桃兎の部屋 -5ページ目

■しろかね句会[六月] 封筒に文を戻してより涼し  静魚

 おくびにも出さぬ思ひや白扇
 日傘して一足先きに帰りけり
 颱風のあとに女のメール来る

                静魚




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-山あじさい





六月のしろかね句会のご報告です♪ 参加は静魚先生、木綿太さん、岳人さん、貴名子さん、分水嶺さん、とりこさん、地平線さん、陶青子さん、咲木さん、そして桃兎という十名。 また、参加二回目の祐子さんが選句・鑑賞のみですが、いらしてくださいました♪


当季雑詠全六十三句の中から、今回も先生の特選、選、参加者それぞれの特選をご紹介いたします。 俳句賞参加予定の方の句は伏せていますが、今回は岳人さんから許可をいただいた一句をご紹介いたします。(清書順)



[河内静魚 特選]※全五句のうち四句(他に木綿太さん)
 更衣肩の広さを気にしをり          分水嶺
 恋文の結びの五文字走り梅雨         桃兎
 潮風にうすき色なす豆の花          地平線
 夏服とともに心のかるくなり         貴名子


[河内静魚 選]※全十一句のうち八句(他に、木綿太さん、岳人さん二句)
 組むときは右足が上ソーダ水         桃兎
 つゆ空に竹のみどりのやはらかく       地平線
 ハンカチをぴんと干す手の白さかな      貴名子
 五月雨や心の中に傘させり          分水嶺
 はかどらぬ理由はひとつ心太         桃兎
 夫からの初めての花ジャスミンは       桃兎
 湯元から紫陽花通りつづれ織         貴名子
 疑ふといふことを知る花藻かな        岳人



[地平線 特選]
 町並みの角曲がり来し夏の蝶         貴名子


[貴名子 特選]
 おくびにも出さぬ思ひや白扇         静魚


[分水嶺・桃兎 特選]
 木綿太句


[木綿太 特選]
 ハンカチをぴんと干す手の白さかな      貴名子


[咲木 特選]
 五月雨や心の中に傘させり          分水嶺


[とりこ・祐子・陶青子 特選]
 輪郭を失つてをり梅雨の街          桃兎


[岳人 特選]
 木綿太句


貴名子さん、今月も絶好調♪ 先生が途中で「貴名子さんの句を選んでいるのは全員男性だね。」とおっしゃるので、見ていると本当、貴名子さんは七句中五句が選ばれていますがすべて男性の選! 貴名子さんが描く女性らしいやさしい世界に惹かれるのでしょう♪ 夏服の句の「何でもないのにとても夏服らしい」と先生がおっしゃるような、貴名子さんのさりげなさがいいですね。


分水嶺さんの特選句♪ 更衣をデリケートな心で詠んでいるがいい、と先生。 大人の句、なんですね♪ 


たまたまここには載っていませんが、陶青子さんは参加三回目にして七句中六句が皆さんの選になるという快挙。 「ぶっきら棒突き出したるや心太」という句は五人の方が選んでいらっしゃいました。 俳句にのめり込みそうな予感♪


先生が、「いろいろな人の句に出会って、それがいいとかわるいとかではなく、そこからいいものを取り込もうとする気持を持つことが大切。」とおっしゃっていました。 同じ季語でもこれだけ見方感じ方受け止め方が違い、表現する世界が違う、ということを知るだけでも楽しいし、いい句に出会えるとうれしい、と思える句会のあり方。 そういうことも教えていただいているような気がします♪




しろかね句会の裏句会は、買い出し部隊が階下のスーパーマーケットでいろいろ調達してくださるので、私はほんの添え物程度を準備します。 今回はエシャロットのポン酢漬け、新生姜の甘酢漬、トマトのうす甘、〆は新生姜入りお揚げの炊き込みご飯にしました♪





来月をまた、楽しみにしたいと思います♪








■KIMA句会[六月] 香水の壜に水平線のあり  静魚

 香水や好きなことだけしてゐたり
 藻の花に真昼のひかり高きより
 南風や小指の遊ぶフォークの手
 ゆるやかに汗ひいてゆく美貌かな
 藻の花の水に刺さつてゐたりけり
  
 
                静魚




蒸し暑さがひときわの週末、六月のKIMA句会がありました。 先月は欠席の多い、少し寂しい会をゲストが盛り上げてくださいましたが、今月はいつものメンバーが顔を揃え、さらに中央句会の酔雲さん、二回目の隆良さんが加わって賑やかな会になりました。 


