ハルトムートは無事にアウブベルケシュトックを教育してきたようだ。
「アウブベルケシュトックの教育完了しました。この教育の成果として叡智の女神ローゼマイン様の忠実なる下僕として立ち回ることを誓わせてきました。」
「それで次期ツェントに関しての考えは?」
「はい。それはローゼマインの書を所持した者がツェントであると言う考えに。そして書を取得する手段については資格と地下書庫での調べをさせる事は指導していました。これから後に書を取得に来る者たちを正しく導くことを領地の法として整備するとのことです。中央への司書の派遣はこれからもベルケシュトックが担い司書としての優秀な者を育てる事を約束して来ました。」
「どんな教育をしたか気になるところではあるがこれで厄介事が1つ減ったか?明日の即位式に邪魔はしないだろう。」
「そうですね。ダンケルフェルガーはツェントの剣として護衛に徹するでしょうしクラッセンブルグは第三が即位することで暫くは大人しいでしょう。」
「では、アーレンスバッハが問題か。しかし即位式では動かないと思うのだが…」
「そうですね…ベルケシュトックが動かないとなるとアーレンスバッハはどうするのでしょう?」
「国境門も閉めましたし…ラオブルートも片付けましたし、何があとありましたか?ゲオルギーネは今は動けませんよね?」
「そうだな。恨みを抱いていたヴェローニカとジルヴェスターは失脚した。第三夫人である今は何の権力もない。」
「では?」
「しかしゲオルギーネはカーオサイファに魅入られた女だ。このまま何もないはずはない。」
「警戒は強めよう。」
と、少しの懸念はあったが即位式を迎えた。
と、ここまで。