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■築地に行ってきました。

桃兎の部屋-塩田商店久しぶりに築地に行ってきました。 普段だしを取るのに不可欠な鰹節の上粉を切らしたので。 それに暮なのでお正月用の黒豆と田作りを買っておこうと思ったからです。 



紫花豆のときにご紹介した塩田商店。 12月に入ると、店先に新物の黒豆が並びます。 どれも丹波産で、極上品、粒の大きい飛切(とびきり)、新物ではないけれど不動のおいしさ飛切極上が、この時を待っていたかのように最前列に陣取っていました。 私は飛切極上を1リットル購入、3,255円。 29日の夜水に浸して、30日に煮るのが恒例です。


桃兎の部屋-田作り




いつも鰹節と昆布は伏高(うなべの項をご覧ください。)と決めていますが、田作りも例年こちらで買っています。 この小さなカタクチイワシの素干しを田作りというのは、昔田んぼの肥料にイワシが使われていたからだとか。 おせちに並ぶのは豊作を祈願してのことのようです。 ごまめともいい、御健在という字をあてると聞きました。 


伏高では今年も2種類の田作りを出していました。 どちらも綺麗に揃って美しく光っています。 少し小振りの、200g900円の方を一袋買いました。 お正月は甘辛の飴がけにしますが、煎っただけでもおいしく、日本酒のおつまみにおすすめです♪

今日は伏高で上粉と田作り、塩田商店で黒豆、うおがし銘茶で煎茶、成東水産で塩ジャケ、穴子、あんこうの肝、小肌を購入。 所要時間35分の駆け足でした♪



桃兎の部屋-あん肝

[追記]
早速あん肝、作りました。
お燗のお酒はもちろん、シャンパンにも合います♪





■里芋揚げ、おいしいんです♪

桃兎の部屋-里芋揚げ
京都紫野の典座料理のお店で、おいしいお芋の揚げ物をいただいたのが忘れられず、作ってみました。

典座(てんぞ)とは、禅寺で「食」を司る役僧のこと。 その典座による精進料理のことを典座料理といい、永平寺の開祖道元禅師が、自身の著した「典座教訓」に典座職の職責を細かく説いているそうです。



その店で供される料理はシンプルですが、賜った食材を如何においしく召し上っていただくかということに心をくだいているのが伝わってくるもので、どれもとてもおいしいのです。 素材そのものの味、滋養をそこなうことなく丁寧につくられた料理の数々。 その中でも気に入ったのが、この揚げものでした。 うかがえば、煮た海老芋にもち粉をまぶして揚げるとか。 

修業とはほど遠い暮らしの私のこと、道元禅師には申し訳ないと思いつつ、もち粉のことだけ守って、あとはいつもの「簡単、おいしい」がコンセプトの自己流です。 

京都のえび芋は手に入りませんでしたが、前にご紹介した越前大野の里芋があったので、それを使うことにしました。 里芋は皮を剥き、電子レンジで約10分、すっと串が通るくらいにします。 ぬめりもさほど出ず、お芋のそのものの甘みを逃がしません。 昆布だしに塩、醤油ほんの少しで薄めに味をつけたところに里芋を入れしばらく煮て、冷まし、また温めるように煮て冷ます、つまり二度煮します。 味が染みた里芋にもち粉をまぶし、やや高温(190°位)で揚げる、それだけですが、これが美味しいんです♪ まわりがカリッとして、中はほっくり、薄味がついているので、そのままいただきます。



熱々で、いかがですか?







■相場るい児さんの干支「丑」が届きました♪

桃兎の部屋-丑
以前、お月見の時にご紹介した陶人形作家相場るい児さんの、来年の干支「丑」が届きました♪







相場さんの干支を毎年楽しみにしていて、今年で五つめ。 初めて相場さんの作品に出会ったのは五年前のちょうど今頃、翌年の干支「酉」の置物を探していた時でした。 なんてユニークで、表情豊かな作品!、と感動したものです。 もちろん干支に限らず、その個性は全ての作品に表されていて。 ちょっとコワいのもあります?が、私は動物がらみのものが好き♪ 干支のは置物ですが、水摘や根付、香合、帯留など、使えるものにもいい作品がたくさんあります。 