六月の兼題は「汗」「香水」「藻の花(花藻)」。 今月来月とご用で欠席の人魚さんからの投句を含め、参加13名分と合わせて全百十三句の中から、先生の選、特選と、参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします。(俳句賞応募予定の方の句は伏せます。)




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-香水 COCO縦





[河内静魚 特選]※全七句。内一句人魚さん。
 香水の馴染まぬままに疲れをり       毬
 藻の花や山椒魚の棲むといふ        よこ糸
 金色の漕ぎ出しさうな花藻かな       真魚子
 香水瓶のうしろアズナブールのLP     桃兎
 汗かかぬ男とトマト食べにけり       留以
 香水や隣の会話こぼれくる         留以
 


[河内静魚 選]※全十九句。内三句人魚さん。
 若き日のかうすいの香とすれ違ふ      桃兎
 香水壷あければ母とゐる時間        結女
 藻の花や心のうちを見せずをり       桃兎
 夕暮れてオフィリアのごと花藻すくふ    真魚子
 あそこにも藻の花のぞくひとひとり     酔雲
 香水や嘘を匿ひ四千年           太平洋
 藻の花のゆだねてつよし細き茎       桃兎
 夏柳四国宇和島木屋旅館          夜空
 ビー玉の沈み花藻は浮いてをり       留以
 宙吊りの忠信汗をとび散らし        よこ糸
 うつすらの寝ざめの汗に瀬戸の風      魚童
 あめつちのあはいにほのと合歓の花     酔雲
 藻の花や歩幅の小さき人になり       夜空
 香水の含み笑ひに騙されり         毬
 うずまける拇印の朱色梅雨長き       結女
 夜間飛行ふりて柩を蓋ひけり        夜空
 


[結女 特選]
 人魚 句


[よこ糸 特選]
 若き日のかうすいの香とすれ違ふ      桃兎


[静夜・桃兎 特選]
 香水の壜に水平線のあり          静魚


[真魚子 特選]
 人の影狼の影花藻浮く           留以


[陶青子 特選]
 メレンゲの上手に立ちし夏の雲       留以


[酔雲 特選]
 金色の漕ぎ出しさうな花藻かな       真魚子


[留以 特選]
 汗にほふ不惑の手には村上春樹       真魚子


[夜空 特選]
 あめつちのあはいにほのと合歓の花     酔雲


[太平洋 特選]
 乱取りも終へて正座の臍へ汗        酔雲


[魚童 特選]
 デコルテといふ山脈の汗じめり       結女


[毬 特選]
 九段下夏色ころがるガラス展        太平洋
 


今日が参加二回目の隆良さん、先生から受けた俳号が「陶青子(とうせいし)」。 いい俳号♪ 陶青子さんは陶芸もなさるし、facebookに載せる写真も素晴らしく美しくお上手です。 この俳号、ぴったりだと思いました♪


先月欠席でしたが留以さん、さすが♪ 先生の特選二、真魚子さん、陶青子さんの特選も手中に。 そのうえ兼題の「藻の花」は静魚先生がイメージする留以さんの花なので、句会の間中先生から引合いに出され?注目の的となりました♪


真魚子さんも絶好調で、酔雲さんを唸らせることしきり♪ 真魚子さんの花は「薔薇」。 華やかさと知性が同居する真魚子さんの感性に、先生も脱帽の様子でした。





裏句会は今回、精進料理のようになってしまいました。 夏野菜たっぷりの揚げ浸し、白いポテトサラダバケット添え、さつま揚げ、冷奴、蕪の浅漬け、ポン酢らっきょう、と節操のなさはいつもながら♪ 食後には夜空さんからの差し入れのサクランボ、人魚さんからのミニどら焼き、あとは今凝っていて今朝蒸し上げた「水無月」。 こちらは静魚先生から「お茶の楠先生の方が上だね。」と…。 ハイハイ♪ (先生は美しい楠先生にメロメロなのです♪)


飲物は、この時季やはりビール! ギネスとハートランドのHalf & Halfは太平洋さんのお得意です♪ 日本酒派には八海山ですが、これは句会の最中から♪ 





さて七月の兼題は「夏岬・青岬」「日除・日覆」「蝉(油蝉、みんみん、熊蝉、にいにい蝉、蝉時雨、初蝉、朝蝉、夕蝉)」。 「夏岬・青岬」は手許の角川現代俳句歳時記には掲載がありません。 どこか、岬に出掛けてみなければ♪ 



