※※※ユストクス邸※※※
今日は報告会と作戦会議。
ユストクスの邸にはユストクス、ハルトムート、ラザファム、ダームエル、リーゼレータ、アンゲリア、マティアス、ラウレンツ、ローデリヒ、グレーティア、フィリーネクラリッサが集まった。
まずはラザファムからの報告でアドルフィーネの家に家事代行サービスとして入り込んだ部下からの報告として動き出したことが告げられた。
フェルディナンドは
「具体的にどんな動きがあるか分かるか?」
「はい。部下からはアドルフィーネの父親から分家のローゼマイン様の祖父様にローゼマイン様の扱いをどうするのかという問いが投げかけられまして…」
「お祖父様には今まであった事はないのですけれど…」
「ローゼマイン様の祖父様はアドルフィーネのご実家の分家ではありますが相当な野心家で実業家としては実力もあり、本家をたった数年で凌駕してしまいました。そのお祖父様の反対を押し切り駆け落ちをしてしまったローゼマイン様のお母様を当然の様に勘当なさリましたから…」
「しかし何で結婚に反対なのだ?ローゼマインの父君の家も相当な旧家だし資産家だったではないか?」
「はい。ローゼマイン様の祖父様は実は冷泉家の分家のお血筋でございます。アーテルベルト様のお父君の従姉妹がローゼマイン様のお祖父様の母君になります。」
「えーということはわたくしとフェルディナンドは血の繋がりがあるということですか?」
「まぁかなり薄いですが…そのお祖父様はアドルフィーネの家の分家というのが気に入らなかった。冷泉家に自分の娘を嫁がせるのが悲願だったようです。アーテルベルト様とお母様の婚約がなされたのはそういう経緯があったのですが…話は流れた。そしてお相手がローゼマイン様のお父君になったのですが…」
「それだけでは反対するのに納得はできませんよね?」
「はい。当時祖父様はある利権争いでお父君のお父君、もうひとりの祖父様と対立なされていた。お二人はお小さい頃からライバル同士で何事も競われていましたが家の格がどうしてもアドルフィーネ家の分家の方が落ちます。そのためにいつも2番手になることを余儀なくされていらっしゃったのが相当に悔しかったと。そしてその忌々しく思っていた相手の息子が自分の娘を誑かしたのが許せなかったと。それがその方の血を引くローゼマイン様を受け入れることができなかった理由ということです。」
「そうだったのですか…でも…お祖母様には何度か会ったことがあるのですよ?」
「祖母様は祖父様の気持ちは知りつつも可愛い孫が大切だったようです。お父君が亡くなられてから影で随分とお母様を助けていらした。しかしお母様が祖母様に何の相談もなく再婚されてしまい…しかしローゼマイン様が施設に移られてからは施設に多額の寄付を頂いたり影となり何くれとなく援助いただきました。」
「そうだったのですね…」
「それで…祖父様も年には勝てずに近頃では後継者についてだいぶ悩んでおられるとか…以前はローゼマイン様の事を受け入れることなくアドルフィーネ様を養女に迎えて分家の存続をと思っていらしたのですが…祖母様がローゼマイン様の資質を根絶丁寧にご説明申し上げ不遇な立場でも大変優秀でいらしたことが琴線に触れたということと表面的にはお父様の実家が没落したということで…何よりもフェルディナンド様と相思相愛であり婚約内定していることが決め手となり近々ローゼマイン様を迎え入れる準備を始めたとか。」
「それがアドルフィーネ本家に伝わり…」
「本家の方では今更ローゼマイン様を迎え入れられては困るのが本音でアドルフィーネがフェルディナンド様の婚約者になれれば分家を手に入れることもできるし、冷泉家をも手に入れる。その準備を始めたと。それにはローゼマイン様の存在が邪魔であること。それを同じく邪魔に思っているディートリンデの父親と手を組むことでローゼマイン様を亡き者にしようと…」
「ここで繋がるのか…彼奴等は。」
「まずはローゼマイン様の警護の強化ですが…」
「それはアンゲリカや、マティアスが居るので大丈夫ですが問題はフェルディナンド様です。」
「私は…それ程警戒しなくとも大丈夫だろ?」
「いいえ。アドルフィーネがフェルディナンド様との既成事実を狙っているのです。」
「はぁ?」
「セレブ学園恒例の学園祭ベストカップル選出に何やら仕掛けるらしいと。これはディートリンデもだそうです。」
「えーどうしましょうフェルディナンドはわたくしのものですよ!」
「落ち着きなさいローゼマイン。勿論私は君1人のものだから安心していなさい。」
「それが…ローゼマイン様の事もあるのですよ…」
「何がある?」
「実は…3年生にマグダレーナの弟のレスティラウトが居るのですが…それがどうもご帰国されて初めての登校日にローゼマイン様を見かけてブルーアンファが舞ったとかで…今までは隠れるようにダサい眼鏡をかけたりしていましたから…それを取り払えば誰でもブルーアンファが舞います。それに厚生労働大臣の家ではマグダレーナとフェルディナンド様の縁談を勧めていたこともあるので、レスティラウトがローゼマイン様を娶れと言うことになったようです。」
「何だと!」
「これは学園祭対策もしなければなりませんね。」
「欠席というわけにはいきませんか?」
「それは…無理かと…ローゼマイン様のお披露目とお二人の婚約発表をその日に行うとアーテルベルト様からの通達でございます。」
「その日にしなければならない何かがあるのか?」
「はい。その日に厚生労働大臣のマグダレーナの不正入学の暴露を発表して、その隙に冷泉病院には内調と警察の合同で手入れが入ると。そのために厚生労働大臣とディートリンデの家の目を逸らしたいそうです。」
「そうか…」
「レスティラウトとアドルフィーネ、ディートリンデの目を逸らせばいいのですね!?」
と、ここまで。