最高のたばこ
入院してからというもの、
一度もたばこを吸っていません。
入院前、入院期間中用にと、
友人から電子たばこをもらったので、
最初はそれをよくくわえていたのですが、
くわえていると、毎回看護師さんに驚かれ、
いちいち面倒くせーな、と
思いながらも説明しつつ、くわえていました。
手術後は、たばこを吸うどころの
状態ではなくなりましたが、
精神と肉体に余裕が出てくると、
やっぱり欲するようになりました。
食後とか、
コーヒー飲んだ時とか、
汗をかいた後とか。
でも、病院から出られないし、動けないので、
ガマンするしかありませんでした。
リハビリ病院に転院したら、
敷地内に喫煙所がありましたし、
屋上にはこっそりと、
たばこを吸う患者たちがいました。
ご無沙汰ぶりです、この香り!
屋上に行っては、
風下にそそくさと移動し、
受動喫煙するようになりました。
エレベータに乗ると、香りで
同乗者が喫煙者とわかります。
軽く寄り添い、さりげなく、くんくん。
たまらんのぉ~。
松葉杖で動けるようになり、
リアル二本足でも歩けるようになり、
ガマンせざるを得ない状況ではなくなりました。
しかし、たばこを能動喫煙することは、
やめようかな、と。
もう一本の足の股関節手術をすることなく、
二本ある今の私の足で、一生を終えたい、
と思ったからです。
そんな時、たばこを吸っている夢を見ました。
シチュエーション、体のコンディション共に
ベストな状態で、私はたばこを吸っていて、
これが、恐ろしいほどに旨い味!
これまでの人生で吸ったたばこの中で、
最高に旨い1本だと、夢の中で思っている。
吸い終わった時に目が覚めたのですが、
この目覚めさえも、たばこの余韻で
心地良いくらいでした。
神様からのプレゼントだと
思うことにしました。
これからは、受動喫煙者として
生きていこうかな、と思っています。
さあ、どこまで受動で、いけるでしょう(ニヤリ)。
わたしの足が歩いている
先週の金曜日から、
松葉杖が取れて、
二足歩行になりました。
4月25日ぶりの
"正式"二足歩行です。
とはいえ、まだ足の力が弱く、
杖ナシで長く歩くと、
疲れて痛みが出てくるので、
さほど長く歩くことはできません。
しかし、美しい歩き方をするために、
杖はできるだけ持たないように、
と言われているので、
「杖があればもっと歩けるのに」と思いつつ、
杖ナシで歩けるだけ、休み休みで歩いています。
杖のない自由と不自由。
それでもやっぱり、やっとの二足歩行。
わたしが前に足を進めるたびに、
わたしの二本の足たちが、歩く喜びを
一歩、一歩、かみしめています。
嬉しさが何度も何度も込み上げてきて、
さっそくひとりでこっそり、
スキップを踏んでよろけてみたり、
一段飛ばしで階段を上がって、
ヒヤリとしてみたり。
両足が大地を踏みしめる感触と、
両手がガラ空きの心もとなさを、
大いに堪能しています。
「わたし、二本足で歩けるんだよ!」
世界中のみんな、ひとりひとりに
言って回りたいくらい、
バカみたいに幸せです。
みんな、ありがとう!
サイクリングマシンと嗜好(思考)との激闘
塩味強めの生ハム。
キンキンに冷えた辛口の白ワイン。
もちっと弾力のあるモッツァレラチーズ。
泡が上唇に髭になるギネス。
瓶づめピクルスに入ってるキューリ。
冷凍庫から出したばかりのドライ・ジン。
ブリッとして、カッとくるチョリソ。
ジョッキが軽く凍った黒生ホッピー。
手でバリバリ破って、胡椒を振ったキャベツ。
中ジョッキの焼酎蕎麦湯割りの冷や。
ジュッと口の両端から汁が垂れる水茄子漬け。
大ぶりのグラスに入れた泡盛ロック。
レモンを軽く絞った、ぶるぶるの生の岩牡蠣。
一升瓶からこぼし過ぎてもらった冷や酒。
3種が積極的にはみ出ているBLTサンド。
瓶のままのウィルキンソンのジンジャーエール。
本を読むか、音楽を聞くか、患者観察をするか、
旨いもんを考えるか、しながら1時間、
リハビリ室のサイクリングマシンにまたがって、
いつもペダルを漕いでいます。