【鑑賞】ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』 | You and the Revue and the Musical

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2年前にエンタメがストップして、日々の外出もままならない状況になって以来、未だはまっているのがネット配信の映画やドラマ。

 

過去に話題になった作品もヅカ観劇優先(+宙組息子?の応援・・・というのかな)や、未来に向けてスキルアップのセミナー参加、なんちゃって起業などで精一杯で、知らない、観ていない作品が多数。

 

今や時間があれば●mazonプライムで配信三昧(^^;

 

佳作もあれば、意味不明な作品もあり。でも元々配送無料になるのが最大の魅力でヘビーな●mazonユーザーだった私には、年会費4,800円で有難い存在。(他の配信にも課金していた時期がありますが、今は一つに絞ってます)

 

この週末に観たのはドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』。吉田羊さん、國村隼さんが父娘役でダブル主演。

 

すっとぼけた愛嬌を感じる父親役の國村隼さんが、憎めない男、そして父親の味を出している。吉田羊さんはエッセイストでラジオのパーソナリティーも務める、いわばかっこいいキャリ女性の象徴のようなイメージがよく似合っていて、ファッションも私好みでしっかりと見入っていました。(メゾンキツネのTシャツやカーデの着こなしが格好いい!)

 

全12話を2日間で観ました。

 

最初は父と娘の漫才かよ?みたいに気楽に視聴していましたが、後半はかなり深刻モードで、吉田羊さん演じるトキコが長く同棲しながらも結婚に至らずパートナーと別れた話、妻以外の女性がいた父親との葛藤、20代前半で亡くした母の記憶に蓋をしていた思い出・・・胸がギュッとつかまれる気がしつつも「誰にも多かれ少なかれあるんだよね」と、自分自身を投影してしまうシーンがありました。


特に母を10代後半で亡くし、父と二人暮らしをしていた私は、主人公たちにどこか自分の境遇をかさねていたのかもしれません。・・・が父の名誉のために書いておくてと、父は真面目すぎてドラマの國村隼さんみたいに女性がいたことはありませんでした(笑)。でも別のところで手のかかる人だったし(昭和一桁うまれですしね)、妻がいなくなり抜け殻になったり、父娘の葛藤ってありました。(私はあなたの娘であって、奥さんじゃないんだ、自立してくれーーーっとかね)

 

この作品はジェーン・スーさん(生粋の日本人だそう)のエッセイが原作で、おそらくは作者自身のことを書いているのだと想像していますが、もしそうならば蓋をしていた苦い思い出と対峙して執筆するというのは、血を吐くような作業だったのではないだろうか。

 

(忘れさったほうがベターな苦い思い出ってあるもんね)

 

人はカッコよく素敵にバリバリ働く女性って、強くたくましいと思いがち。でも本当はそうじゃない。

どんな人にも脆く、弱く、みっともない一面はあるはずで、それを抱えたままで自分の世界を生きているんだ。

なんだかそう腑に落ちたのは原作者が自分自身と対峙しているからこそ生身の姿が見えたのだと思う。

 

私はダメ子、ダメな人、あかんたれ・・・と自己評価は低い。でもそれって私だけじゃなくて、私からは輝くように見える人たちの中にもあるんだ。

 

心に残るような台詞もあったけどニュアンスしか覚えていないので、もう一度観てみようかな。



最近は他にも二宮和也さん主演の『浅田家』も心に残りました。こういう家族・・・あたたかくていいな。

こうやって過去の映画、ドラマをチョイスしながら観るなかで、私は意外にも恋愛系よりも社会派ドラマや家族を描いた作品にのめってしまう(例えば『新聞記者』『ソロモンの偽証』『461個のお弁当』など)あらたな発見もあり。