少し、間が空いてしまいましたが、絶滅が危惧される博多弁の第3弾(最終回)です。では、さっそくいきます。例によって、多少品位に欠ける言葉も出てきますのでご了承を。
25.なんかなし(★★)
意味:とにかく
用例:なんかなしくさ
翻訳:とにかくね
26.ぬくか(★★)
意味:暖かい(人によって、暑いときも使う)
用例:今日はぬくかな
翻訳:今日はあたたかいね(暑いね)
27.ねまっとう(★★)
意味:(食べ物が)悪くなっている
用例:それ、ねまっとうばい
翻訳:それ、腐っているよ
28.ねぶる(★★)
意味:舐める
用例:またねぶりよう、行儀わるかな
翻訳:また舐めて、行儀悪いよ
29.のける(★)
意味:除外する
用例:わるいとば、のけとって
翻訳:悪いのを、除外してください
30.ぱげる(★★★)
意味:壊れる
用例:あ、ぱげた
翻訳:あ、壊れた
31.はらかく(★)
意味:腹を立てる
用例:あんひと、はらかいとうばい
翻訳:あの人、怒っているよ
32.はわく(★)
意味:(ほうきで)掃く
用例:そこばはわいとって
翻訳:そこを掃いておいてください
33.ぼてくりこかす(★★)
意味:殴ってボコボコにする
用例:ぐずぐずいいよったら、ぼてくりこかすぞ
翻訳:文句言ってたら、殴り倒すぞ
34.まる(★★★)
意味:排便する
用例:ちょっとしっこまってくるけん
翻訳:ちょっとトイレ(小)に行ってきます
35.むっちん(★★★)
意味:真っ裸
用例:むっちんでうろうろしよる
翻訳:真っ裸で歩き回っている
これらの言葉は、子どもの頃当たり前のように使っていたし、聞くことも多かった。でも、今はほとんど耳にすることがない。年齢がずっと上の人の会話を聞いていると、これらの言葉がたくさん出てきて、「懐かしいなぁ」って思うけど。メディアの普及によって、標準語化が進んできているのかなあ。
方言と言えば、学生の頃、東京の大学に進学した友人を訪ねていったとき、電車の中で普通にその友人と博多弁丸出しで会話してたら、途中で、「もう少し小さい声で」って。「どうして?」って聞いたら、博多弁で会話していると、アチラの人はまるで喧嘩しているように聞こえるらしい。そんなに言葉、荒いのかなあって思うけど。
あと、同じように関西の大学の友人のところに遊びに行った時は、できたばかりの彼女さん(兵庫県出身)が、博多弁の語尾によくつく「たい」をいたく気に入って、何かにつけて会話に「たい」を一生懸命つけて話すのが可愛かった。「行ったのよ」というのを、博多弁では「行ったったい」と表現するけど、彼女は「行ったたい」になってしまって、「なんか足りんよ」って教えてあげたり。
同じ友人が、「大阪でうどん屋に入って、メニュー見ずに『ごぼう天うどんひとつください』って言ったら、お店の人に変な顔されちゃった」と面白そうに話してくれた。僕もそうだけど、ごぼう天うどんって、全国共通の定番メニューだと信じて疑わなかったから。
日本って、狭い国だけど、TVのケンミンショーでやってるみたいに、方言も習慣も食べ物も、所変われば品変わるで、ものすごいバリエーションがあるのはすごい。ちなみに過去のケンミンショーでやっていた、「福岡ではイソギンチャクをフツーに食べる!」は、生粋の福岡人の私でも初めて聞きました。まあ、そんなものだと思って、気楽に楽しみたい。でも、体育の時間に「立て!」って言われたら、反射的に「ヤーッ!」って言っちゃいます。