桃兎の部屋 -4ページ目

■しろかね句会[八月] ほつそりとしてをり茄子に映るもの  静魚

 眼が澄んでしまふかなかな鳴きつづけ
 薔薇園は室内楽のやうにあり
 気まぐれなランチタイムや金魚玉
 年を経て花火の町に住みにけり
 鳥一羽葡萄の国へ行く途中
                静魚




処暑が過ぎてもなお暑い昨日、八月のしろかね句会がありました。 画像だけでも、せめて秋を感じさせるイメージで♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-露地行灯





参加は静魚先生、木綿太さん、岳人さん、分水嶺さん、地平線さん、陶青子さん、貴名子さん、祐子さん、留以さん、初めていらしてくださった「毬」の重鎮小笠原杜陵さん、選句のみ参加の咲木さん、そして桃兎、という十二名。 にぎやかな会になりました♪


とりこさんからの投句を含め、当季雑詠全八十四句の中から、今回も先生の特選、選、参加者それぞれの特選をご紹介いたします。 (清書順。俳句賞参加予定の方の句は伏せました。)



[河内静魚 特選]
 一片の翅を掃きをり秋はじめ         木綿太
 散りばめしガラスの記憶天の川        桃兎
◎夕月やいつものバーに足が向く        木綿太
 薄皮に透ける日の色マスカット        木綿太
 夏簾今なら気付けることも有り        とりこ


[河内静魚 選]※全十一句のうち十句(他に岳人さん)
 かき氷夢の崩るる音のせり          陶青子
 秋暑し刃物屋で買う肉叩き          留以
 ベランダの手摺に潜む秋の声         分水嶺
 手花火の言葉を探すうちに落つ        桃兎
 サイの檻カバのとなりや秋の風        留以
 紅き蓮天使は羽を隠しけり          留以
 秋風に吹かれて遠く太鼓の音         地平線
 見上ぐればツクツクボーシの中に居り     とりこ
 人も無く音もなかりし残暑かな        分水嶺
 ダリア手に目立つつもりは無いけれど     とりこ



[地平線 特選]
 川風に光る水面や銀やんま          貴名子


[分水嶺 特選]
 灼くる身を容る一塊の雲の影         杜陵


[木綿太 特選]
 秋暑し刃物屋で買う肉叩き          留以


[留以 特選]
 岳人句


[貴名子・祐子 特選]
 静謐の二字月光に吸はれけり         杜陵


[咲木 特選]
 秋風に吹かれて遠く太鼓の音         地平線


[岳人・桃兎 特選]
 ほつそりとしてをり茄子に映るもの      静魚


[杜陵 特選]
 ダリア手に目立つつもりはないけれど     とりこ




今までは皆様にご紹介できなかった木綿太さんの句。 今回から解禁になりました♪ 途端、先生の特選三句、という快挙! 流石です。 難しい言葉を使わず、典型的な季語と余韻のある句がいい、と日頃おっしゃっている先生が、特選の中でも一番、とおっしゃったのが「夕月や…」。 ご紹介できるようになって、よかった♪


とりこさん、いらっしゃらなかったのが残念! 先生の特選一、選二、杜稜さんの特選、他にも選に入っていて、七句中五句が選ばれています。 次回はぜひ出席なさってくださいね♪  




裏句会は、お買い物部隊調達品の他、枝豆、茹でとうもろこし、穴子ちらし♪ 岳人さんがお持ちくださった新潟の隠れた名酒「鶴の友」、野薔薇さんからいただいたカリフォルニアワイン「J.LOHR」と共にいただきました♪






来月も楽しみです♪




■KIMA句会[八月] 京の昼二つに分けし簾かな  静魚

 白桃を描くため筆を殺したり
 涼しさの際立つ白を着て会ひし
 別のバラ別の憧れ湧きたたす
 秋風の声手鏡に落ちてきし  
                静魚




八月のKIMA句会がありました。 お盆中ということで参加人数が心配でしたが、暑さの中11名がいらしてくださいました。 


八月の兼題は「桃(白桃、桃の実、水蜜桃)」「秋風(秋の風,素風、金風)」「夏惜しむ(夏の果、夏の名残、夏過ぐ)」。 お嬢様と旅行中の毬さん、ご家族で避暑の魚童さん、夏の句が沢山できたのでKIMA句会にも、と岳人さんからの投句を含め、参加12名分と合わせて全百二十句の中から、先生の選、特選と、参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします。(俳句賞応募予定の方の句は伏せます。)