桃兎の部屋-丑UP

猫大好きの相場さんは、干支に猫を絡めるのがお得意です♪ 今年の「子」は、猫の頭に小さな小さな鼠が前足を宙に遊ばせているものでした。 そして丑。 あの、相場さん作品特有の人の眼、あるいは鯨の目?、をした黒牛の、屹立する山の稜線のような背に、オッドアイ(左右の瞳の色が違う猫。多くはブルーとゴールドで、白い猫に時々います。)の猫がそれをものともせずにちんまりと座っているのです。 ちょっと揺れたりしながら、でも平気な顔で、みたいに。 猫ってそういうところ、ありますものね♪



桃兎の部屋-丑に乗る猫

来年一年、サロンの干支の定位置を飾ってくれることでしょう。









相場るい児公式サイト
http://tosakaneko.fc2web.com/top.html

※12月16日~1月5日 銀座松屋7Fシーズンスタジオにて「干支展」













■ぜんまいとお揚げの煮物、作りました。

桃兎の部屋-ぜんまい煮
忘年会など、どうしても外食の機会が多くなってしまうこの頃、家での食事はお鍋とちょっとした煮物、お漬け物でゆっくり、というのもいいものです。



ぜんまいとお揚げ、糸こんにゃくの煮物はよく登場するわが家の定番。 ぜんまいの水煮は国産のもの1袋100g、お揚げはお気に入り(私は三之助のお揚げが好きなので、それ)1枚、糸こんにゃく1袋180g、そしていつもの合わせだし500ccと調味料を用意します。




桃兎の部屋-ぜんまい煮材料
ぜんまいは端とだんだん固くなっていく方のしっぽを切り落とし、5cmほどの長さに切ります。 少々面倒でもこうするといただくときの食感が全然違うのです。 お揚げは横二枚にしてから短冊切り、糸こんにゃくは塩揉みしてから流水で洗い、5分ほど茹でて笊に上げます。

お鍋に小さじ1ほどの胡麻油を熱し、ぜんまい、糸こんにゃくを入れ炒めます。 全体に胡麻油がまわったらお揚げ、だしを加え、塩小さじ1/3位、醤油、日本酒、みりん各大さじを入れ、煮立つ直前に弱火にして10分くらい煮ます。 このとき紙蓋をお忘れなく♪ 真ん中にコインほどの穴をあけたものです。 そのままにして冷めたら、再び火にかけ、弱火で10分ほど煮て出来上がり♪ もう少し味付けを濃くしたい方はそのまま煮汁を詰めていくといいでしょう。

いつも材料を計ったりすることなどないのですが、だいたいでいいから教えて、と友人からのリクエスト。 使ったものの袋を見てグラム数など書いてみましたが、あくまで参考に…。 袋入りのものなどは使い切ってしまっていいと思います。 あとはご自分のお好みに調整していただければ♪ 


煮ているとき、胡麻油とだしと調味料、その香りがたまらないんです。 煮物っていいですね♪



 煮炊きして安穏の在り廚には   桃兎









■手焙りを花生にしました。

古い銅の手焙りを見つけました♪ 
手焙り
菊などの野の花が似合いそう、と早速花生として使ってみることに。


手がついているので、おそらくポータブルの火鉢、ということなのでしょう。 相当古い、というか、あまり大切にされていなかった、というか、いえいえ逆に使いこまれてきたのかも。 まあ綺麗ではありませんが、なんだか、可愛い…。 

私はどうも丸くてぽっちゃりしたものに弱いらしくて。 家のヒゲとしっぽのある娘?もそうですが、いいな、好きだな、と思うものに共通するのがそのことなのです。 これもその系統でしょう?