 日覆のはためきつづけ午後の波    桂 信子










KIMA句会、しろかね句会 問い合せ先
日本のもの、こと
03-5474-1755
info@japanesestyle.jp

■らっきょう、漬けます♪

近くの八百屋さん、三好商店の店頭に土付きのらっきょうを見つけました♪ 「らっきょうは皮剥きが大変ね。」と云うと、「皮は下漬けしてから剥くといいですよ。」と奥さんが教えてくださったので、急に意欲がわいて、1キロ購入。 洗って、根を切って、株を分け、粗塩をまぶして一晩おき、皮を剥いて、形を整えて…。 それがこちら♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-らっきょう





本当に、一晩塩漬けにしただけで、皮が剥きやすくなりました。 三好さん、ありがとう♪ これから真竹塩という焼塩で塩漬けにして、そのあとはお醤油漬け? ポン酢漬け? どうしようかな♪







■しろかね句会[五月] 聞くほどに涼しき波のたたむ音  静魚

 なみなみと海を広げて夏の景
 濡れてゐる森の匂ひや夏はじめ
 雲流れをり空豆を食べてをり
 夏の蝶たもと広げて飛びたてり
 酒になし涼む力の水にあり
 土の道砂に変りぬ浜昼顔

                静魚




まさに「風薫る五月」という一日、しろかね句会がありました♪ 参加は静魚先生、木綿太さん、岳人さん、貴名子さん、分水嶺さん、地平線さん、KIMA句会に出席できなかった結女さんが応援に、そして桃兎という八名。 もうひとり今回は選句・鑑賞のみですが、咲木さん。 咲木さんは[日本のもの、こと]のスタッフで、俳句は未体験ながら、すでに先生から「咲木(さき)」という俳号を受けています♪


とりこさんからの投句を含め当季雑詠全五十八句の中から、今回も先生の特選、選、参加者それぞれの特選をご紹介いたします。(清書順、俳句賞参加予定の方の句はご紹介していません。)



[河内静魚 特選]※全五句のうち(他に岳人さん)
 はつ夏や雲の匂ひのおりて来し        桃兎
 この星の恵みのしづく新茶かな        桃兎
 若葉風旧き地名の消えゆけり         桃兎
 初夏の薄墨ようかんうすく切る        結女

[河内静魚 選]※全十句のうち(他に岳人さん二句、木綿太さん)
 この指にはめたし初夏の金環食        貴名子
 牡丹咲きいつも見る空一変す         貴名子
 あぢさいや静かな雨にひかりうく       地平線
 校長は歴代女花は葉に            結女
 そら豆の焼け具合良し友を呼ぶ        貴名子
 風薫る大人にだつてピュアな恋        桃兎
 どくだみの濃き葉の中に清き花        地平線



[結女・岳人・分水嶺・咲木 特選]
 はつ夏や雲の匂ひのおりて来し        桃兎


[地平線 特選]
 この星の恵みのしづく新茶かな        桃兎


[木綿太 特選]
 初夏の薄墨ようかんうすく切る        結女


[貴名子 特選]
  土の道砂に変りぬ浜昼顔          静魚


[桃兎 特選]
 木綿太句




…ということで不肖桃兎にお盆とお正月と誕生日の、残りの人生分全部が一度に訪れた、勿体ないような句会。 皆様、選んでくださって有難うございました♪ 厳しい現実に晒されている?日常からつかのま解放されて、こんなこともあるんだな~♪、とうれしい気持に満たされました。 お赤飯を炊きたくなりましたが、ここは用意の新茶めしで♪ 




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-新茶めし





変わらず好調なのが貴名子さん♪ 掲句を含め、七句中六句が選ばれています。 金環食の句もお褒めでしたが、そら豆の句は素材が面白い、と先生。 お豆好きの貴名子さんならではの句でしょうか。


地平線さんのどくだみの句は句会に向かう途中、目に入った景を詠んで、まだ未完成、とおっしゃっていましたが、「濃き葉の中に」がいい、と先生の評。 どれも写真家らしい視点で捉えた、美しい画像を見るような句で素敵です。 


