ビザとイブと不信感(2) | That's where we are

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the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

婚約者ビザで渡米した22年前

結婚式を挙げた後、永住ビザ

いわゆるグリーンカードを申請

その際の面接で、私一人のために

複数のファイルが作られていたことが判明

おまけに、そのファイルが何処にあるのか不明

 

そのまま停滞してしまったビザ申請プロセス

 

困りかねて、当時住んでいた州の

議員さんのオフィスへ相談したら

 

ある日、朝7時に電話が鳴った

 

「こちら移民局です」

 

そして、訊かれたのはたった一つ

 

「留学生ビザでアメリカにいたのはいつ?」

 

それだけ?

あんなに一生懸命練習した

歯磨き粉のブランドやなんやら

なんで聞いてくれないの?

 

3分にも満たない電話だった

 

それから1週間後

グリーン・カードが家に届いた

 

議員オフィスに相談したからなのか

たまたま、時期が重なったのか

今だに不明のまま

 

それから数カ月後

夫が記入した私の婚約者ビザ申請用紙が

私達の住所へ送られて来た

色々と旅をしていた様で

書類の入った封筒はボロボロ

 

これって、移民局で保管するんじゃないの?

用済みになったら申請者に送り返すの?

ますます分からない...


何事もなく年月は過ぎ

 (ビザに関してだけは)

2年後には条件付きから条件なしの

10年有効な永住ビザに変更

 

前回の永住Visa更新の際は

指紋を取るバイオメトリックの予約日を

すっかり忘れていた

 

今日何かあったよな、とは思っていたが

病院についてからハタと気づき

1時間位遅れて移民局へ到着

 

まだ新しいオフィスの様で

待合室には確か2組の人しかおらず

中の事務員さんも目に入るのは二人だけ

遅れておいて図々しいのだが

まあ、ヒマそうな所だわ、と思ったものだ

 

そのおかげで、遅刻しても

手続きはさせてもらえたのだが

 

そして更に10年経った今

またカードの更新がやって来た

 

スピード違反でチケットを切られた以外

犯罪歴は全くない

税金もちゃんと素直に収めている

アメリカに置いておいて、得はしなくても

損はない移民だと思うの

 

夫が使っている歯磨き粉のブランドを

もう訊かれることはないし

 

余裕綽々

もう、焦ることはなし


指示された通り、現在のグリーン・カードと

写真入り身分証明書ということで

日本のパスポートを持って

移民局のローカル・オフィスへ

 

ああ、この風景見覚えがあるわ

前回と同じオフィスよね、ここ

 

駐車場には数台の車

クリスマス・イブにこの車数は妥当か

 

予約時間より少し早く着いたが

早めにチェックインさせてもらえるか

訊いてみようと、ドアに手をかけた

 

あれ?

 

開かないわ、このドア


( つづく)


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