銘に「藤原銅虫清隆」とあるのが、どういうことか知りたくなって、調べてみました。

「銅蟲(どうちゅう)細工は、広島藩主浅野侯がお抱職人清氏に創案させた技法で、銅板を鍛えて火鉢、やかん、花瓶等の器物を作り、広島藩の特産品として老中や大名に進物として寄贈し、非常に好評を得たのが始まりです。 銅蟲製品の特長は、黒茶玉虫古色の着色にあります。 〈中略〉 光の着色は稲藁(いなわら)で一品一品を燻(いぶ)すことにより、他に類を見ない本燻し独特の黒茶色の玉虫古色となり、銅蟲の秘法とされているものです。 又「銅蟲」という名は浅野長晟侯が清氏の仕事に対する熱意を賞でて「銅」の「虫」即ち「銅蟲」「銅虫」と云う称号を授けたといわれています。」(http://www.douchuu-hikari.jp/sub10.htm)


手焙り(雲形)
広島の伝統工芸だったのですね♪ 「藤原清隆」についてはわかりませんが…。 よく見ると雲形が細かい点でところどころ打ち描かれていて、なかなか品のいいものです。







縁あって一緒に暮らすことになったのですから、大切に使わなくちゃ♪
古いものが家に来るといつもそう思います。







■句会[霜月] マフラーを風の死角に垂らし待つ 静魚

冬の夜の仕方なく降る海の雨
三島忌のドライシェリーを目の高さ
夜が来る切り絵のやうな冬の街
                  静魚



ここのところ一段と寒さが増してきました。 残り少なくなった暦を見るにつけ、寂しさがつのるように思うのは私だけでしょうか。

キャンドルナイト
とは云いつつも、定例の句会が開かれ、サロンはまた明るい笑い声に包まれました。 兼題は「三島忌・憂国忌」「マフラー」「冬の夜」です。



三島由紀夫が逝ったのは、昭和45年11月25日。 「金閣寺」「鏡子の家」「近代能楽集」と読み進み、「春の雪」を読んだばかりだった高校生の私には、衝撃的と云うにはあまりにも衝撃的すぎる出来事でした。 兼題をいただいたとき、その頃の様々が渦になって甦ってきたものです。 その思いは皆さん同じだったようで…。



[河内静魚 特選]
 冬の旅ならば岬を経由する     結女
 三島忌や別の私が遠ざかる     毬
 マフラー巻く幸せの逃げ出さぬやう 人魚

[河内静魚 選]
 憂国忌鋼のじつは脆きこと     桃兎
 冬の夜や美味礼賛を読み耽り    留以
 三島の忌すこし曲がりし君の顔   桃兎
 憂国忌キャビアは淡き黒なりし   留以
 憂国忌人偏に夢と書いてみる    桃兎
 紅茶には古きコニャック冬の夜   順子
 宴過ぎまた宴来る憂国忌      順子
 憂国忌先の尖りし靴を履く     留以
 冬の夜キャンドル百も灯さうか   桃兎

[桃兎 選]
 憂国忌先の尖りし靴を履く     留以


今回は毱さんの特選が光って♪ 先生もことのほか嬉しく思われたようで、ご機嫌でした。 でも先生、ちょっと元気がありません。 座の一同、心配していますよ。


今回は食に関した兼題がなかったのが残念! 裏句会は久しぶりに洋のメニュウになりました♪ 体が温まる牡蠣のチャウダーがメインです。 玉ねぎ、人参、蕪、セロリという野菜たっぷりに、留以さんからいただいた越前大野は上庄の里芋を加えました。 ほっこりやさしい味で意外にもチャウダーにぴったり。 あとは大根と帆立のサラダに、焼きたてのバケットとエシレのバター、そしてワインたくさんとチーズ。 デザートは苺とパイナップルでチョコレートフォンデュにしました。

今宵も楽しくおいしく賑やかな裏句会でした♪



そうそう、来月の兼題を載せておきましょう。
「セーター」「短日」「葉牡丹」
セーターも葉牡丹も、苦手で…。 どうしようかしら…。






■玄米ご飯を炊きました。

句会にいらしている結女さんから、普通に炊けるのよ、と、コシヒカリの玄米をいただきました。 その時の裏句会で早速栗ごはんに仕立てたのですが、もっちりかっちりの食感がとてもおいしくて♪ 


