桃兎の部屋 -29ページ目

■豆鯵の南蛮漬


豆鯵の南蛮漬
先日の裏句会の南蛮漬、レシピのリクエストをいただきました♪ あのときの鯵は少し大きかったのですが、気に入っていただけたようですので、木に登って?、レシピをご紹介します。 今日はかわいい豆鯵が手に入ったので、こんな感じになりました。



材料は豆鯵20尾、玉葱大1個、南蛮酢用に米酢300cc、合わせだし(昆布が勝った、鰹薄め、がおすすめです。)400cc、醤油大さじ4、グラニュー糖大さじ2、赤唐辛子3本。

まず漬け込むための南蛮酢。 鰹と昆布の合わせだしに米酢、お醤油、グラニュー糖を入れてひと煮立ちさせ粗熱がとれたら、種を取って小口切りにした赤唐辛子を加えます。



豆鯵

鯵は内蔵をとり、流水できれいに洗って、キッチンペーパーでとくに内蔵を抜いたあとの水気を拭き取ります。 鯵を脱水シートに挟み2~3時間おきます。 こうすると余分な水気が抜けて上手に揚がるのです。(鯵の大きさによっては、頭を落としたりぜいごを削ぎ取ります。)





豆鯵揚げ始め


鯵に薄く片栗粉をまぶしますが、なるべく衣は薄い方がいいので、余分な粉は刷毛で払います。 余計な衣は漬け込んだとき水分を吸ってぐずぐずになってしまうから。 中温の油で、南蛮酢に漬けたときにジュッというくらい、じっくり揚げます。(この豆鯵で、160度で7~8分位) 揚げたてを南蛮酢に漬けましょう。 そこに玉葱を加えて出来上がり♪


鯵は漬け込めば翌日でも大丈夫なくらいですが、玉葱はいただく前に加えます。 とは言っても最低でも1時間は漬けておきたい気がします。 私は4~5時間ほどが好き。 玉葱は薄切りにし15分ほどそのまま置いて、水にはさらさずに使います。 血液さらさら効果とおいしさのために♪

というような感じで、鯵も玉葱もおいしい!
南蛮酢も飲めるほどです♪
豆鯵の南蛮漬、いかがですか?






■句会[神無月] のけ反りしピエロの顔に秋の空  静魚

彫刻の森2
 秋空や谷のやうなる四谷駅
 竹運ぶ男に秋の空碧き
 紅茸の紅つけて人騙したき
 愛の抄読み了へてより冬支度
                河内静魚



今回、静魚先生から二名が俳号を受けられました♪ 律子さんが先生の一字をとって「静夜(しずよ)」、榮子さんが「夜空」。 おふたり同時に名前が変わったので、句会は大混乱? 呼ばれても気づかなかったりして大笑い、点を入れる時の名前の一文字をどうするか(静魚と静夜、静夜と夜空)で喧々囂々、いつにも増して賑やかな句会となりました。

十月の句会、兼題は「秋の空(秋空・秋天・秋の天)」「きのこ(茸・菌・茸狩り・茸籠・茸飯)」「冬支度(冬用意)」です。


秋の空

[河内静魚 特選]
 「エロス」なる紅茶買いおく冬支度   結女
 はみだせり指の間のきのこかな     留以
 毒きのこ群れいて舞台装置めく     人魚




[河内静魚 選]
 茸狩や擦り傷つけて戻りたり      夜空(榮子改め)
 秋天に吸ひこまれたし二人して     夜空
 冬支度深紅のマニキユアに変へて    桃兎
 秋空や男は黙ってパスタ喰ふ      結女
 口癖はいたしかたなし秋の空      人魚
 冬支度キルケゴールを積み上げし    留以
 秋の空麒麟の首の前後する       人魚
 窮屈な靴履き慣らす冬支度       順子
 茸なら不思議の国に生まれたし     毬
 焼き占地きゆきゆつと音を立てにけり  静夜(律子改め)
 冬支度ゴブランの少し反つており    人魚
 冬支度あれこれと日がな干しけり    人魚

[桃兎特選]
 秋の空麒麟の首の前後する       人魚


今月はお仕事で欠席、投句だけになった人魚さんが六句のうち五句も先生に選ばれ、毱さん、夜空さんも好調を維持。 そしてそして何より、先生が久しぶり?に絶好調でした♪ 



兼題に食材や料理があると、やはり裏句会に用意したくなります。 今回はきのこ汁。 鶏肉ベースで、とも思いましたが静魚先生、鶏が苦手。 そこで、だし仕立てとしました。 椎茸、舞茸、白舞茸、えのき、なめこ、しめじ、ブラウンマッシュルーム等々、きのこをどっさりと里芋、お豆腐、という顔ぶれに、卸し大根を添えて。 あとは玉葱たっぷりの鯵の南蛮漬、お揚げと水菜の煮浸し、ぬか漬け、栗ごはん。