今月は人数が少ないかな、と心配していたのを救ってくださったのが結女さん。 しろかね句会は2回目の参加です。 いつも、その視点、素材の選びかたがユニークで、大人の句を感じさせるのですが、今回選んだのが「薄墨ようかん」。 松山にそういう名前の羊羹があって、薄墨のような色あいが特徴なのだそうです。 それを知らなくても惹きつけるものがあり、また、韻を踏んで口に気持がいい句、と先生がおっしゃっていました♪ 




咲木さんと同じく、すでに「きらり(綺羅里?)」という俳号を受けている恵子さんも裏句会から参加。 鹿児島産のトウモロコシをいただき早速賞味、おいしくいただきました♪


他に鰹のサラダ風(水菜、ホワイトセロリ、パプリカをオリーブオイルとポン酢のドレッシングで和え、鰹のお刺身に載せたもの)、新茶めし(当たり鉢で細かくした新茶を炊き込みました)のおむすび、そして買い出し、持ち寄り(岳人さん差し入れのおいしい柚胡椒、結女さんの削り蒲鉾、ゆずっこなど)の様々、というにぎやかな食卓でした♪




来月がまた、楽しみです♪









■ふだんの器「二ツ椀」

遡りますがゴールデンウィーク後半の4日間、サロンで入札オークションを開きました。 陶磁器、漆器、装飾品からスタンドライトまで、約170点。 気に入ったものがあれば、スタート価格以上でそれに見合うと思う値段をつけ、入札します。 他の人が入札したか、どのような値段をつけたか、落札できたか、会期終了後の開札までわからないサイレントオークション。


様々な品物の中には、サロンのお客様からの出品もありました。 そのほとんどが、それを気に入った方の手に。 捨てる神あれば拾う神あり♪ こうして物が物として必要とする人の手に渡ることの楽しさを味わった4日間でした。


さて、自分の暮らし。 それと一緒にいることがうれしい、と思える「好きなもの」と暮らすことが私にとって大切なこと。 人から見れば他愛のないものでも、自分にとって大切なもの、好きなものって、あると思うのです。 日々の暮らしを共にしている「ふだんの器」を折々ご紹介します♪


最初は、黒消漆の二ツ椀。 ほんとうは四ツ椀でしたが、結局この二ツで充分ということになりました。 大きさは、大きい方が直径13cm、高さ7.5cm、小さい方が12.5cmの6.5cm。




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-二ツ椀





ちょうど20年前、家庭画報の別冊で発表した「ふだんに使う漆の器」のうちのひとつです。 以来、毎日のように朝の食卓に載り、時に晩ご飯にも登場、変哲のないごはんやおみおつけ、麺類をおいしくしてくれています。 このブログでも、何度か顔を見せています♪

http://ameblo.jp/emichacha-ameblo/day-20090107.html
http://ameblo.jp/emichacha-ameblo/day-20090130.html
http://ameblo.jp/emichacha-ameblo/day-20090601.html
http://ameblo.jp/emichacha-ameblo/day-20090805.html
http://ameblo.jp/emichacha-ameblo/day-20101020.html
http://ameblo.jp/emichacha-ameblo/day-20110713.html


もともとマットな黒消漆が好きで、そのように仕立てた器ですが、使っていくうちにいつのまにかツヤをもつようになりました。 でもそれだけ使って来た証拠、それはそれでいいかな、と♪


熱々の汁をはっても手に熱くなく、薄い縁の口あたりはあくまで唇にやさしくて。 それまでは瀬戸物を使っていたごはん茶碗も、この漆椀にしてからは手にしなくなりました。 白いごはんも、おかゆも、炊き込みごはんはもちろん、汁物、麺類まで、なにを入れてもよく映る、器の本分をわきまえた黒消漆の椀です♪










手前味噌ですが、この二ツ椀、[日本のもの、こと]で取り扱っています。
お問い合せは下記まで♪
info@japanesestyle.jp

■KIMA句会[五月] 初夏の鈴の口より鈴の音  静魚

 ふちどりのきれいな山や夏来る
 咲きたてのやうなハンカチ芝の上
 能面の同じ傾き夕立あと
 来し夏の先へ先へと気の回る 
 
                静魚




「初夏」という兼題にふさわしいさわやかな週末の午後、五月のKIMA句会がありました。 この度、月刊「俳句四季」が句会紹介に静魚先生の会を載せてくださることになったのですが、スケジュールの都合で中央句会ではなくKIMA句会としろかね句会が取材されることになりました。 あいにくKIMA句会はレギュラーの皆さんのうち何名かが旅行や仕事などで欠席、どうなることかと心配していたところ、中央句会から酔雲さん、俳句も句会も初めてながら興味を持って見学に来てくださった隆良さん、また取材にみえた東京四季出版「俳句四季」担当の祐子さんも参加してくださって、なんとか句会らしくなりました♪


