うちは戸建てで
結構な数の雨戸がある。
夏は雨戸を
閉めないこともあるけど
冬はなんせ寒いんで
閉めるようにしてる。
寝室の雨戸の開け閉めは
あぶがしてくれるんで
すっかり任せている。
午後の3時半頃かなぁ
用があって寝室に行ったら
雨戸が閉まってた。
あぶったら開け忘れたのか。
開けないと陽の光が入らず
部屋が暗いままで
なんかイヤなのだ。
忘れちまったのかよ、と
ちょっと、ちぃっ、って
気持ちになりながら
ガタゴト雨戸を開けた。
少しでも陽の光を入れたくて。
仕事部屋に戻り
あぶに
パパ、寝室の雨戸
閉めたままだったから
まめこ開けといたよ。
とドヤ顔で言った。
えらいでしょ、えへへ、な感じで。
するとあぶが
え？
さっき寝室の雨戸を
閉めたとこだよ。
寒くなってきたし。
え？
閉めたのに開けたの？
あぶ爆笑。
朝からずっと
閉まってると思って…
いや、朝開けて
さっき閉めた。
あぶは、はっはっはと
笑いながら寝室に向かった。
ガタゴト音がすると思ったら
私が開けちまった雨戸を
また閉めている。
お、おとうちゃん…
お互いに
よかれと思ってしたことが
それぞれに届かず
ヒジョーに楽しいことになった
大関家のある日。
夜のおかずは
あぶが大好きな
寺田商店の唐揚げにしよう
そう心に誓った。
