領主会議の初日。エグランティーヌのツェント就任式が行われた。
エグランティーヌによる奉納舞のあとに祭壇の道が開き始まりの庭に行ったエグランティーヌが戻ると…
「グルトリスハイト」とエグランティーヌが叫ぶとその手には一冊の本が現れた。
ここに正式なツェントが誕生した。
翌日は星結びの儀式が行われた。この日に婚姻をするのはフェルディナンドとローゼマインの2人のみ。
前日にツェントに就任したエグランティーヌが神殿長として2人の星結びの儀を執り行った。
婚姻の契約魔術の書が燃え上り闇のマントが天井を覆うとそこから眩い光が差し込んできて…
「ローゼマイン。今までありがとう。これからはフェルディナンドとあちらに帰って幸せになるのですよ。」
「ありがとう存じます光の女神様。」
「フェルディナンドよ、ローゼマインを守り幸せになるのだぞ。」
「必ずや彼女を守ります。闇の神。」
「エグランティーヌ。あとはあなたがこのユルゲンシュミットを導いていくのですよ。頼みましたね。」
「はい。最高神様」
「では、ローゼマイン、あちらに其方の国の神が迎えに来ている行くがよい。」
「ありがとうございます。」
ローゼマインは振り返り側近たち一人ひとりに視線を向けて頷くと
「皆、今まで支えてくれてありがとう。貴方達のことはけして忘れません。わたくしがいなくなってもどうぞ幸せに暮らしてください。さようなら。」
「ユストクス、エックハルト、ラザファム。長い事私に付いてくれてありがとう。其方達が居てくれたことは私の支えだった。これからはローゼマインと2人幸せに暮らすと其方達に誓う。私が居なくとも幸せに暮してくれ。さらばだ。」
ユストクス、エックハルト、ラザファム、ハルトムート、マティアス、ラウレンツ、グレーティア、ローデリヒ、クラリッサ。2人に名捧げしている側近たちは勿論、アンゲリカ、リーゼレータダームエル、フィリーネなど名を捧げていない側近たちも泣きながら2人の下に駆け寄っていった。
2人の下に地球の地母神が寄り添うと2人は光に包まれると玉になって空に飛んでいってしまった。
すると、名捧げしていた側近たちも体が透けて透明になると消えていってしまった…
驚いたダームエルがエグランティーヌに目を向けると…
「お二人は行ってしまいましたね。でも幸せそうで何よりです。名捧げの側近はあちらに付いていくことは叶いませんでしたが最高神の計らいによりフェルディナンド様とローゼマイン様が存在する織地に行きました。エアヴィルミーン様からお聞きしました。それが彼らの幸せだと。わたくしたちはお二人に託されたこのユルゲンシュミットを支えていきましょう。」
こうしてローゼマインは地球に帰って行った。フェルディナンドと手を添えて…
終。
さて、別の織地に飛ばされたそれぞれは…
ユストクスとエックハルトとラザファムはフェルディナンドがディートリンデに害される織地に降り立った。
今はローゼマイン2年生の貴族院。ターニスヴェファレンが発生する少し前。
ユストクスはフェアべルッケンの御守を使い姿を隠して暗躍する。王宮に入り込みトラオクヴァールに毒消しヴァッシェンをして神の声としてラオブルートの悪事を暴き、ゲオルギーネの言う事を聞かないように誘導した。
ラザファムもフェアべルッケンの御守を使い旧ベルケシュトックの寮に密かに入り込み隠されていたターニスべファレンの幼獣を始末した。
エックハルトはディートリンデの寝所に入り込み髪を全て刈り上げアキレス腱を切った。
それからユストクスはこの織地のハルトムートを引き込んでクラリッサにダンケルフェルガーの動きを封じるように動いた。
ダンケルフェルガーがフェルディナンドのアーレンスバッハへの婿入り推しはローゼマインをダンケルフェルガーに迎えるための布石の一つであってダンケルフェルガーの血筋であるヒルデブランドが婿として入る地の浄化としての駒に使うつもりだったこと。等を調べ上げどれだけダンケルフェルガーが非道だったかをマグダレーナのフェルディナンドとの婚約破棄騒動の賠償もされてないことなどを大々的に広めた。