四月の兼題は「葉桜」「筍飯(竹の子ごはん)」「初夏(はつなつ、夏始、首夏)」。 参加11名、投句3名、全百十二句の中から、先生の選、特選と、参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします。(俳句賞応募予定の方の句は伏せます。)




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-筍ごはん







[河内静魚 特選]※全五句。他に人魚さん、酔雲さん、木綿太さん。
 粒は皆筍の子飯を主張せり         祐子
 五月富士裾長くして湖に入る        静夜


[河内静魚 選]※全十五句。他に木綿太さん(二)、人魚さん、酔雲さん、岳人さん(二)。
 椎若葉ほつたらかしの名前の湯       夜空
 母の炊く筍ごはんお揚げ入り        桃兎
 薫風の自動改札抜けゆけり         桃兎
 サンダルの造花の硬き立夏かな       桃兎
 葉桜や誰が置いたか椅子ひとつ       夜空
 初夏の逆さに立てるマヨネーズ       結女
 竹の子ごはん喰ひて腹けるおなかの子    太平洋
 樟若葉小さきほこらに風運ぶ        彩河
 端居して近くて遠き夫の距離        祐子
 
 


[祐子 特選]
 岳人 句


[魚童 特選]
 紫陽花の小花は我を主張せず        祐子


[若山 特選]
 片陰の中にしばしの身づくろひ       祐子


[夜空 特選]
 夏燕セーラー服を飛び越へし        静夜


[岳人 特選]
 人魚 句


[静夜 特選]
 岳人 句


[木綿太 特選]
 初夏の鈴の口より鈴の音          静魚


[彩河 特選]
 岳人 句


[酔雲 特選]
 薫風の自動改札抜けゆけり         桃兎


[桃兎 特選]
 木綿太 句


[毬 特選]
 薫風やレースのやうな男なり        結女
 
 

俳句四季の祐子さん、大活躍でした♪ 担当になってから始めたので俳句歴は五ヵ月、とおっしゃいますが、文芸に携わってこられただけに、さすがです。 他の選も含めて五句が選ばれました。 KIMA句会、しろかね句会にお誘いしたい思いです♪


静夜さんの特選、先生絶賛♪ 詠みやすく、正調で気持がいい、と。 夜空さんが特選に選ばれた夏燕の句もそうですが、静夜さんの句は、のびやかさとさり気ないあたたかさ、さわやかな視点で、読む人をやさしい気持にしてくれます。(ご本人もそのとおりの方なんですよ♪♪)


初参加の隆良さん、初めてとは思えない選句、鑑賞で、楽しんでくださった様子。 臨床心理士というお仕事をなさっている、ということから、俳句は言葉の勉強になる、とおしゃっていました。 来月もいらしていただけそうで、良かった♪


ところで…いつも俳句賞応募予定の方の句をご紹介できないのが、本当に残念。 今回の私の特選は木綿太さんの句。 いい句なんです♪ 京を旅する大人の句。 句会でしか触れることのできない、木綿太さん始め人魚さんや岳人さんのそんな句に接してみたい方はぜひ、KIMA句会しろかね句会にいらしてください♪ ※お問い合せは下記まで





裏句会にはもちろん、筍ごはん。 目出度く?先生の選をいただけたので、お揚げの入った筍ごはんと、筍だけのものと二種類作りました。 ほかに鮪のカルパッチョ桃兎風、鰊の燻製新玉ねぎ添え、茹で空豆、細谷商店の焼売、野沢菜、蕪の浅漬け、さつま揚げ、と相変わらずの節操のなさ♪
飲物は、八海山本醸造、スプマンテ、バーボン、そして前夜の「美味しいお酒の見つけ方講座:黒糖焼酎編」の焼酎も楽しんでいただきました♪





六月の兼題は「汗」「香水」「藻の花(花藻)」。 どうなりますでしょう♪ 


 追ひかけて来て香水を匂はする    黛まどか










KIMA句会、しろかね句会 問い合せ先
日本のもの、こと
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■五十九年目の奇跡