食前酒にした、順子さんからいただいたニ年物のラムの梅酒。 とってもおいしくて! 順子さんは私の「梅酒の先生」。 このブログの第1回に登場したジンの梅酒が、順子さん直伝です。 来年はラムに挑戦しようかな♪ 





今回、久々に毱さんのお嬢さん、朋子さんから投句をいただきました。 遠く出張先のハノイから、です。 朋子さんは句会が始まってしばらくしてから一年ほど、ベトナムに転勤になるまで通ってくださいました。 都市計画のお仕事に携わり、今はハノイ、ウランバートル、と東京を行ったり来たり、元気で素敵なキャリアウーマンです。 とてもきちんとしたブログ [Welcome to Hanoi and Ulaanbaatar !] を持っていらっしゃるので、ぜひご覧になってみてください♪

 秋空を切り取る水面を覗く子ら  朋子


http://blog.goo.ne.jp/beartomo0103











■べったら市に行ってきました。

べったら市御神輿モノクローム
たまたま俳句の季語集、季寄せをめくっていたら「べったら市」という題が目に止まりました。 十月十九、二十日の二日間といえば、まさしく今日。 今まで誘われたり、話に出たことはあっても一度も行く機会を持たなかったべったら市に、こんなふうに出会えるなんて…。 これは神様の思し召し、句友の博子さんを誘って、ちょっと寄ってみることにしました♪

「べったら市」は、江戸慶長年間から続いている年中行事で、東京の秋の風物詩。 日本橋宝田恵比寿神社の門前で十月二十日の恵比寿講(商家で恵比須様をまつり、客を招いて祝う行事)の前夜十九日に市が立ちます。 当初は翌日の恵比寿講に使う魚類,とくに鯛や、神棚・三方・俎板などを主に扱っていたのが、浅漬大根のべったら漬けがよく売れたことから「べったら市」と呼ばれるようになったとか。





べったら漬樽
小伝馬町の駅を出ると、道を尋ねるまでもなく、そこここにべったら市の幟が立って、恵比寿神社へと誘います。 日曜日の昨日が山だったのでしょう、今日は歯抜けの露店が、それでも数十件立ち並び、客寄せに懸命で。 ちょうど御神輿が練ってきて、賑やかなかけ声に気分が華やぎます。 

通りに面したお社の前の列に並び、お参りを済ませると、早速べったら漬を買いに行きました。 目当ては新高屋。 甘すぎずさっぱりした味付けが特徴と聞いています。 ふつうの、甘さを抑えたもの、皮付き、と三種類、端から味見をして結局、皮付きを選びました。 

相客の年配のご夫婦がお買い物をしたうえお祝儀を渡されたようで、従業員が集まって手締めをして…、いい場面に居合わせました。 そんなことが自然にできるって素敵♪ 昔、酉の市に行って祖父が熊手を買うと、やはりお店の人がシャンシャンシャンと手を締めてくれて、それがとっても嬉しかったのを思い出します。



べったら漬

麹は拭うだけ、というのが本来なのですが、私はぬめりがなくなるまで洗ってしまいます。 それが好みなので…、新高屋さんごめんなさい。 でも、麹の穏やかな甘さとぱりっとした独特の歯ごたえ、久しぶりにおいしいべったら漬をいただきました♪






ビル街に手締め谺すべたら市   桃兎





■〆鯖桃兎風

〆鯖
適度に脂が抜けて身の締まった秋鯖は美味しいものです。 〆鯖は作り方も簡単、おかずにも肴にもよく、小丼に仕立てたり、おしのぎに小さな握りにしたり♪


必要なものは真鯖、塩、米酢、脱水シート、骨抜き。 まず、三枚におろした鯖、私は魚屋さんに下ろしてもらいます。 イワシと鯵くらいはなんとか下ろしますが、以前自分で何でもできるようになりたい、と挑戦し、…挫折。 きれいに手早く下ろせるようになるのは至難の業、とあきらめました。 よく行く築地のお魚屋さん成東水産の奥さんが「私だってできませんよー。」とおっしゃるのを聞いて、ちょっと安心。 餅は餅屋、難しいことはプロにお願いしよう、と開き直ったら気が楽になって、それまで以上にお魚を料理するようになりました。 対面販売のところでしたら、どこでもやってくれます。 〆鯖にします、といって鮮度のいいものを頼みましょう。



〆鯖にぎり
鯖の骨を丁寧に抜き、多めに振り塩をして脱水シートに挟みます。 冷蔵庫に1時間ほどおいたら、洗わずにそのまま米酢に30分漬けます。 容器はファスナー付のプラスティックバッグが便利。 お酢も最小限で済み、全体に均一に味がはいります。 米酢から引き上げて、頭側から皮を剥きます。 それで、できあがり♪ 簡単でしょう?