同じ様にドレヴァンヒェルもフェルディナンドの婿入りを推した理由は次期アウブのレティーツイアの為の地慣らしの使い捨ての駒にすることは明白であったと判明したためそれも広めた。
ターニスべファレンも発生せずに無事にローゼマインの2年生は修了した。
フェルディナンドのアーレンスバッハへの婿入りは阻止したが、3人は余りのジルヴェスターの無能ぶりに失望した。執務を放り投げ妻と乳繰り合っては妊娠を繰り返す。フロレンツィアは第一夫人の役割を果たすつもりもなくヴィルフリートの婚約者であるローゼマインへの余りの仕打ちにフェルディナンドがキレてローゼマインに手を上げたヴィルフリートと一緒に3人まとめて白の塔に入れてしまった。それには3人の暗躍があってこそだった。
アウブにはなりたくないフェルディナンドのためにボニファティウスが中継ぎアウブになり、ローゼマインが成人した後にアウブになりフェルディナンドはローゼマインと星を結びアウブ配になることが決定した。
ローゼマインが4年生のときに始まりの庭に行きメスティオノーラの書を手に入れた。その時にはフェルディナンドが気付き始まりの庭に突進してアーンヴァックスの祝福で苦しむローゼマインを優しく包み直ぐに癒やしをかけていった。
美しく成長したローゼマインに激しくブルーアンファが舞ったフェルディナンドはここでエーヴィリーべに変わり痛みの中優しく癒やしをかけてくれたフェルディナンドに対しての初恋に気が付いたローゼマインがその後エグランティーヌを厳しく指導して1代限りのグルトリスハイトを授けた。
ディートリンデはエックハルトのお陰で人前には出られなくなり駒として使えなくなったゲオルギーネは焦ってエーレンフェストに侵攻するもアウブは既にボニファティウスに代わっていて神殿はフェルディナンドの鉄壁の守りもありあっけなく討ち取られた。
ローゼマインが2年生の時にランツェナーベの脅威をユストクスから聞いたフェルディナンドが早々に国境門を閉ざしておりジェルヴァージオは来ることはなかった。
ランツェナーベとの交易で得ていた砂糖及びに香辛料はローゼマインの日本での知識によってダンケルフェルガーでサトウキビ、エーレンフェストで砂糖大根、メープルが見つかり香辛料も各地の領地に存在していたことがわかりそれをもとに研究を重ねたフェルディナンドが次々と製品として世に出していった。
田舎領地で何の特産品もなかったエーレンフェストがジルヴェスターが白の塔に入ったことにより大きく躍進。
数年後成人したローゼマインがボニファティウスに代わりアウブになり星を結んだフェルディナンドが宰相としてアウブ配として力を振るうエーレンフェストは中領地ではあるが順位3位にまで上り詰めた。フェルディナンドに対しての非道から一時は順位を落としたダンケルフェルガーとドレヴァンヒェルだったがフェルディナンドに謝罪賠償をして手打ちをしてダンケルフェルガーは次期アウブレスティラウトを廃嫡。ドレヴァンヒェルはアドルフィーネに譲位していた。
王族は新しいツェントにエグランティーヌ。その王配はアナスタージウスではなくドレヴァンヒェルの養子の領主候補生がメスティオノーラの書にまで手が届いたので彼がなることに。
アナスタージウスはエグランティーヌに振られ傷心で廃領地になっていたアーレンスバッハにアウブとして立て直しを命じられた。
トラオクヴァールはツェントを譲ると妻たちとヒルデブランドを連れて旧ベルケシュトックに移り住みブルーメフェルトと改名してアウブに立った。
ジギスヴァルトはツェントの地位に拘りエグランティーヌに対して謀反を企てるがあっけなく成敗されて処刑された。
ユストクス達3人の暗躍がこれほど上手くいくとは3人もびっくりだったがフェルディナンドとローゼマインに散々無理をさせた神が裏でひっそりと手を貸していたのだ。
この織地は3人のおかげもありフェルディナンドとローゼマインは幸せに暮らし子供にも恵まれ孫まで腕に抱くことが叶い天寿を全うした。3人は寿命が尽きるまでフェルディナンドのもとで過ごすことができて神に感謝をしながら遥か高みに上がっていった。
と、ここまで。