宝塚へ到着すると粉雪が舞っていて、これが続くと帰路は雪?と若干心配しましたが、それは杞憂に終わりました。
でも帰宅するとやっぱり我が住まい付近も粉雪。
もうすこし先は積もっていたりして、そんな季節になりましたか・・です。
『グランドホテル』『カルーせる輪舞曲』どちらも見応えがありました。
しかし私の頭の中には何故か「宝塚のトップスターって一体何なのだろう?」とおかしな思考が潜んでの観劇となりました。
それぐらい新生月組がトップスターさんの力やオーラが際立つというより、『グランドホテル』が群衆劇とか群衆芝居というスタイルのせいか、出演者全員の力で成り立っている「良さ」を感じるものだったからかもしれません。
(だから・・・悪い意味ではないです)
人生の出会いや別れ、ふとした出来事がことの大きさの大小あれど、グランドホテルに宿泊する人達と同じようにいろいろある・・・
そしていろんな人がいる・・・
などなどジンと感じました。
(劇場に集う人もね、いろいろある、いろんな人がいるんだろうね)
それでも愛希れいかさんのグルーシンスカヤは素晴らしすぎる!
可愛らしいちゃぴはどこにもいなくて、バレリーナとしては旬を過ぎてしまったという過酷な事実に抗いながら、それでも踊ることを生きる糧として逃れられない苦しさが見事に伝わってきました。
まだ経験していない年齢の女性を演じ、グルーシンスカヤそのものの声で歌う・・・、これは「宝塚の娘役」のカテゴリーに収まることなく、一人の女優だとすら思いました。
彼女に比べると、まだボンボンに見えそうな珠城りょうさんのガイゲルン男爵も、どこかまっすぐな青年なんですねぇ。
美弥 るりかさん、華形 ひかるさんも夏美 ようさんも、みんな役者だなぁ・・・と思いました。
ショーはNHKで下見済みでしたが、やはりライブはいいです。
「モン・パリ誕生90周年」とサブタイトルがある通り、宝塚のレビューの原点が感じられました。
選曲ミスか? アレンジセンスの問題?と(偉そうですが・・・)と謎のように感じる部分があったのですが(ま〜ったりとしたメロディーにリズムはラテンでなんだかノリが悪い、私がリズム感悪いからか?)、珠城りょうさんとちゃぴの息のあったデュエットダンス、シンプルに徹した黒燕尾服(スパンコールも何もない)で作り上げたシーンは非常に心に残りました。
シンプル黒燕尾服の珠城りょうさんが大階段に一人佇む、しかも美しい白い羽に囲まれて・・・から男役アンサンブルに映るあたりは、原点と今が融合したようで「これが宝塚」という何かを見せてくれました。
曲もトラディショナルなのにね、あのアレンジ、振り付け(kazumi boyさん)なかなか良かったです。
私が新生月組に抱いた印象は、組み全体で作品を作り上げている中心にトップさんがいるよ・・・的に見えました。
決して存在感が薄いとかそういう意味ではないんですが、うまく書けませぬ。
ごめんなさい。
でもお披露目公演というと力みすぎを感じたりもしますが、そういうものがなくおおらかな空気のある舞台だったことはわかりました。
ある意味、そこが新鮮でした。