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-桃





[河内静魚 特選]※全五句。内一句人魚さん。
 花札の鹿ふりむけり夜の秋         夜空
 不機嫌なカルメンのごと夏惜しむ      真魚子
 白桃を啜りて想ふ古きこと         魚童
 白桃の剥けるがごとく目の覚める      真魚子
 


[河内静魚 選]※全十八句。内一句岳人さん。
 白桃の秘密だらけの重さかな        留以
 キース・ジャレット聴ゐてゐる晩夏かな   桃兎
 白桃や若き父にはえくぼあり        留以
 ダリの絵とおぼしき雲や夏の果       桃兎
 やはらかき時間愛しき桃をむく       毬
 声かけは先ず朝顔に始まれり        夜空
 触れないで桃の声して手のとまる      毬
 八十の母と渡りし夏の川          留以
 夏の果て印度更紗の紅鬱金         真魚子  
 悪しきこと拭ふあまさや水蜜桃       彩河
 秋風や先ほどのことふと忘れ        毬
 白桃の甘く朽ちゆく真昼かな        結女
 バス停の影深くして夏の果         陶青子
 秋風ややつぱり酸つぱいものが好き     真魚子
 触れるにはあやふき桃の世界かな      夜空
 鉄色の鯉の群浮く夏の果          留以
 目瞑れば見えてきしもの秋の風       桃兎

 

[人魚 特選]
 涼しさの際立つ白を着て会ひし       静魚


[太平洋 特選]
 唇のほの塩辛く残暑かな          毬


[静夜 特選]
 つくぼうし義眼となりて果てにけり     結女


[友子 特選]
 白桃の踏みとどまれば美しき        結女


[結女 特選]
 ひさしぶりなにたべようか秋の風      留以


[夜空 特選]
 やはらかき時間愛しき桃をむく       毬


[留以 特選]
 岳人句


[桃兎 特選]
 砂の穴砂に埋められ秋の風         留以


[彩河 特選]
 バス停の影深くして夏の果         陶青子


[陶青子 特選]
 白桃の剥けるがごとく目の覚める      真魚子


[真魚子 特選]
 鉄色の鯉の群浮く夏の果          留以




今回は真魚子さんが先生の特選二句、選二句、陶青子さんの特選、と素晴らしい成績! 裏句会でお話をしているうち、なんと先生の大学の後輩、ということがわかり、さらに盛り上がって♪ 真魚子さんパワー全開でした♪ 


夜空さんも、先生の特選一、選二、と好調♪ 旅行やお友達との様々な楽しみ、日々の暮らしの中から、さりげなくシーンを切り取って、成熟した大人の句をいつも詠まれていて、憧れます。 当日は河口湖から駆けつけてくださり、翌日は軽井沢、と大忙しの夜空さん。 また名句が生まれるのでしょうか♪


山中湖で避暑中の魚童さん、先生の特選のほか、皆様の選、合わせて六句が選ばれて♪ この席にいらしたらさぞかし喜ばれたことでしょう。 欠席投句だったのが、残念!


同じく六句を選ばれた留以さん。 先生の選四句の他、皆様の特選にも三句登場。 独特の視線で留以さんの世界が詠まれていて素敵です♪ 「砂の穴…」のような句を、私も詠んでみたい、と思いました。


今回から万見友子(まみ ゆうこ)さんが加わってくださいました。 正しい言葉遣いできっぱりとした美しい字を書かれる友子さん、よろしくお願いいたします♪





今回の裏句会は、夜空さんがお持ちくださった枝豆、とうもろこしに始まって、鯛とオクラと茗荷のわさび和え、牛肉のたたき桃兎風、お揚げと千切り野菜のサラダ、ゴーヤとお豆腐の炒め物、兼題の桃は、桃のクリームチーズケーキで、とにぎやかなテーブルになりました♪


