愛車遍歴(その18)BMW_M3(5) | M3遣いのブログ

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ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
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M3ドライブレポート、前回“序章”からの続きです。


M3は、少なくとも同じE92の型式を名乗る3シリーズクーペ(320i・325i・335i)とは、姿かたちは似ていても、全く別のクルマだと断言できる。単なるエンジンの違いではない。


ボディ剛性、足回りの設計やパーツ、徹底的な軽量化の技術、そしてもちろん、M GmbH謹製の珠玉のS型エンジン。(注:Mモデル以外のBMW製エンジンの型式はすべてNで始まる)


ちなみに、M3に搭載されているV8 4,000cc自然吸気(NA)のS65B40A型エンジンは、2008年から2012年まで5年連続で、ポルシェやフェラーリなどのライバル達を抑えて同排気量クラスの「エンジン・オブ・ザ・イヤー」を獲得している。



閑話休題。以前のブログで書いたことの訂正です。


M3のマニュアルに初めて試乗した時(「M3試乗記(続 緊急入院)」 参照)、運転感覚が「重く」感じられる理由を、「重たいV8エンジンが鼻先に載っているからかもしれない」と書いてしまったけど、後でちゃんと調べてみると、E46_M3搭載のS54B32型のエンジン単体重量217kgに対して、蜜柑号のS65B40A型は202kg。


排気量や気筒数が増加しているにもかかわらず、エンジン自体はマイナス15kgもの軽量化を果たしていた。これは、エンジンブロックを鋳鉄製からアルミ製に変更したことが大きい。某資料によると、先代M3でもアルミ製ブロックが検討されたけど、ボアアップによってシリンダ隔壁の厚みが3mmしか取れないため、耐久性の面から見送られたそうです。


というわけで、「重さ」を感じる原因は、とりあえずエンジン重量の増加ではありませんでした。



とあるメカニックさんの言葉。
「M3は、エンジン単体だけでも400~500万円のコストが掛かっているはずです。走ることに特化して造られたこのクルマを、この価格で乗れるのなら、むしろお買い得と言えるのではないでしょうか。」


是。


所有する自分自身が、全くそう思う。


もし、これからBMWへの乗り換えを検討している人がいて、高年式の335i(直6ターボ:306PS)と、年式が落ちるMモデル(先代E46を含む)を価格面だけで天秤にかけようとするなら、あるいは、335iをチューンしてスペック的にMモデルに近づけたとしても、それは比較にならないと言いたい。通常ラインナップのクルマとMモデルは、根本から全く別の車種です。


それは、M235iに試乗した際にも素人の自分でさえはっきりと感じられた。M Performanceモデルは、あくまでもオプションのMパーツをこれでもかと満載した、従来のM Sport(Mスポーツ)の「豪華版」であり、スペックでMモデルに迫ろうとも、Mモデルの代替には絶対になり得ない。


それくらい、蜜柑号のパフォーマンスは「走る・曲がる・止まる」の全ての要素において圧倒的。特に、ステアリングに装備されている「Mボタン」を押した瞬間、体じゅうからアドレナリンがドバっと吹き出す。


「Mボタン」は、Mドライブパッケージ(+450,000円のオプション)装着車だけにしか付いていない秘密(?)のボタン。


エンジンのマッピング(出力特性)、電子制御サスの硬軟制御、ステアリングの切れ角や重さ、DSC(ダイナミックスタビリティコントロール)の強弱や介入のタイミング。


これらの要素を掛け合わせてできる何十通りものセッティングから、自分好みの組合せパターンをMボタンひとつで呼び出せる。(もちろん走行中に切り替えることが可能なので、その効果をダイレクトに体感できる)


自分は、エンジンパワー:最大、サス:Sport+(最もハード)、DSCだけは、完全OFFにするとさすがに怖いので、コントロールを失うギリギリまで介入を待ってくれるMDM(Mダイナミックモード)、で登録している。特にCompetitionは、モデル専用セッティングなので標準モデルよりもさらに劇的な変化を感じられる。


このボタンによって、M3のドライビングという「非日常」が、「超(?)非日常」へと瞬時に変貌。だから、運転していてつい、笑みがこぼれてしまう。(外から見えてたら気持ち悪いかも・・・)


というわけ(どういうわけ?)で次回からは、要素ごとに整理して書いてみようと思います。


・・・でも、正直言って、いまだに書きづらい。自分の中で蜜柑号のイメージがまだ鮮明にピントが合っていない感じ。もう少し時間が経てば、徐々にでも鮮明になってくるのか、それとも、ぼやけた像のままなのか。


蜜柑号は今のところクールにすましている。現在の“お友達”の関係から、最終的にはかえがえのないパートナーとなれるように、これからも少しずつ距離を縮める努力をしていきたい。