M3試乗記(続 緊急入院) | M3遣いのブログ

M3遣いのブログ

ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

昨日、愛車M3が緊急入院。全く予期せぬ事態だった。M3はもう走れない。100km以上離れた自宅までどうやって帰ろう?普通、一週間の入庫のための代車を、当日すぐに用意してもらえることはあり得ない。でも、代車がなければ2時間電車を乗り継いで帰らなければいけない自分たちのために、ディーラーさんは最大限の対応をしてくれた。


代車の用意ができるまでの待ち時間の間に、ご厚意でE92_M3(2008年式・アルピンホワイトⅢ・左・6MT)の試乗をさせてもらえることに。しかも高速で。


E92クーペは、今のM3の前に乗っていたから、車両感覚は慣れている。左のマニュアル仕様は、まさに自分の希望なので、千載一遇のチャンス。でも、E92_M3は、車両本体価格だけでも10,000,000円を超える。


若干緊張しながら運転席に乗り込む。シートとミラーを合わせて、コンフォートアクセスのエンジンスタートスイッチを押す。


ブロロンッと、重く低い咆哮を上げ、420馬力の4,000ccV8エンジンが始動する。アイドリング音は、E46_M3のほうが大きい。クラッチは、驚いたことに、E46よりもさらに軽い。初めてE46_M3に乗った時、その軽さに驚いたけど、E92はさらに軽い。軽過ぎて、逆に不安になるほど。


実は、スタートでエンストしてしまった。クラッチが繋がるポイントが、かなり手前だった。めっちゃ恥ずかしい。ルームミラーを覗くと、後ろは偶然にもBMWの1シリーズだった。目の前でM3がエンストして、さぞかし戸惑っただろう。


走り出すと、V8エンジンは非常に滑らかな吹け上がり。室内に入ってくる音もかなり抑え込まれていて、0-100km加速4.6秒のモンスターを操っている感覚はない。この個体には、Mドライブパッケージという高額なオプションが付けられていて、エンジンのマッピングやサスのコントロールをトータルで制御して車の性格を豹変させることができる。


日常ゆったりと快適に流すコンフォートから、サーキットまで対応可能なスポーツプラスまで、全く別の車に乗っているような感覚をスイッチ一つで切り替えることが可能。


アシには、18インチ鍛造のM3標準ホイール(自分の2台前のE90に履かせていたやつ)に、ミシュランのパイロットスポーツ。前が245/40/18、後ろが265/40/18。


自分のE46_M3には、オプション設定の19インチを履いているけど、普段使いではちょっと硬いと感じる。なので、18インチでミシュランは、自分のドライビングスタイルには最も合っている組み合わせと言っていい。


高速に上がり、420馬力の片鱗を試してみる。4,000ccV8のS65B40型エンジンは、今となっては希少な自然吸気で、レブリミットはなんと8,400回転。もちろん試乗だからそこまで回すことはないけど、1650kgの重いボディを力ずくで後ろから押し出す感覚は十分に味わえる。


スピードメーターは330km/hまで切ってある。でも、メーカー公称では、250km/hでリミッター作動のはず。6速で4,000回転まで上げてみたところの車速から推測すると、最高速度が300km/hを超えるのは間違いない。


肝心の、E46_M3との比較を。旋回の感覚は明らかに違う。ドライバーのポジションが、車軸間で比較するとおそらくE92のほうが後ろなのだろう、E46が、糸につけた錘(おもり)の先端に自分がいるような感覚で回っていくのに対し、E92は、その錘を自分(ドライバー)が追いかけていく感じ。もしかしたら、重たいV8エンジンが鼻先に載っている影響もあるかもしれない。


踏んだ時のトラクションのかかり方はほぼ同等。ただし、パワーは343PS(E46)と、420PS(E92)の差を明らかに感じる。


最も差を感じたのは、ステアフィール。もちろんどちらもパワーアシストだが、E46は昔ながらの油圧式。対するE92は、電動電子制御。いわゆる車速感応型というやつで、低速ではアシスト量を増やし軽く、切れ角も多い。高速になると、重く、操舵角も小さくなる。


自分は、素直な油圧式のほうが好み。もし、この2台をワインディングに持ち出したら、登りではE92、下りならE46のほうが、自分は速く走れそう。


気がついたら、めっちゃ長くなってました。しかも、もうすぐ日付変わるし。


あらためて、相棒E46_M3の良さを再確認できた、思わぬ形でのM3試乗記でした。戻ってくるのが待ち遠しい・・・