友子さんがご挨拶代わりに、とくださったのが「特吟 十四代」。 余計なものが少しもない、上品な美味しさに、皆様ご満悦でした♪





来月の兼題です。「露草(螢草、月草、青花、うつし花)」「胡桃(姫胡桃,鬼胡桃、沢胡桃、河胡桃、山胡桃)」「きのこめし(茸飯、松茸飯)」。 いよいよ秋を迎える、その頃、皆様の句を楽しみに♪




 暫く聴けり猫が転ばす胡桃の音    石田波郷









■五山送火

お菓子をいただきました♪ 「五山送火」という、今だけの限定品。 以前ご紹介したことのある京都の「あずき処 宝泉堂」の小豆菓子です。 意匠は大和絵の林美木子さん。 まるでそこに大文字の炎が閉じ込められているよう。




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-五山送火:箱





中には五山の送り火それぞれを写した包みが納まっていました。




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-五山送火:個別





包みを開くと、金箔が嫌みのない程よさで散らされた、薄い砂糖衣のお菓子。 中身はさすが宝泉堂、おだやかな甘みのこし餡が詰まっています♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-五山送火:UP





くださったのは、小唄の先生でもある句友夜空さんのお友達、いづみさん。 絵画の修復の専門家であり、展覧会のディレクションもなさるいづみさんは、美意識の高い、素敵な女性。 林美木子さんの美しい世界を私に教えてくださった方でもあります。 頂き物のお福分け、と届けてくださいました♪ いづみさん、有難うございます♪






明日は五山の送り火、京都に思いを馳せて…









■茶杓を削る

[日本のもの、こと]サロンでは、和の講座として様々な教室を開いています。 その中に「茶杓を削る」教室があります。 初めて茶杓を削ったときのことは、以前このブログでもご紹介しました。
(http://ameblo.jp/emichacha-ameblo/entry-10630323626.html


それがとても楽しかったので、サロンでも六月から月1回の教室を始めました♪ 講師は井上雅弘さん。 井上さんは定年後も医薬品メーカーの顧問としてご活躍ですが、実は大日本茶道学会の正教授でもあります。 茶席で第一とされるお軸に興味を持たれたことから、やがて表具そのものもご自分でなさるようになったという趣味人♪ 同じ流れで茶杓にものめり込み、いい竹を求めて日本中歩かれたそうです。


苦労なさって集めた、しぼ竹、煤竹、黒竹、金明竹など、それらの竹を惜し気なく参加者に配られ、丁寧に教えてくださいます。


前回は先生がご用意くださった、すでに櫂先の矯めてある竹を削りましたが、第二回目は矯めるところから指導してくださいました。 三~四日前から水に漬けておいた竹を、前日引き上げ、湿った布巾で包んでおきます。 竹の、曲げたい、と思うところを火にかざし、ゆっくりと矯めていくのですが、これがなかなか大変。 焦れば折れてしまうし、いいカーブになるまで無理せず矯めるのは、根気のいることです。 あとは小刀一本で削り、ヤスリで整え…。


そして桃兎五本目の茶杓がこちら。 銘は「木下闇(こしたやみ)」としました♪ 前回削ったのが繊細さを求めた細い茶杓(下の画像の、右二本)だったので、今回はもともとの竹の表情を生かして荒削りな、黒織部にでも合いそうな?ものにしてみました♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-茶杓:木下闇





手前から、一作目「うぶ」、二作目「片口」(利休の「両口」を手本にしたので♪)、三作目…未定、四作目「ゆふづつ」(夕星。節下に小さな星があります♪)。 銘を考えるのも、楽しい♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-茶杓:四作目まで





皆様それぞれに個性のある茶杓を削り、ひとときを楽しんでくださいます♪ 早い方は四本も削られたり、何本かを同時進行で進められたり、といろいろ♪


ただ、竹と向き合う。 他のことはなにも考えず、ひたすら削る。 茶事であれば、お迎えするお客様を思い、もてなしの心をこめて削る。 あるいは、手製のひとつの道具として使うことを楽しみに、削る。





茶杓を削る…、いい時間です♪






「茶杓を削る」第三回
 8月26日日曜日10:00~15:00
 会費 ¥5,000(材料,昼食代含む)
 白金台[日本のもの、こと]サロンにて
 
 ご興味のある方は下記まで、お問い合わせください♪
 info@japanesestyle.jp




■二十五絃箏と薩摩琵琶の会

私どものサロンで荒井美帆さん、荒井靖水さんご夫妻による「二十五絃箏と薩摩琵琶の会」がありました。 暑い日でしたが、15名のお客様がお集りくださって、ひととき暑さを忘れ、伝統楽器の調べに耳を傾けてくださいました。


