ふんわり風船ハート みぶき えみ@月の記憶の声を聴く人

   

月の記憶の声を聴きながら綴る

みぶきえみの世界観🌙

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前のお話

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幼稚園に入学したころ

弟はよく熱を出し

そのたびに痙攣を起こしていた。

 

夜中に痙攣が起こると

母は、弟をおんぶして

病院に駆け込んだ。

 

私は、起きると怒られるので

眠ったふりをしていた。

 

そして、母と弟が

帰ってってくるまでの間

真っ暗な家の中で

布団にくるまっていた。

 

すると、母と弟がいなくなった

あの日のことを思い出した。

 

暗い部屋に

ひとりにされることが

何よりも怖かった。

 

だから、窓の外を見て

月が出ているとなぜだか安心した。

 

 

けど、月は気まぐれで

雨でもないのに

姿を見せないことがあった。

 

その頃は

月が満ち欠けをするなんて

知らなかった。

 

いつも、夜空に月を探していた。

そのうち、ひとりの夜に限らず

月に語りかけるのが

好きになっていった。

とっても、引っ込み案で
人見知りで、おとなしくて・・・
本が友達みたいな感じ。

 

今にして思えば

母に迷惑をかけずに生きることが

いいことなんだと思ってた。


弟の世話で大変な母の

負担になってはいけない

 

だから、いつも母の顔色を

見るようになったんだろう。

 

思い出すだけで

心細さが襲ってくる。

 

大人になってから

友達と母の話をしたときに

すごく共感することが多かった。

 

外食に行っても

一番値段の安いものを選んだり

 

洋服を買うときも

母が気に入りそうなものを選んだり

 

ひとしきり、盛り上がった後

友達が言った言葉。

 

「共感できるっておかしくない?

 私は継母だったから

 気を使ってきたんだから。」

幼少期は、もちろん

他の親子関係を知らないし

情報を得る手段もない。

 

そんな中で、自分が体験したことから

どう生きるべきなのかを

日々考えていたのだろう。

 

周囲に対して、神経を張り詰め

どこにいても、心が休まる場所がない。

 

その小さな私のことを思うだけで

思いっきり抱きしめたくなる。

けど、この繊細な感覚も

自分なんだって知るのには

ここから50年もかかったけどね。

 

夜空の月を探し、星を見る毎日。

 

今考えると、
これが、占星術につながっていく。


いわゆる星占いに出会うのは、
もう少し後だったけど。

 

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