彼女に笑顔が戻りますように | M3遣いのブログ

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ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

ひとりの中学3年生が、進路の決定で揺れ動いている。


受験校の決定期限が刻々と迫る。


しかし、彼女は決めきれない。


保護者は、公立でも私立でも良いから、彼女自身が決めてほしいと願っている。



少子化が進み今や高校は全入時代ともいわれ、地元県内での公立校の半数近くは志願者が毎年定員割れするようになって久しい。


かつては「滑り止め」ともいわれた私立校も、専願制を導入したり、有名大学等への進学率や留学制度など、特色をアピールしたりしないと生徒が集まらない状況が当たり前になってきた。


真面目に中学生活を送ってきた彼女には、多くの選択肢が学校から示され、そのうちのどれかには必ず合格するだろう。

例えば・・(彼女の希望や学校の提案)
・字の綺麗さ(彼女が書くノートは学校イチ綺麗だと先生は言う)を活かして、書道部の活動が盛んな高校へ進学し、書道家やデザイン関係の仕事をめざす。

 

・年上の親族が高校で服飾デザインを学んで、今は東京でアパレルメーカーに就職し、いつかは自分でブランドを立ち上げたいとがんばっている。その道をたどるのも魅力的に映る。

 

・同じく親族が、高校の情報処理科を卒業して、次は4年制の専門学校に進み、ゲームクリエーターをめざすという(4年間の学費は560万円!)。彼女も情報処理やプログラミングにも興味がある。

 

・ごく最近、「看護師になりたい」と母親に告げた。小さい頃お世話になった病院の優しい看護師さんが忘れられなくて、お医者さんや看護師さんになりたいという夢を秘かに抱いていたそう。


 

進路(受験校)選択を迫られ、彼女は揺れている。数日前は、学校での三者面談のあと帰宅して大泣きしたそうです。


 

思い起こせば・・

僕らの高校受験時代は、何より優先されたのは「公立に入れ!」という親からの至上命令だった。


現在のように給付や貸与の奨学金制度も充実しておらず、もちろん高校無償化も影も形もなかった。


公立と私立では経済的な負担差が今より何倍も大きく、奨学金制度も利用できるのは限られた人たちだけだったから、競争率の高い公立高に合格するために、必死で勉強せざるを得なかった。


一度しかない受験のチャンスに向け、遅かったとは思うけど中3の部活引退を機会に友達が通う英・数・理の個人塾に僕も入り、先生が手書きで作る青焼きの印刷機で出されためっちゃ小さい字のプリントに毎回悪戦苦闘。


そのような中での唯一の楽しみと言えば、夜10時過ぎに塾が終わり、真冬の極寒の中を友だちと自転車で帰る途中、自販機の温かいコーヒーを買って将来の夢を語ったり、クラスの中で気になる女の子のことを小さな声で話すくらいだったなぁ。



話が逸れました。


僕が志望校選択に迷う彼女に対して思うことは、どんな学校を選んだとしても、3年間の高校生活を思いっきり楽しんでほしい、ということ。


だから、学校を選ぶ際の基準は、必ずしも将来の進路や希望にマッチしたところでなくてもいいと僕は思う。


学校説明会とかオープンキャンパスなどに積極的に参加してそこに毎日通学する自分の姿をイメージしてみて、直感でもいいから(若干無責任な気もするけど・・)自分に合いそう・楽しそうとか、制服が好みだから好き、とかでも良いと思うのです。


勉強だけじゃなくても部活とか友だちとか趣味とかで楽しむことができれば、将来の展望とかやりたいことが少なくとも今よりは見えてくるんじゃないかな。


過去の自分を振り返ってみても、職業とか進路とかを真剣に考えたのは、高校3年生への進級時に文系か理系かを選ぶ時と、大学3年生になって就職活動を意識し始めた時だった。


今はそんなのんびり考えてていい時代じゃないよ、と言われると思うけど、15歳の子に「さあ、あなた自身のレールを今敷いて!」というのはすごく重荷になると思うし、もう少し先でもいいのでは、と僕は思う。




学校は彼女について「真面目で無遅刻無欠席、板書のノートは学校で一番綺麗です。」と何度も繰り返してきた。いわゆる「問題のない」生徒だったんだろう。


母親は、学校との三者面談で模試の結果(偏差値)を知らされ愕然とし、「そもそも勉強の仕方がわからなかったのではないか?」と担任に詰め寄ったそうです。


学校がなんと答えたのかは知らない。でも、もうそこから始めても到底間に合わない。



批判できる立場ではもちろんないけれど、担任や学校は一体何をしてきたのだろうと思う。


受験校の決定期限は明日だという。


何もできず、今までも何もできなかった自分に腹が立ちます。


彼女の苦悩が笑顔に変わる日がきっと訪れますように。



今日の1枚(写真と本文は関係ありません)



とても綺麗な茜色の夕焼けが見られました。
夕焼けが美しい、と感じられることに、ただ感謝です。