荒井美帆さんは生田流地唄箏曲師範、ご主人の薩摩琵琶錦心流中谷派襄水会の荒井靖水さんと共に二十五絃のお箏と薩摩琵琶の演奏を中心に活動されています。


感動したのはまず、楽器の形の美しさ♪ 間近に見る琵琶の微妙な曲線、木目の美しさ、月の形の窓の細工、二十五弦箏のダイナミックでありながら繊細なディテール、どれもに目を奪われます。




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-二十五絃箏と薩摩琵琶





$日本のもの、こと  桃兎の部屋-薩摩琵琶





薩摩琵琶の「祇園精舎の鐘の音諸行無常の響きあり…」に始まり、二十五弦箏とのオリジナルの合奏曲「春宵」、十三絃箏で「六段の調」など、楽器の解説やお話をはさみながらの演奏は素晴らしく、最後の「忘れ水」まで、お客様に腹式呼吸のお話をなさって、何が始まるのかしら、と思ったら、お箏を伴奏に全員で「夏の思い出」を歌う、という楽しい趣向も織り交ぜて、一時間半ほどが、あっという間に過ぎてしまいました♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-薩摩琵琶演奏





$日本のもの、こと  桃兎の部屋-二十五絃箏と薩摩琵琶演奏





演奏会のあとは、お二人を囲んで皆さんが交流してくださる、とっておきの時間♪ 冷したスパークリングワインや、お酒の先生東條晃一さんお薦めの日本酒「一会」をお出しして、にぎやかに楽しく過ごしていただきました♪





荒井美帆さんとは facebook を通じて知り合い、このような会を催す機会をいただきました。 伝統の和楽器の調べを多くの方の聴いていただきたい、と様々な場所、形での演奏活動に真摯に取り組んでいらっしゃるご夫妻は、とても素敵♪


美帆さん、靖水さん、そしていらしてくださった皆様、有難うございました♪






荒井美帆 (Arai Miho)氏 プロフィール
幼少よりピアノをはじめ、七歳より箏・二十五絃箏・三絃を佐藤里美氏に師事
生田流地唄箏曲師範、 師範名福田操明櫻(ふくだそうめいおう)
NHK邦楽技能者育成会第42期にて音楽理論を含め広く研鑽を積み、同時期、立教大学文学部日本文学科を卒業
第二回琴によるポップスコンクール優秀賞受賞、第四回同コンクール家庭音楽会賞受賞


荒井靖水 (Arai Seisui)氏 プロフィール
六歳より祖父中谷襄水、母荒井姿水に薩摩琵琶の手ほどきを受ける
高校よりフルートを始め洗足学園音楽大学管楽器科卒業、NHK邦楽技能者育成会第42期
1995年日本琵琶楽コンクール秀位入賞


詳しくは下記をご覧ください♪
http://biwa-koto.com/






■しろかね句会[七月] 古扇あふぐ何でもないところ  静魚

 わがままが魅力をんなと熱帯魚

                静魚




七月のしろかね句会がありました。 参加は静魚先生、木綿太さん、分水嶺さん、地平線さん、陶青子さん、留以さん、そして桃兎という七名。 夏休みの七月、八月はどうしても欠席が多くなり、少し寂しい句会でしたが、しろかね句会久しぶりの留以さんが華やぎを添えてくださいました。 


岳人さん、とりこさん、貴名子さん、祐子さんからの投句を含め、当季雑詠全七十三句の中から、今回も先生の特選、選、参加者それぞれの特選をご紹介いたします。 俳句賞参加予定の方の句は伏せました。(清書順)



[河内静魚 特選]※全五句のうち四句(他に岳人さん)
 夕闇とともににぎはふ川床の風        貴名子
 斜(はす)向きて鏡の中の我鬼忌かな     分水嶺
 迷ひ込む蝶の曲線夏書(げがき)かな     留以
 案外に恋かもしれぬ夏の風邪         桃兎


