こんにちは、イトウエルマです。
日々の立ちそばメモ帳から
食べたおそばの紹介をしています。
４８軒目は 人形町の「福そば」で、
当店人気メニューの「紅生姜天」を
「わかめ」も注文していただきました。
紅生姜天がレースのように美しく揚げられています。
わかめも一緒に注文、より美味しくいただけました！
福そばは東京の下町情緒漂う界隈にある立ちそば店。
そばには一過言ある人々の密集するエリアなので、
出されるお料理にも妥協はありません。
めんは注文を受けてからゆでるし、
すっきりと旨いつゆに使われるのは２年ものの本枯節。
そして、天ぷらが美味しい。
人形町界隈の人に、圧倒的に支持されているのも頷けるお店なのです。
その福そばが中国人店主によって営まれていることに
当初は驚いた。
すっきり余計なものを極力排除した日本の佇まいのお店。
中国人ならば、縁起グッズを飾ったりとか
赤や黄色を差し色に入れたくなるのでは、と思うけど
ここには中国らしい気配は一切なし。
メニュー然り。
肉そば大全盛の昨今、肉メニューを置かない店が、福そば。
中国人ならばお肉メニューはお得意のはずですが、
奥の手を使わずに、これぞ立ちそば、な
かき揚げに注力している。
そのかき揚げには５つのバリエーションがある。
玉ねぎと人参のかき揚げ
ごぼうと人参のかき揚げ
玉ねぎと桜エビのかき揚げ
紅しょうがかき揚げ
長ネギとげそのかき揚げ
この他、春菊天がかき揚げ状になって揚げられていたり、
しめじがかき揚げ状になるか、バラで揚げられるかその時次第、
という塩梅でカウンターに並べられている。
あるとき私が、今日はしめじを食べよう、と思って入店するなり
店主がしめじを揚げ始めて、結果、私の丼には揚げ置きではなく
揚げたてのしめじ天が乗せられたことがあり、
この人は私の心まで読めるのかと驚いたことがありました。
これら天ぷらはは薄い衣で、美しい華を開かせて揚げられて、
軽くてサクッとした素晴らしいかき揚げとなります。
派手さではなく、天ぷらの腕前と
組み合わせの妙で勝負する粋な店が福そば。
かき揚げはあんまり好かない私も
福そばなら食べたい！と思う。
「いらっしゃいませ」
店主はいつでも礼儀正しく、控えめな、誠実な態度。
入り口の券売機で天ぷらそばの食券と、
わかめの食券も買う。
それと、だし巻玉子もいただこう（ないときにはない、あるときにはある！今日はありました♪）
さて、今日は紅生姜天、と決めていたのですが、
この時店主が揚げていたのは春菊天で、
それなら春菊天、と注文するお客さんが目立つ。
揚げたても美味しいんですけどね。
でも、腕前の確かな福そばならば
油が切れたところでいただくのも
おつゆに油が浮きすぎず、味わいも軽やかで
素材の味がしっかりわかるからいい。
よし、目の前にある紅生姜天にしよう！
強い決意でいただいたのが、こちら、
紅生姜かき揚げそば６１０円にわかめ６０円。
サイドにだし巻玉子１１０円。
紅生姜のかき揚げが美しい。
わずかな衣でくっつきあって、
レースのように向こうが透けて見える。
箸で取り分けられるほどにカリッとサクッと
揚がっているところも素晴らしい。
噛み締めると固く揚げすぎてごわつくこともない、
生姜も辛すぎず、美味しい。
嬉しいのはわかめが下に敷かれているところ。
おかげで紅生姜天がおつゆに浸りすぎず、
カリ、サク感が最後まで持続する。
衣がおつゆでぐちゃ、ふにょ、となるのは好まない私に
わかめの島はどうにか歯触りを確保するのに必要な天ぷらの避難所。
そのわかめの島を平らに広げて天ぷらを乗せてくれる福そばの店主。
天ぷらのクリスプ感を最後まで味わいたい
私のようなお客の気持ちをよくわかっていらっしゃるなあ、
さすが心を読む店主、と感激しながら、
おそば、天ぷら、紅生姜かき揚げ、を
かわるがわるつまみ、おつゆで流し込む。
おつゆは返し弱め、出汁は本枯節厚削りの澄み切ったお味で
茹でたておそばや天ぷらを上品に引き立てる。
さてさて、お楽しみのだし巻き玉子♪
だし巻玉子は薄口しょうゆを入れて焼く、
大阪出汁タイプよりもやや固めなタイプ。
これ、おそばに乗っけても美味しいよなあ、
紅生姜天、わかめにも合うんじゃないの！？
と思ったときにはすでにおそばも、紅生姜天も残りわずか。
乗せるなら最初から乗せないとね！
【福そば】
東京都中央区日本橋人形町
１−１６−３
月金７：３０〜１７：３０
土日休