魚の骨抜きは、もしお持ちでなければ、これを機に一本手に入れておくと便利です。 脱水シートを使うのは、適度に塩がはいり、余分な水分が抜けて酢が馴染みやすくなるから。 私の使っているのはオカモトのピチットシート。 一夜干しやベーコンの時も活躍、重宝しています。 


塩をよく流してから、あるいは酢で洗ってから、味をつけたお酢で〆る方法が一般的のようですが、私はいつもこのやり方。 塩加減や〆る時間は異なりますが、小肌や鯵でも同様です。 素材そのものがおいしければ、なるべく余計なことはしないようにして…。


浅めの〆加減で生に近く、山葵でも溶き芥子でもおろし生姜でも楽しめます。 美味しい〆鯖、一度お試しください♪






築地場外の成東水産は、間違いのない魚屋さん。 予め電話をいれておけば、いいお魚を取って置いてくれますし、下ろしてもくれます。 これぞプロ、といった感じのご主人と、優しいお母さん、美人で明るい奥さん(というご家族、と私は勝手に思っているのですが。)が、いつも親切に対応してくださいます。

成東水産 TEL 03-3542-4786







■今宵十三夜、続き…

十三夜

心配していた雨も上がり、少し雲がかかっていますが、こんな十三夜になりました。

いいお月様♪

栗せんべいをおつまみに、さっき買ってきた栗蒸し羊羹が食後です。
もうちょっと何か飲みたいな~。






ペリー・コモ聴きつつ酔ひつ十三夜   桃兎









■今宵十三夜

栗名月
露が冷たく感じられる頃、ということで、寒露。 それも過ぎて今日は十三夜、後の名月を楽しみましょうか。 とは言っても、この雨…。 中秋と並ぶ名月ですが、どちらか片方しか観ないのは「片見月」といって嫌うというのに。 夕方までにあがってくれないかしら…。





鸚哥乗兎
この頃の実りから、十三夜の月を栗名月とか豆名月などともいいます。 そこで、季節飾りを栗にしました。 十五夜から居残っている兎がお供です。 この兎、瀬戸の陶人形作家、相場るい児さんの作品ですが、ただの置物ではなく、水滴なんです。 口元からいい具合に水が落ちます。 目が人間みたいで、ちょっと意地悪そうな顔をしていますが、頭にインコなど載せて、意外にお人好しなのかも♪ 












栗、といえば前にご紹介した栗きんとんや栗蒸し羊羹、マロングラッセなら好物ですが、なにか自分で、と思うとこれといって好きなものがありません。 でも、これなら作ります♪ 「栗せんべい」。

栗は鬼皮・渋皮をむき、水にさらしてあく抜きをします。 よく水気を拭き取って薄切りにし、160°の油でわずかに色づく程度に揚げます。 いったん引き上げたら、油の温度を180°に上げ、もう一度揚げ、キツネ色っぽくなったところでOK。 キッチンペーパーの上に広げ、しばらくしたらキッチンペーパーを替えます。 そこに振り塩をしてできあがり。 おやつというより、おつまみ?

栗せんべい




栗のほのかな甘みが楽しめます♪






■重陽の節句

菊の花


七日は旧暦九月九日、重陽の節句、別名菊の節句とも。 陰陽の陽(奇数)の最高数「九」が重なることを祝う節日、五節句のうちのひとつです。 この日は菊の花を飾り、菊を浮かべたお酒を飲み、長寿を願います。 冴えわたる空の月を愛でながら菊酒をいただく、なんて、いいですよね♪ 


せっかくですからお酒は菊にちなんだものにしましょう。 白山に群生する野菊のしづくを受けて流れる手取川の水「菊水」で醸されたお酒を「加賀の菊酒」といいますが、その伝統を受け継いだ、その名も「菊姫」、や「萬歳楽」はどうでしょう。 あ、「手取川」もいいかもしれませんね、この時季ならではのひやおろしで♪


そうなるとここは菊づくし、菊膾を作ります。 食用の菊を求め、花びらをはずし、少し酢を落としたお湯でゆがく。 それだけのものですが、菊のなんとも典雅な香りと花びらの一枚一枚に僅かにとどまる水分が、まるで夜露そのものを味わっているような気持ちにさせてくれるひと品です。