[河内静魚 選]※全十一句のうち十句(他に木綿太さん)
 冷し酒瀬戸より萩へ注ぎけり         陶青子
 どこまでもあかるき夏の寂しかり       桃兎
 答えなど出てきやしない夏木立        とりこ
 故郷の空につながり遠花火          分水嶺
 白シャツや夏の風着て急ぎ足         陶青子
 ゆるやかな斜面いちめん草の花        地平線
 夕立や土の香りの迫り来る          分水嶺
 大粒の雨にうたれし金魚売り         留以
 磯薫る路地より見上ぐ雲の峰         陶青子
 白玉と同じえくぼを持つ君や         貴名子



[陶青子 特選]
 玉虫や皇女の墓に生まれたる         留以


[桃兎 特選]
 岳人句


[留以 特選]
 岳人句


[地平線 特選]
 夕立や土の香りの迫り来る          分水嶺


[分水嶺 特選]
 いのちいま飛魚の翅翻へる          陶青子


[木綿太 特選]
 脚ほそきグラスの中の日の盛り        桃兎



今月の主役は陶青子さん、先生の選三と分水嶺さんの特選を手中に♪ 裏句会のあとの席題でもいい句を連発、先月の報告で予告?したとおり、たぶん陶青子さん、すっかりのめりこんでいらしゃるのでは、という感じです♪ 先生,今日何度も「陶青子,才能あるよ!」とおっしゃていました♪ 


留以さんの「迷ひ込む…」は私も選ばせていただきました。 いい句ですね♪ 「夏書」とは、仏家における夏の籠り修業の「夏安吾(げあんご)」の期間中、俗家では写経して寺院に納めることをいう季語です。 「夏書」も「夏安吾」も使ってみたい季語でしたが、自分の言葉にはならなかったので、留以さんにはその背景があるということなんだな~、とうらやましく思いました♪ 


裏句会、いつもの買い出しに加え、今回は麦豚の冷しゃぶを用意しました。 胡瓜、大葉、茗荷の千切りに少しだけオリーブオイルをまわし掛けておくのが桃兎流。 水っぽくならず、ポン酢ともよく合います♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-麦豚の冷しゃぶ





裏句会では吟行の話になり、留以さんが福井県の三国出身ということから、来年はぜひ三国へ吟行しよう、と先生から熱いリクエスト。 一泊目は三国として、さて二泊目は、永平寺のあたりか、伝統工芸の町越前、足を延ばして金沢、とにぎやかに盛り上がりました。 私は泊まりがけの吟行はKIMA句会の軽井沢・万座しか知りませんが、それは楽しいものでした。 三国行き、その次のプラン?結女さんの出身地松山行き、どちらも実現するといいですね♪




そんな計画を練りながら、来月もまた楽しみにしたい句会でした♪





■お盆のしつらえ

今月のしつらえ教室、テーマは「お盆」。 旧盆に向けて、ご先祖様をお迎えするためのしつらえを町田等先生に教えていただきました♪


天候不順で青果の少ない中、町田先生が鎌倉まで盛り物の野菜・果物を探しに行ってくださいました。 ご苦労いただいたおかげで売り物とはひと味違う盛り物が♪ 先生、お団子も作ってきてくださいました。 可愛らしいお団子の山の天辺は赤いお団子♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-お盆のしつらえ





お盆についてのお話や盛り物の意味などを伺い、早速実技?に移ります。 材料は同じでも個性が光る、受講生の皆様それぞれのしつらえをご覧ください。




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-お盆のしつらえ



$日本のもの、こと  桃兎の部屋-お盆のしつらえ



$日本のもの、こと  桃兎の部屋-お盆のしつらえ



$日本のもの、こと  桃兎の部屋-お盆のしつらえ



$日本のもの、こと  桃兎の部屋-お盆のしつらえ





お盆には、故人の愛用した品や季節の果物、花をしつらえ、先祖を偲ぶ、と教えていただきました。 私は祖母の半幅帯と母の数珠を添えて…。 




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-お盆のしつらえ







仏壇はなくとも、こうしてご先祖様を迎える気持を表すことはできるのですね♪
町田先生、有難うございます♪





■KIMA句会[七月] 灯台は昼も明るし夏岬  静魚

 青岬ひかりの変る午後の風
 夕焼は毀れたトランペットかな
 日覆ひの赤は女を高貴にす
 ぶつかつて壊るる音や油蝉
 涼しげに二つの岬並びあふ  
                静魚




