10年目の謝罪 | That's where we are

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the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

マス・カジュアルティー・シムの日

災害医療に関わっている別の病院からの

ER医がゲストでやって来た

 

かつて、私が研修医だったころ

別のプログラムで研修を終わり

新人アテンディングとしてやって来た人だ

 

確か私が研修を終える前に

他の病院へ移って行ったと思うのだが

同じ市内で、同じ業界

SNSでつながっていたり、共通の友だちがいたり

結婚したとか子供が生まれたとか

その位のことは知っていたが

実際に会うのは何年ぶりだろう?

 

「今日は来てくれて有難う

会うのは何年振りかしらね?」

「10年くらい?

君は全然変わってないね」

「お世辞の練習はしてきたんだ(笑)」

 

研修医たちと手伝いの医学生が

集まってくる中で

彼は私を横へ引っ張って

「ずっと言わなきゃって、思っていたんだ」

 

「君が研修医の時、僕は君に厳し過ぎたと思う

それはまだアテンディングになったばかりの

僕の未熟さのせいだ

ずっと直接会って、謝らなきゃと思っていたんだ」

 

えっと、これ、何て言ったっけ?

快晴の...いや、晴天の霹靂?

 

だって、彼、本当に優しい人だった

 

確かに、前の病院はこうだったああだったと

文句を言うことは多々あったが

うちの病院のシステムが完璧ではないし

私だって文句は常に言っている

(研修医の時は大声で言わなかっただけで)

 

厳しくされた覚えなんて

全くないのだけれど

 

「何のこと、言っているの?」

「本当にすまなかった」

 

本当に謝られる筋はないのよ

あなたが私に厳しかったとしても

それはアテンディングとして当然だし

研修医の私にはそれが必要だったから

 

今年教えていた医学校2年生

まだ臨床実習さえ始まっていないのに

既にバーンアウトだとか、アテンディングからとか

シニア研修医からとかのいじめだとか

経験したかのように語る子がいた

 

「そりゃあ、医学教育のシステムは完璧ではないし

確かに、必要に異常に辛く当たる人もいる

(メスを投げる外科医の話は、今や都市伝説

今のアメリカでそんなことしたら、即停職、解雇)

でも、研修ってそんな事ばかりじゃないよ」

 

医療の道へ進む人は、最初は誰だって

何か良くしたい、誰かを助けたいと思っている

色々な事情で、医療業界に残る理由は変わるかもしれない

でも、どこかにtender spotが残っている人達だ

 

そんな人達と一緒に仕事をするんだよ

1つのネガティブなことに注目して

沢山のポジティブな面が見えなくなるようなら

この仕事は向いていないんじゃないかしら?

私は研修医生活って、その時も、振り返っても

楽しかったけどな

 

すると、医学生

「そうですか?良かったですね

先生の研修医生活、楽しくって」

 

その言い方がですね、吐き捨てると言うか

漫画なら「ケッ」とか横に添えてありそうな感じで

 

1.こんなネガティブでいいのか、医学生?

(医学生=病院ヒエラルキーの底辺)

2.アテンディングに対して、その言い方?

 

皆が皆、こんな感じではないですが

一人の医学生でも、、こんな物の言い方を

できる時代になったとは...

 

何かが間違っている方向に進んでいると

思うのは私だけ?

 

 

 

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