※※※※フェルディナンド※※※※
マインの入院中毎日彼女の病室を訪ねた。彼女に似合いそうな花を1輪持って…
最初の日に持っていった世界の図書館の写真集を彼女は殊の外喜んでくれた。
彼女と色々と話したかったのに病室には必ず誰か居た。看護師だったり事務職員だったり薬剤師だったり。僕が院長の息子だからだろうか…マインを疲れさせたくなくて話もろくにできなかった。
1週間たった頃アドルフィーネが家にやって来て古文書の研究についてあれこれと言ってきたが僕はマインのことが頭から離れず曖昧に相槌をうっていたら流石にアドルフィーネがキレた。
いきなりマインの悪口を喚き出したのだ。
「あんな貧乏人のドブスどこが良いの?ただ頭が少し良いだけが取り柄の女、貴方には似合わないわ!!」
そんな言葉を聞いた時にアドルフィーネがマインに僕の恋人だとか婚約者だとか言っていたらしい事を思い出した。
「アドルフィーネ僕はいつから君の恋人になったのだ?」
我ながら低く冷たい声だったとは思うが…
「何を言ってるのかしら?私達は幼い頃からずっと恋人でしょ?婚約だってお母様達が言ってたじゃない。ドイツで。仲が良いからこのまま将来は結婚させるのもいいわねと。」
確かに母親同士は同じドイツ人で親友だが婚約なんて話は少なくとも僕の家では出ていない。
「確かに幼馴染ではあるが君を恋人等と一度も思ったことはない。ましてや婚約など母からも言われたことはない。」
「何を言っているのかしら?女性恐怖症の貴方がまともに接せられるのはわたくしだけじゃない。それよりもあのマインとか言う女は素肌で触れるとでも言うのかしら?」
「ああ。彼女には触れられる。マインには手を握ることも頬にキスすることもできたからな。」
「なっ!いつそんな事をしたというの!?」
「君に話す謂れはないなぁ。古文書の研究の事は僕は辞退するよ。このまま君と2人で研究などできないからな。それから僕が恋人などと吹聴しないでくれ。彼女を傷つけたくない。」
「何よ!馬鹿にしないで!これで済むと思わないで!私はフェルディナンドを諦めないから!」
とうとうアドルフィーネは怒って出ていってしまったがどうでもいいことだ。それよりも…
マインの退院前に父と母の会話を聞いてしまった…
マインは心臓病が悪化して何もしなければ1年生持つかどうからしい。しかし移植の準備はできたようで今回の入院はその事前検査だったらしい。僕はホッとしたのだが…
確か、両親が前に話していたときはマインは施設にいるから莫大なお金のかかる移植はできないらしいと、しかし今回できることになったからとはどうも彼女に大きなスポンサーがいるらしい。
そのスポンサーの所に養女に入るか嫁に行くかと言う話があるらしい。
なんと!!養女ならいいが嫁とはどういうことか!?
一刻も早く彼女と話をしなければならない!!
気ばかり焦るばかり。彼女が退院してはじめての登校日アドルフィーネの取り巻き達が体育館裏にマインを呼び出して、暴力を振るったと同じクラスの1人が騒いでいた!!
僕は急ぎ彼女の下へ行こうとしたが一足遅く彼女は僕のクラスの1人ハルトムートとパウリーネの研究室に向かったとハルトムートを狙っている女子生徒が話すのが聞こえた。
どういうことだ?何故あのハルトムートが?
彼は父の親友の息子で子供の頃から知っている。妙に聡いやつであまり良い噂も聞かない割とブラックな奴がマインを叔母である先生の研究室に連れて行っただと!マインに暴力を振るった奴のことも気になるがマインに男が接触するのは許せない!僕はパウリーネの研究室に急いだ。
と、ここまで。