昨日、七月のKIMA句会がありました。 連休にもかかわらず11名が参加、いつものように和やかな、笑いに包まれた楽しい会です。 


七月の兼題は「夏岬、青岬」「日覆、日除」「蝉」。 欠席の人魚さん、太平洋さんからの投句を含め、参加11名分と合わせて全百十二句の中から、先生の選、特選と、参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします。(俳句賞応募予定の方の句は伏せます。)




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-蝉





[河内静魚 特選]※全六句。内二句人魚さん。
 道なりに海なりに夏岬まで         結女
 高気圧をやあと迎へる夏岬         彩河
 青岬太き腕(かいな)に抱かれし      彩河
 カンツォーネ水面をはじく夏の夕      毬
 


[河内静魚 選]※全二十四句。内一句人魚さん。
 ハンカチの四隅ぴつたり合ひにけり     静夜
 夕立の尻尾は煙る忍野村          太平洋
 日覆や独りの似合ふ女のをり        彩河
 拾ひたる土の匂ひの蝉ひとつ        酔雲
 店番のいちにちながき日除かな       酔雲
 夏料理きしむ廊下は黒光り         夜空
 茴香(ういきょう)や刻む音色も健やかに  彩河
 夏岬白き浜辺を挟みたり          静夜
 日覆の藍の褪せたる骨董屋         桃兎
 少女ゐてトリコロールの日除かな      桃兎  
 絵の中の家族団欒蝉の声          留以
 記憶する耳の形や夏岬           留以
 ひとつまみ塩ふるものや夏安吾       留以
 日覆やオンザロックはダブルにて      太平洋
 うすものの岬の風に吹かれゐる       酔雲
 白波のぶつかる処夏岬           静夜
 漁り火の向ふは黒き夏岬          魚童
 晩学の遅きを蝉は笑ひけり         夜空
 夏岬ボンベイジンとハムサンド       留以
 蝉の眼の死して黒曜石となり        桃兎
 夏の旅目から足からルネサンス       毬
 夏岬はるかに白き天主堂          陶青子
 風紋の変化(へんげ)涼しき森の湖     陶青子

 

[魚童 特選]
 木屋町に鱧の骨切り音のよき        夜空


[彩河 特選]
 青岬ひかりの変る午後の風         静魚


[酔雲 特選]
 道なりに海なりに夏岬まで         結女


[桃兎 特選]
 青岬帰り道から旅人に           結女


[陶青子 特選]
 人魚句


[静夜 特選]
 引き出しの片づかぬ子や油蝉        結女


[留以 特選]
 日覆やオンザロックはダブルにて      太平洋


[結女 特選]
 人の世のいのちの電話蝉時雨        よこ糸


[毬 特選]
 晩学の遅きを蝉は笑ひけり         夜空


[よこ糸 特選]
 蝉の眼の死して黒曜石となり        桃兎


[夜空 特選]
 日焼の手ふつて岬を離れけり        酔雲

 


今日のヒロインは彩河さん♪ 先生の特選二、選二を獲得、ほかにも選に入った句が三句、と八句中七句が選ばれるという、つまりは絶好調♪ 特に特選の「高気圧…」の句は、先生が、素晴らしい、と大絶賛。 お忙しい中調整してくださっての参加も、こういう結果が出るとうれしくていらっしゃるでしょうね♪ 


お嬢様と二人のイタリア旅行から帰られたばかりの毬さんも、好成績♪ 「句がまったくダメで、句会に向かう足が重い」という前日のメールが、嘘のようです。 どの句もイタリアの素晴らしさを彷彿とさせ、旅の句をこのように詠めたら想い出が褪めることなく、その風景や音や煌めきをいつでも取り出せるだろう、と思いました♪


旅の句といえば夜空さんですが、今回は京都。 魚童さんが特選に選ばれた木屋町の鱧の句の他にも、奥嵯峨の鮎や、名のある料亭を思い起こさせる夏料理、などが登場して、皆さんを羨ましがらせることしきり、でした♪ 





昨日は15日ということで、しろかね倶楽部サロン会が裏句会と重なりました。 夕方から三々五々お集りくださり、20名以上の方が参加してくださいました。 西五反田内藤商店の東條さんの夏酒レクチャーもはさみ、賑やかで楽しいひとときを過すことができました。