私が生まれたとき、父方の祖父がお祝いに買ってくれた人形。 子供のころは抱き人形として遊び、結婚する時も連れてゆき、一人になってからもずっと、一緒にいてくれました。 いつの間にかよごれ、帯が解け、髪が浮いてしまっていましたが、いつも身近にいて私を見守ってくれています。


つい先日、しつらえの町田先生が市松人形をインターネットオークションに出品していると伺い、のぞいてみることにしました。 市松人形というキーワードで検索すると3000件近い出品数で、これは先生のお人形にたどりつくのは難しい…、と諦めかけつつ2ページ目を開くとそこに、うちの子と同じ顔をした人形が出ていたのです!


違うのは、よごれひとつなく、可愛らしい女の子の着物を着ていること。 でも、間違いなく同じ手で作られたものです。 終了期限は間近。 低価格で、しかも他に入札者はありません。


一瞬、この人形が来たらうちの子がひがんでしまうかも、とよぎりました。 片や乳母日傘のお嬢ちゃま、片や野生児のごとく顔はよごれ、着物も色褪せ、という姿…。 でも、この機会を逃すことはできないと思いました。


そして、落札。 うちに来てすぐにふたり並べると、それは杞憂だったと知りました。 ご覧のとおり、うれしそうなんです♪ いたずらっ子のお兄ちゃまと、そのお兄ちゃまが大好きな双子の妹、という感じで。 お兄ちゃま、妹に慕われてなんだか偉そう♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-お人形ちゃん





初めての女の孫が生まれて喜んだ祖父が、可愛い瞳とふっくらしたあどけない表情のこの人形を選んだのは、浅草の人形店だったらしい、と聞きました。 その時、隣にこの女の子がいたのかどうかはわかりません。 が、同じ頃に同じ手から生まれた人形であることは確か。 五十九年ぶりの再会、ということになります♪


いままではひとりでしたし、うちの子、と呼んでいてそれでよく、改めて名前を付けていませんでした。 こうして並べてみると、それぞれに語りかけるとき名前が必要だと思いました。 そこで祖父母の名前を貰って、喜策(きさく)ちゃんとう免(うめ)ちゃんに♪





いつもとは違う素敵な写真に撮ってくださったのは写真家の成瀬友康さん。
ありがとうございます♪



■しろかね句会[四月] 藤の花影あふれゐて暗からず  静魚

 藤の花揺るるはわれの揺るるなり
 かき餅の塩味あはし春の暮
 春雲や噛めばはさりとウエーハース
 クリームの窪みに春の暮れてをり
 空は物消える所や春の椅子

                静魚




四月のしろかね句会のご報告です♪ 参加は静魚先生、木綿太さん、貴名子さん、分水嶺さん、体調回復の地平線さん、久し振りにとりこさん、そして桃兎という七名。 ゴールデンウィークのお出掛けやご用で欠席が多く、ちょっと寂しい句会でしたが、それを明るくしてくださったのが祐子さん♪ 初句会ということで句はお持ちになりませんでしたが、元気に選句・鑑賞してくださって、盛り上げてくださいました。


留以さん、岳人さんからの投句を含め当季雑詠全六十三句の中から、今回も先生の特選、選、参加者それぞれの特選をご紹介いたします。(清書順、俳句賞参加予定の方の句はご紹介していません。)




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-藤の花





[河内静魚 特選]※全三句のうち
 桜湯を飲みし二人の胸のうち         貴名子
 春惜しむ人の歩みにまかせけり        分水嶺

[河内静魚 選]※全七句のうち
 雨にぬれカリンの花の色透ける        地平線
 春灯バーの小窓をのぞきけり         留以
 花吹雪泣く子隠してしまひけり        留以
 サッチモの歌と流るる花吹雪         留以
 



[祐子 特選]
 山裾に花いろの雲たなびけり         貴名子


[分水嶺・木綿太・とりこ 特選]
 藤の花影あふれゐて暗からず         静魚


[地平線 特選]
 岳人句


[貴名子 特選]
 白壁を舞台にサーカス燕かな         分水嶺


[桃兎 特選]
 花吹雪泣く子隠してしまひけり        留以






ということで、今回は貴名子さんが敢闘♪ 先生の特選、祐子さんの特選など五句が選ばれて、にっこり。 やはり魚童さんのお嬢様、お血筋でしょうか♪


先生は体調が思わしくなく、お元気がありません。 でも句は快調♪ 藤の花の二句で特選三、選四! さすがです♪


留以さん、先生の選三句が光ります。 私も選ばせていただいた花吹雪の句、やさしい視線を感じました。 ちなみに画像は、留以さんのご自宅の玄関先に咲いていた藤の花です♪