菊膾白磁椀
菊膾
花びらは、湯を嫌ってなかなか沈んでくれないのですが、決して茹ですぎないように、箸で優しく押さえたり返したり、全体がその色を少し濃くしたら、すぐに水に取ります。 たっぷりの水に泳がせて熱がとれたらしっかり、よりも少しだけゆるめに水を絞ります。 器に盛りつけ、いただく直前に三杯酢を流し入れて出来上がり。 器は白磁も黒消の漆も似合います。




三杯酢は米酢3:味醂1:醤油1をひと煮立ちさせ、冷ましておきます。 ちなみに家で使っているのは千鳥酢、味醂は福来純、お醤油は本膳。 若布と小柱、蛸と胡瓜、などの酢のものにも使っています♪



菊なます廚の立ち居優しうす   桃兎





■牛のたたき柚子胡椒風味、いかがですか♪

秋渇き塩辛昆布〆牛たたき  桃兎

牛たたき
先日の裏句会で久しぶりに「牛たたき柚子胡椒風味」をお出ししたら、人魚さんと留以さんからレシピを教えてほしい、といううれしいメールをいただきました。
とても簡単でおいしいので、ご紹介しますね♪

まず牛肉は赤身のたたき用を用意。 私は行きつけのお肉屋さんにランボソという部位を頼んでいます。 400g位でしょうか。 固まりの形にもよりますが、薄切りにした時に食べやすい大きさになるよう、繊維方向に二つに切っておきます。 あとは日本酒200cc、醤油50cc、柚子胡椒大さじ1、だけ。 ○○風味とかではない基本の牛たたきで、お酒とお醤油だけで味付けする場合は2:1と覚えていただければいいでしょう。

テフロンのフライパンを強火で熱し、お肉を表裏横横、切り口両面と、全体にいい焼き色がつくように焼きます。 予めの塩胡椒は必要ありません。 そこに合わせておいた調味料をザッとかけ回します。 お酒が多いので、火が回ることがありますから、一旦火を止めてから。 再び火をつけて強火で調味料を沸かしたら、少し火を弱めて1分ほど、天地を返してやはり1分くらい煮て、出来上がり。  火からおろしてそのまま冷まします。 調味料から出ているところが乾かないよう、また味をしみ込ませるためにもキッチンペーパーで覆います。 冷めたら密封容器かジッパー付のポリ袋に移して煮汁に漬け置く状態にしましょう。 これで2日くらいは大丈夫。

いただく時に薄切りにして煮汁をソースとして添えます。 山椒で風味付けするのもいいですし、黒胡椒の粒をたたいて加えるも良し、また基本のたたきの時はお好みでおろし生姜や溶き芥子、おろしニンニクを添えるのもおいしいですよ♪ 

牛たたきの小丼
味がよくまわるように小振りのフライパンを用意したのが、今はこのたたき専用になってしまいました。 お客様の時は前の晩に作っておくのがおすすめです。 味もしみますし、ひと品すでに用意ができているのって安心でしょう?


「牛たたき丼」もぜひ♪






■句会[長月] 熱くなる水の動くや露寒し  静魚

家系図の先端に居てとろろ汁    静魚
つんつんとおしろい花のみな背く  静魚


月に一度のお楽しみ、KIMA句会がありました。

兼題は「露」「白粉花」「とろろ汁」、今月から三つです。 「露」には様々な表現、応用形があります。 「白露」「露の玉」「露の宿」「露葎(つゆむぐら)」「露時雨」「露月夜」「露日和」など、とてもご紹介しきれないほど。 どれも露のはかなさや、きらりとした美しさを表して素敵です。

「白粉花(おしろいばな)」は「おしろい」「金化粧」「野茉莉(のまつり)」「燕脂花」「夕錦」とも。 別名を知ると、それぞれにずいぶん印象が変わるものですね♪

「薯蕷汁」と書いて「とろろじる」。 季語としては「とろろ」「いも汁」「麦とろ」も使えます。 前回先生から兼題としていただいた途端、あのふわっ、つるるっ、としたした食感と鄙びた味わいが広がって、早速食卓に載せたものでした。 それなのに私の場合、いい句には繋がらず…。 


とろろ汁
[河内静魚特選]
白粉花セーラー服はついぞ着ず     結女
ドドンパと白粉花の開きをり      留以
白粉花ひそひそ話聞こえたり      毬(博子改め)
とろろ汁帰ると云ふをひきとめし    榮子