ラタトゥユ、コンキリエマカロニのシーフードサラダ、冷たいライスサラダ、夏酒用の〆鯖を用意、オードブル仕立のヒレカツや唐揚げなどの揚げ物は熱々をケータリングで♪ ほかに赤坂「かさね」のご主人からの差し入れの蒸し鮑や枝豆、とテーブルはいっぱいになりました♪





さて、来月の兼題です。「桃(白桃、桃の実、水蜜桃)」「秋風(秋の風,素風、金風)」「夏惜しむ(夏の果、夏の名残、夏過ぐ)」。 夏と秋の間のような微妙な時季になるのですね♪ どのような句に出会えるでしょう。 楽しみです♪




 けふの日も終りの色や冷やし桃    角川春樹










KIMA句会、しろかね句会 問い合せ先
日本のもの、こと
03-5474-1755
info@japanesestyle.jp

■七夕

今日は七夕♪ 残念ながら今宵天の川を見る事は叶わないようです。 先日のしつらえ教室、今日の本番はその名残となってしまいますが、テーブルの上に梶の葉を浮かべた白磁皿を置いてみました。




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-梶の葉




水に浮かべているだけですが、よく保ってくれています♪ 白磁皿は藤塚光男さんの手によるもので、うっかり割ってしまったものを松田祥幹さんに繕っていただきました。


教室の時は盛り物として使ったお素麺を、今日はいただきます。 「古来中国では、索餅(さくべい)を供えて瘧(おこり=マラリア)除けとする伝承もあり、時代を経て菓子から素麺になったようです。」と町田先生のレジュメにありました。 「索餅とは中国から奈良時代頃に仏教伝来とともに日本に伝わった唐菓子の一つで素麺の祖となったとも言われている食品のこと。縄状の形状より麦縄(むぎなわ)とも呼ぶ。 」と、これはWikipediaより。


ということで、町田先生が調達してくださった播州の「華色そうめん」を茹でました。 このお素麺、人工着色料は使わず、梅や、わかめ、卵などでやさしい色に仕立ててあります。 器は茶道具の縁高を使い、氷を浮かべました♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-七夕素麺







いい方向に舵(梶)を取ることができますよう、病を除けられますよう、祈りつつ、ひととき、雨雲の向うにひろがる夜空に想いを馳せてみましょうか。










■「七夕のしつらえ」教室と「香で語る源氏物語」講座

七夕のしつらえ教室がありました。 講師は町田先生、楽しい教室になるよういつも心を配ってくださいます。 七夕にちなむしつらえはいろいろあって、手づくりするものも沢山あります。 皆様童心にかえって、にぎやかな教室となりました。


まずはこちら♪ 五色の紙の束を丸めて麻で結わくだけで、こんなに清しい佇まい♪



 
$日本のもの、こと  桃兎の部屋-五色紙





五色の短冊に見立てて、笹を組み合わせ、学芸の上達を祈ります。




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-七夕:笹と五色紙





すくい網も懐かしい七夕飾りのひとつ。 町田先生はひと工夫した、優雅な動きのすくい網を教えてくださいました。 町田先生が育てた梶の葉を添えて♪(N・I様作品)




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-七夕:すくい網と梶の葉





七夕人形も作りました。 木のボディに五色の紙を重ねた衣を着せますが、牽牛と織女は少しだけ袖の形が異なります。 切らずにそのままの元結が動きを感じさせて素敵。 こちらには厄除けの素麺を合わせました。(N・I様作品)




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-七夕:七夕人形と素麺





この日はしつらえの教室の後に、銀座香十社長であり「香の伝道師」と呼ばれる稲坂良弘氏を講師にお招きした[香で読む源氏物語]の講座もありました。 源氏物語五十四帖は、平安王朝の雅で高度な香の文化を背景にした「香」で綴られた物語、という氏の、流れるような語り口に引き込まれたあっという間の二時間半でした。




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-香と源氏物語





お話の間サロンを包んだ香は、この紫色の香炉から緩やかに流れでたものでした。 この香炉、出席の皆樣方に好評だったのですが、デモンストレーション用、とのこと。 残念♪





またこういう機会を持つことができたら、としみじみ思った六月最後の一日でした。