木綿太さん、岳人さんの句をご紹介できないのが、ほんとうに残念! とってもいい句なんです♪ いつか、まとめてご紹介できる日が来ることを心から願っています。


次回からの本格参加を約束?してくださった祐子さん。 これからもよろしくお願いいたします♪










■湯葉ごはん

友康さん、お待たせしました、湯葉ごはんです♪ 以前裏句会で湯葉ごはんをお出ししたら、それを友康さんがとても気に入ってくださり、作り方を教えて、とリクエストされていたのです。 facebookの友達、直樹さんにもお約束していました♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-湯葉ごはん




いつもながら、私の作るものは簡単♪ 用意するのは、お米3合、薄めの合わせ出汁500cc位、生湯葉2枚、日本酒大さじ3、塩小さじ1~1.5。


お米を研ぎ、日本酒を加え、出汁で水加減してから刻んだ湯葉と塩を入れます。 あとは炊くだけ♪


生湯葉は、刺身湯葉などと呼ばれている柔らかくとろっとしたものではなく、平湯葉、たぐり湯葉のような一枚づつはがれるようなものの方が向いています。 使ったことはありませんが、乾燥湯葉を戻したものでもいいかもしれません。


出汁は薄めにして、湯葉のデリケートな味わいを楽しみます。


炊き込みごはんの味つけの基本はいつも同じ。 お米1合に日本酒大さじ1、塩小さじ1/2程度。 塩加減はその種類やお好みで異なりますので、ご自分の分量をお探しください♪





やさしい味の湯葉ごはん、どうそお試しを♪











■端午の節供のしつらえ

今回のしつらえ教室のテーマは「端午の節供」。 五月五日に向けてそろそろ準備したい頃です♪


町田等先生が用意してくださったのは、菖蒲、瓶子、色紙、柏餅、懐紙。 菖蒲は尚武(武を尊ぶ事)に通じ、またその香りが魔除けになるのだそうです。 親葉が枯れても冬の間ずっと落ちずにいて、次の新芽が育つまで守るように付いている事から、親が子の無事を願う気持ちを表してるという柏の木にちなんで柏餅♪


童心に帰って兜を折ります。 二枚重ねは少し折りにくいのですが、色の重なりが楽しく、立派な兜になりました。 先生のお手持ちの紐は、無病息災を祈る瓢簞や麻の葉の文様の丸ぐけや、房の美しい組紐。 折り紙の兜に添えると、格があがります♪


そして、撮影♪


$日本のもの、こと  桃兎の部屋-端午の節供(教室)


$日本のもの、こと  桃兎の部屋-端午の節供(教室)


$日本のもの、こと  桃兎の部屋-端午の節供(教室)


$日本のもの、こと  桃兎の部屋-端午の節供(教室)


$日本のもの、こと  桃兎の部屋-端午の節供(教室)


$日本のもの、こと  桃兎の部屋-端午の節供(教室)





兜の色、合わせる紐や魔除けのくくり猿、菖蒲の生け方…。 それぞれの個性が光ります♪





先生が立派な五月人形をお持ちくださいました。 こうして毎回先生がお持ちくださる小物を拝見できるのもしつらえ教室の大きな魅力♪ ちなみにリニューアルしたタイトルバックの御所人形も先生のお手持ちです。


この五月人形、京都の丸平という御所人形では屈指の人形司のもの。 お顔といい、鎧といい、捧げ持つ刀にしても、手を抜いたところのひとつもない素晴らしいお人形です。 それを主役にしたしつらいもご覧ください♪ (紐をお借りしておけばよかった!)




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-端午の節供


$日本のもの、こと  桃兎の部屋-五月人形





月日の経つはやさを思いつつ、また今年もお節供のしつらえを用意できることに感謝です♪





こうして古くからの日本の習いに思いを寄せ、折々を楽しむしつらえの教室を白金台[日本のもの、こと]では月に一回、開いています。 ご興味のある方は下記までどうぞ♪
info@japanesestyle.jp