玄米ご飯
今日はそのままで炊きました。 この玄米、里山の緑を各地各所各家庭に広めるお仕事をしていらっしゃる結女さんの、その豊かな人脈から生まれたおいしいものネットワーク?の賜物。 玄米特有のくせがほとんどなく、噛みしめるほどに味わいが広がります。 多めに炊いて、炊きたてを小分けにし、冷凍しておきます。 必要なだけ解凍して、そのままは勿論、リゾットに使ったり、ぱらりと仕上げるチャーハンにしてもおいしくいただけます。 私は納豆ご飯がとくに好き♪




豆鯵の一夜干し
日曜の朝は、これに、豆鯵の一夜干し、いんげんの胡麻和え、蕪と人参のぬか漬けにお豆腐と揚げのおみおつけ。 一夜干しは豆鯵の頭とはらわたを取り、流水でよく洗ったら10%の塩水に30分ほど漬け、脱水シートにぴっちり挟んで一晩冷蔵庫に入れて、できあがり♪ 冷凍しておくこともできます。 時季には稚鮎も同じようにするとおいしい肴に♪



いんげんの胡麻和え


いんげんの胡麻和えは、多めの塩で板擦りにしたいんげんをそのまま塩と一緒に沸騰した湯に落として湯がき、冷水にとって色止めします。 金胡麻を煎って、面倒なら煎り胡麻で構いません、当たり鉢で半擂りにし、お醤油1、みりん2を加えて混ぜたところに水をしっかり切ったいんげんを入れて和えます。 胡麻は3くらいの割合でしょうか。 いんげんは茹ですぎないのがコツ、食感と香りを楽しみます。




お休みの日は、遅めの朝食をゆっくりと…。









■こころゆたかな旅[弐]

阿修羅像
興福寺を訪れるのは、何年ぶりでしょう。 前回も去年もすぐ近くまでは行くのに、五重塔を眺めるだけで帰ってきてしまいました。 今回もあまり時間に余裕がなかったため、国宝館を観るに留まりましたが、でも、ほんとうに行ってよかった…。




阿修羅像は、八部衆のうちの一体。 その三面六臂の姿は異彩を放ちながらも、憂いを湛えたまなざしや少年のような輪郭の美しさは、いつまでも人を惹きつけて止まない魅力に溢れています。

「細い蜘蛛手のような六本の腕が怪しげであればあるほど、阿修羅像の面相にこめられた慈悲の表情は拝する者の目につよく焼きつけられずにはおかないであろう。 仏の真実がこれほど芸術の香気高く表現された例はまれであり、超現実性と現実性の調和的統一を追求する天平芸術の精華が、まさにここにある。」(原色日本の美術より)

そう、本当にその場を離れがたくて、帰りかけたのに、また、もう一度だけお顔をみてから、と引き戻されてしまうのです。



聖徳太子二歳像にも、また独特の存在感があって。 絵葉書の写真よりも全体に黒ずんで、それがむしろこの像には似合っているのですが、その前に立つと無意識に掌を合わせている自分がいました。 柔らかく子供らしい身体の線と、こちらの心の奥の奥まで見透かすようなお顔との、不思議なバランス。 つと、今にも足を踏み出しそうな、それでいて余計な線を排除した衣のひだがモダンです。

 聖徳太子二歳像


二十代のうち数年を京都近くに住まう幸運に恵まれました。 休日といえばお寺巡りをしたあの頃、思えば、それまでに見たり読んだりした本や写真集の実際を見る事、そこに行く事だけが目的でした。 こういう年齢になって初めて、それは仏様であったり、建築であったり、工芸であったり、様々ですが、自分なりの触れ方があるということに気づかされたように思います。



思いがけない、眼福をいただいた二日間でした♪








■こころゆたかな旅[壱]

蒔絵展図録
天から突然贈り物をいただいたような、京都奈良を訪ねる一泊二日の旅に出ました♪ 

いつもよくしていただいている万座温泉日進舘の女将さん、専務さんから、京都国立博物館で開催中の「蒔絵 - 宮殿を飾る東洋の燦めき」と題された展覧会に行きましょう、とのうれしいお誘い♪ お二人は私どものサロンの蒔絵教室の生徒さんでもあり、蒔絵を学ぶ者としてぜひ観に行きたい、とおっしゃいます。

