には向いていません。


後席は前席より硬めの感触ですが座面後傾角が深すぎず、バックレストのトルソ角も適正で、座面長(奥行)は十分とは言えませんがフロアから座面前端までが高いので膝裏が浮くことはありませんでした。


FF化のメリットを生かし、後席のフットスペースは広く、前席の下に足を入れることもできるので5人乗車でも真ん中の人が極端に窮屈な思いをしなくて済みそうです。


操作系はひとつ前の世代のデザインなので、現行のやたらと多いスイッチ類&ガンダム系メーターパネルより安心感があります。


後席センターにUSB(TypeC)ソケットが二つあるのはファミリーユースには何気に嬉しい装備かも。


オプション装備(コンフォートパッケージ)に含まれる電動リアゲートは、運転席からもリアゲートでもボタン一つで開閉できるので超便利。


リアトランク内には、大きめのサブトランク(深さ20cm)も装備されていて、荷物と洗車道具を分けるなど使い勝手は良さそう。分割式のリアシートを前に倒せば広大な荷室が出現します。


僕の苦手な実用性皆無の室内LEDイルミネーションですが、設定で完全OFFにもできるので(評価は)スルーします。


駐車した時(夜でないと分からないけど)路面に浮かぶX1のロゴは、売上No.1の某国の人たちに喜ばれそう。がんばって売りまくってください。



【ディーゼルエンジンへの疑念】

今回乗ったX1は、35.7kgmという強大なトルクを誇る力強いエンジンのはず・・ですが、試乗期間中にそれを体感できたという実感はありません。


例のディーゼルゲート(排ガス試験不正事件)以後、主に欧州の各メーカーは追加対策を余儀なくされましたが、EURO6(現行排ガス基準)に真っ当に適合させようとすると排ガス浄化装置のさらなる重畳が必要で、普通に考えるとパワーもトルクも落ちるはず。


逆にスペックを維持しようとすればコスト上昇に直結し価格競争で厳しくなる。


しかし、カタログスペック自体は全く変わっていないし、大きな価格変動もない。


カタログ数値が実際と異なるのは燃費に限らずよくある話ですが、本当に35kgm以上もの太いトルクを路面に伝えるクルマを運転しているのかな、という疑念は最後まで消えませんでした。


【総評】

辛口のコメントになると思いますが、100km運転してみての率直な感想を。


正統派SUVのボディを身に纏ってはいますが、中身は乗り味も含めてFFベースの1シリーズそのものです。プラットフォームの出自を辿ればMINIなので、四駆のSUVだからといって悪路走破性など過度な期待はできない。


Xシリーズのエントリーモデルということもあり、操舵(ステアフィール)は穏やかで破綻もない。高速ではさすがBMWという片鱗も見せますが、500万円前後という価格帯には輸入車に限らず国産車にも多数の競合車種が存在しています。


その中で、X1だけが持つ、X1でなければ、という要素は、残念ながら今回僕は見つけることはできませんでした。


ただし大柄な体躯のおかげで、後席居住性と荷物積載量は1シリーズを大幅に上回ります。


今やX3でさえ全長4.7m超、全幅は1.9mに迫ろうかというX兄弟総肥満化計画が着実に進行中なので、日本で辛うじて持て余さないサイズのXシリーズ(BMWのSAV)としては極めて貴重かもしれない。


市街地近郊で家族や友人とキャンプに行く程度なら重い荷物を積んでも力強いトルクでぐいぐい走り不満はないでしょう。


でも、悪路や雪山は、シティSUVなので不向きだと思います。


普段使いで駐車に困らないスペースがあるなら、BMW(ミニシリーズを除く)最小のSUVとして一考の余地はあるかも。



しかし、現行型(2015年~)のモデルサイクルを考えると、そろそろ新型の声が聞こえてくる頃合いでもあります。


急速に進行する世界的なクルマ電動化の波の中で、BMWが次期X1のパワートレインに何を採用し、何を採用しないのか。


僕は、ディーゼルモデルは今後売れ行きも含めていずれ淘汰されてゆく流れにあると思っていますが、ディーゼルの、ガソリンエンジンには真似のできない低回転から太いトルクを出す特性は、悪路走破性や傾斜登坂能力・牽引などが現実に求められるような用途ではまだまだ根強い需要があると思います。


しかし、ドイツ中心の欧州メーカーが徒党を組んで一般乗用車にもディーゼルをより多く普及させようという企ては、排ガス不正事件の発覚によってあえなく潰えることとなりました。


環境問題に敏感な国々ではディーゼル乗用車が以前のように売れなくなり、販売をやめたボルボをはじめ各メーカーのディーゼルのラインナップは年々少なくなってきています。


その状況の中で、果たしてBMWは次期X1についてどのような選択をするのか、興味深く見守りたいと思います。


【写真・動画】


末弟といえども迫力満点のフロントフェイス

自宅駐車場ですが、左側はお隣さんとギリなのが分かると思います。右側の壁との距離はわずか30cm。乗降はかなりの難易度です。

後ろはいたっておとなしいデザイン。デュアルマフラーがシンメトリーで◎

ライトの意匠はヘキサゴンタイプ

ランフラットではありません。ホイールは掃除がしにくかった

横置き直4なのでエンジンレイアウトが偏っています。本来は左ハンドルなので、アチラではドライバーのみ乗車で左右バランスOKかもだけど、日本では右偏重に。

BMWおなじみのレイアウト。ドライバーオリエンテッド(センターパネルが運転席側に傾斜)は昔も今も。パーキングブレーキは電動ですが自動ではない

後席足元はとても広いです。エアコン吹出口下にUSBソケット(TypeC)×2

ラゲッジルーム。奥に見える後席シートは3分割可倒式でスキー板など長物も入ります

底面の下にはさらに収納スペースが出現

僕の苦手なLEDイルミ(ブルー)もちろんOFFにもできます

照射はドアミラーから。結構な明るさです

エンジン音(ボンネットOpen)
ディーゼル特有のガラガラ音

エンジン音(ボンネットClose)
フード裏の吸音材が高域をうまくカットしているようです

室内エンジン音(窓閉・アイドル800rpm時)
ガソリンエンジンとの違いはほとんど判りません。市街地走行をほぼカバーする2000 rpmくらいまでも同様の静かさです。
(写真・動画おわり)




M4の初車検で入庫したバルコム福岡東の担当営業さん、担当サービスさんには、大変お世話になりました。これからもどうぞよろしくお願いします。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。