今月、いよいよ最後の対面面接がありました。
応募先は、ホテルでも大企業でもなく、親子で営む 日本茶の専門店。

私はホテル就職を目指して動いていましたが、実際にインターンとして働けたのは3日間だけ。その後、アパートの管理会社に勤めたものの、不当解雇を経験…。そんな中でも諦めず、ホテルや同業界の面接を受け続けてきました。

ただ、求められるのは「ネイティブレベルのスペイン語」。

私のレベルでは、どうしても社会から弾かれてしまう場面が多いのが現実です。


日本大好きなお母さんと息子さん

そんな時に出会ったのが、このお茶専門店。
オーナーは、日本が大好きでなんと5回も訪れているスペイン人女性。彼女は「ハウルの動く城のおばあちゃん」と「魔女の宅急便のキキのお母さん」を足して割ったような雰囲気の持ち主で、とても個性的。

彼女と一緒にお店を切り盛りしている息子さんは、アメリカ訛りの流暢な英語を話す人物でした。面接では、まず英語力をチェックされましたが、どうやら「ペラペラ」と認識された様子。


面接で聞かれたこと

質問は実にシンプルで現実的でした。

どのくらいスペインに滞在する予定?

これまでスペインで働いた経験はある?

販売や接客の経験は?

お茶は普段から飲む?

私たちの哲学「クオリティの高いお茶を楽しむ」を理解している?

そして、そのビジネスを支えられると思う?


息子さんはゆっくりと話し、外国人慣れした対応。
一方、お母さんはフォーマルなセビージャの口調で、どんどん質問を投げかけてきます。

1時間という限られた面接時間で、二人が見ていたのは スペイン語・英語のレベル、そして「信頼できる日本人かどうか」。

特に息子さんの強い視線からは、まるで「監査」されているような感覚すら覚えました。


短期の仕事に込める意味

今回の募集は、秋から冬のピークシーズンを支える 半年間のフルタイム雇用。
スペイン人にとって「お茶=寒い時に飲むもの」らしく、この時期が売り上げの山場だそうです。

「清潔で、フォーマルで、高いサービスができる人材」
つまり、お店のブランドそのものになれる人を求めているのだと感じました。


面接を終えて

面接を終えて、彼らが思ったのはこうかもしれません。

「これだけ英語ができるのに、なぜホテルに雇われないのだろう?」

スペイン語はまだ完璧ではありません。
でも、「働くには十分」と認めてもらえたことは、私にとって大きな一歩でした。

今週中に、誰を採用するか決まるそうです。

結果がどうであれ、この面接は「排除されてばかり」と感じていた私に、久しぶりに「必要とされるかもしれない」と思わせてくれる時間になりました。