スケジュールをお任せいただくことになって、ふと正倉院展のことが浮かびました。 確かまだ開催中のはず…。 調べてみれば10日まで、とあります。 なんという巡り合わせでしょう! 蒔絵の至宝と、正倉院の御物を同時に観られる機会なんてそうあるものではありません。 

蒔絵展でひと際輝いていたのが、マリア・テレジアから受け継いだというマリー・アントワネットのコレクション。 香木を入れるための沈箱や香合など、精緻な技術と感性に裏打ちされた蒔絵の数々は、それは素晴らしいものでした。 何より驚かされたのが、それらの小箱は輸出用や注文により特別に制作されたものばかりではなく、江戸時代半ば以降に京の店先などで一般向けに売られていた商品も含まれている、ということです。 ごく一部の富裕層を対象とした商品とはいえ、こうしたマーケットがあった、その時代の日本の豊かさを感じずにはいられません。 このようなことは、海外のコレクションの存在があって初めて知られるようになったとか。 コレクションというものの意味と意義を、改めて思い知らされたのでした。



白瑠璃碗
心を豊かにしてくれる旅は翌日の奈良正倉院展に続きます。 ここで私は憧れ続けていた白瑠璃碗(はくるりのわん)に逢うことができました。 「原色日本の美術」という美術全集を父が蔵書に加えたのが昭和43年。 その第四巻「正倉院」の中で一番気に入ったのがこの、遥かペルシアからシルクロードを経て伝わった白瑠璃碗です。 当時の写真のこと、粒子も粗く色も再現できていなかったのでしょう、薄い米のとぎ汁のような色みと思っていたその碗は、やや琥珀色を帯びた透明度の高い煌めく硝子で、言葉に尽くせない美しいものでした。 


少し離れて、発掘された切子碗がありました。 長年土中にあり銀化の進んだ碗は鈍い輝きを放ち、その渋さがまた格別の美しさでしたが、残念ながら図録には載っていません。 眼に焼き付けたその姿を忘れずにいたいと思いました。
興福寺の塔



そして足は興福寺へと向かいます…。〈続く〉











■染付の印合を迎えました。


青花文印合2
古いものが好きで、目に止まり、使うときの風景が浮かび、手の届く値段のものであれば、これは縁だわ、と、思うことにしています。
私にとって手の届く値段、といえば、うれしいのは四桁、悩ましいのが五桁のうちでも先頭が壱か弐まで。 それ以上は、分不相応と諦めて、見られただけでしあわせ、と感謝します。


そして昨日、うれしいものに出会いました♪ 染付の印合です。
85×60mm、高さ35mmの程よい大きさ。


青花文印合2

「あ、いいな♪」と思って手に取ると蓋裏の合い口のところが少し欠けていて、中は随分汚れていますが、表には何の問題もなく、とてもいい感じで、しかも値札には ¥1,050 という数字! すぐにカウンターに持って行くと、「中が欠けていますよ。」と言われました。 「はい、結構です、いただきます。」と応えつつ、心の中で「全然、問題ありません。 それになんと言ってもこのお値段!」




以前香港で小さな印合を買ったことがあります。 それは上蓋の、しかも外側が欠けていましたが、形と大きさが気に入りました。 以後、香港に行けば必ず骨董屋さんを覗き、探してはみるのですが、あまり良いものに出会えなくなったばかりか、何より値段が上がってしまったのに驚かされました。 印合は印泥を入れるための合子(または盒子:ごうす=蓋付の小さな器)。 ちょっとしたものを入れておくのにも洒落ています。 ちなみにその時の印合は、欠けを繕って砂糖入れにしました♪




そして出会ったこの印合。 こういうときは帰り道が長く感じられます。 早く洗ってきれいにして、すぐに使いたいから。 「欠けはどうしても気になったら金で継げばいいし、ううん、これは銀の方がいいかも…。」などと考えるのは楽しいものです。

こうして、この子は家の子になりました。 今日からサロンの玄関で、認め印を預かってくれるそうです♪