[河内静魚選]
ことごとく享け入れし夜の露葎     人魚
丹念に丹念に擂るとろろ汁       順子
とろとろと足の先までとろろ汁     毬
露光る朝の空気のやや重き       律子
朝露や仔犬の足の軽きこと       律子
麦とろろ文句いうにも作法あり     結女
とろろ汁性善説を疑はず        桃兎
白粉花垣根に干せしスニーカー     榮子
そのときはスローモーシオン露の落つ  桃兎
白粉花夕闇わかつ赤と白        毬
軍鶏鳴けり峠の店のとろろ汁      律子

[桃兎特選]
露の客サファイア色に発光す      留以


今回は博子さんが絶好調、先生も感心のお言葉連発で♪ なにしろ先生からいただいた俳号が「毬」、先生の結社の名前なのです。 いいな♪
ということで、毬さんdebut!

毎回句会の後には席を移して、先生を囲んでのおしゃべりを楽しみます。 句会の時よりくだけて、食べたり飲んだりしながら云いたい放題?、にぎやかな時間です。 その時のお料理を用意するのが私の役割。 兼題にかけたり、旬を意識したり、と愉しんで。 今日の献立は、枝豆、〆鯖、菊膾、牛のたたき柚子胡椒風味、秋野菜の揚げ浸し、お稲荷さん、ぬか漬け、そしてもちろん「とろろ汁」。 お酒は「獺祭 濁り酒50 (うす濁り、微発砲)」、食後は人魚さんがお持ちくださったこだわりの「香り立つシースの巨峰」と甘栗でした♪


大和芋
ちなみに、私の「とろろ汁」は味噌仕立。 今回は大和芋を擂鉢であたり、そこに同量の、いつもより心もちだしも味も濃いめに仕立てた味噌汁(冷ましたものの上澄み)を、少しづつ加えていきます。 手持ちの擂鉢が小さいので、仕上げのときは大きいボウルに移し、泡立器で空気を含ませるように軽く混ぜてみました。 麦ご飯にかけてもおいしいですよ♪










■この秋最初の紅葉を見てきました。

ほどけゆく心と秋の旅にあり  静魚
秋雨や耳飾り泣く花地蔵    博子


善光寺の紅葉
ちらほらの紅葉を見てきました。
思いがけず、万座への道すがらと、志賀高原、善光寺あたりで…。


お住まいの建築に関わらせていただいて以来、十数年のお付き合いをいただいているW御夫妻と、サロンの運営をお任せしている博子さん。 インテリアを担当させていただいた万座温泉日進舘の「湯房」に、日頃お世話になっているこのお三方をご案内するのが目的の、小旅行に出ました。

まずは軽井沢を目指し、無彩庵でフレンチの昼食(デザートのそば粉のブランマンジェが、なかなか♪)、メルシャン美術館のシャガール展を覗いてから白糸の滝をまわり、万座へ。
万座で豊かな温泉と心づくしのお料理に楽しいひとときを過ごした翌日、志賀高原を経て善光寺にお参り、というコース。


決して遠くない長野の、しかも近くには足を運ぶこともあったのに、なぜか訪れることのなかった信州信濃の善光寺。 東京の表参道にある青山善光寺は別院で、そこの善光(よしみつ)幼稚園に通っていた私には、いつかは行ってみたいお寺でした。 気持ちよく整えられた参道を抜け、山門をくぐると、善光寺はその奥にどっしりと、でもどことなくおっとりと座していて。 庶民の信仰を集めるお寺というだけに、とても親しみやすく、平日にもかかわらずたくさんの善男善女が訪れていました。 

帰りにはちょっと寄り道して松本民芸館へ。 私には35年ぶりの再訪ですが、家々が建ち並び周囲の風景は一変してしまったものの、その佇まいと穏やかで静かな館内には何の変化もありません。 今も漆喰壁と無垢の柱梁に囲まれたそこにあるのは、おもねることのない道具や織物とゆっくりとした時の流れだけ…。

時折雨も道連れにした、この秋最初の旅でした。


マール
[追記]
「 桔梗が原 メルロー オー・ド・ヴィ・ド・マール」
メルシャン軽井沢美術館隣のメルシャンプラザで見つけました。 マールとは所謂「かすとりブランデー」。 葡萄の搾りかすを蒸留したもので、フランスでマール、イタリアではグラッパと呼ばれています。 一般にマールは樽熟成され茶系の色みのものが多いのですが、勝沼で粗留、軽井沢で精留されたこのマールは、樽熟成なしで無色透明のグラッパタイプ。
まろやかで香り高いマール、食後におすすめです♪