『マジョリカタイル』とはなんぞや? | エリーのラヴ・ラボラトリー

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先日たまたま目についていわゆるジャケ買いした書籍

「クロスステッチで楽しむ アンティークタイルの模様」っていう本は

日本製のマジョリカタイルをもとに図案を起こした本だったんだけど

そもそもマジョリカタイルって何?日本製ってどういう事?と思って調べ始めました。

 

こんにちわ、あるいはこんばんわ。

珍しく昨日今日と連投ブログになっております。

鉄は熱いうちに打てというか、興奮冷めやらぬ状態なので

ここは一気に書いて載せてしまおう作戦です。

おかげでこのブログの大半は、仕事の合間に調べながら書きましたわ(笑)。

 

そう。

そもそもタイトルに書いたマジョリカタイルというのは、18世紀頃のイギリスで

MINTON社から販売されてたヴィクトリア風多彩色で艶と発色の美しいタイルが

「これ、マジョリカ陶器っぽいよね?」ということだけで

『マジョリカタイル』という『商品名』をつけたのが始まりらしいんだよね。

 

マジョリカの語源はスペイン自治州のマヨリカ島で、マジョリカは英語読み。

もともとはイスラム陶器の技法がスペインで開花して

それをマヨルカ島経由でイタリアが輸入したことが発端になってるだけど

(当時はマヨルカで作られてるって思ったんだろうね)

その後15世紀になると、その技法の模倣品がイタリアで作られるようになって

ルネサンス全盛期になると、マジョリカ陶器=イタリアの陶器とされたみたい。

 

それまでの陶器って、いわゆる土器?に近いというか

土に色を乗せても発色が悪い陶器しか出来なかったけど

錫釉薬で陶器の地を白くして、鉱物や顔料で絵付けして焼き付けると

鮮やかな色彩になることがわかり、まあ一気に芸術分野として広がったっぽいね。

 

まあマジョリカ(マヨルカ)は、輸送上の経由地でそこが発祥の地ではないから

そもそものマジョリカって??って思うものの

なんだかんだ現在でも、多彩色のタイルはマジョルカタイルと呼ばれてるっぽい。

辛い赤唐辛子のソースならなんでも『タバスコ』って呼ぶのと同じだね(苦笑)。

 

そんなマジョリカタイルは、鎖国終了後の日本にも入ってきたのよね。

洋風建築を建てる際に輸入されたんだと思うけど

急激な洋風化政策で輸入だけじゃ追いつかなかったのかもしれないけど

その美しさに感銘を受けた日本の職人が、独自に製法を編み出した。

これがジャパンメイドのマジョルカタイルの発祥の経緯らしい。

 

これって大正から昭和にかけての、いわゆる第二次世界大戦前

敗戦国日本が勝戦国アメリカから

『一億総白痴化政策(テレビを使ったアメリカの占領国愚民化政策の一環)』

を受けるずっとずっと前の話よね、日本が非常に優秀な民族だった頃ね。

で、この和製マジョルカタイルって、実は日本ではあまりニーズがなかったので

(当時は台所やトイレ、風呂場などの水場でしか使われなかったため)

世界各地に輸出されることになり、その各地で非常に愛されたこともあり

戦後79年経過する現在でも、世界各地には残っていて今なお愛され続けてるんだって。

 

というのが、マジョルカタイルのあらましなんだけど

現在でも株式会社 Danto Tileさんでマジョルカタイルは作られていて

前身である昭和初期設立の淡陶(だんとう)社のタイル工場をそのままで製造。

ノスタルジックでありながらも現代でも製造してるという

なんとも素敵な話が、買ったクロスステッチの本では紹介されていたのですよ。

 

で!

まあ、ここまで調べ上げてる途中、購入したステッチの本には64種しか載ってないけど

この本の中で、当時のカタログが1ページだけ掲載されてたのね。

ほら、こんなチラ見せされてるのよ、ちょーやらしいよね???

「うわ、めっちゃこのカタログ見たい!!!!」となるわけですよ、私の場合。

社内保管されてるという『The Danto Kabushiki Kaisha Tile Works』というカタログを

とにかく見たい!!!!

 

てか、ここで使われてる緑がかった水色は新橋色だよね?

当時ハイカラな雰囲気の代表カラー。

そういえば配色がレトロに見えるのも、当時の流行りカラーがチョイスされてるからよね。

これだけの情報だけど、こんなにあれこれ思いを馳せられるんだから

やっぱり欲しくなっちゃうよね(笑)。

 

で、インターネット駆使して調べてみると

台湾の収集家の方が数十年のフィールドワークで得た写真集が2種類出てる。

 

・2015年発刊の『台灣老花磚的建築記憶』232ページ康鍩錫著

◆目次◆(Google翻訳済)

1. 陶磁器タイル文化
・起源: 生きる芸術
・色磁器タイルとは何ですか?
・陶瓦文化の原点
・レンガ文化
・磁器文化
・セラミックタイル文化の進化
□スタイルのコレクション: 古い建物。古い思い出。古いタイル
■タイルパターン: 花
2. 各国の色磁器タイル文化
・ヨーロッパとアメリカの色磁器タイルの歴史
・日本の色磁器タイルの歴史
・東南アジアにおける色磁器タイルの歴史
□スタイルのコレクション: 古い建物。古い思い出。古いタイル
■タイルパターン: メロンとフルーツ
3. 台湾の彩色磁器タイル文化
・切って貼る:立体モザイク
・台湾色磁器タイルを使用
・色磁器タイルの源
・色磁器の代表建築──台北ホテルのビクトリアンタイル
・台湾の住宅における色磁器の使用場所
・台湾の家具における色磁器の使用
□スタイルのコレクション: 古い建物。古い思い出。古いタイル
■タイルパターン:動物(花や鳥を含む)
4. 色磁器タイルの仕様と製作
・色磁器タイルの仕様
・色磁器タイルの製造
・色磁器の制作技法
□スタイルのコレクション: 古い建物。古い思い出。古いタイル
■タイルパターン: 風景・人物
5. 色磁器タイルのコラージュとデザイン
・色磁器タイルパターン構成
・色磁器タイルの様々なコラージュデザイン
□スタイルのコレクション: 古い建物。古い思い出。古いタイル
■タイルパターン:文字・幾何学模様

 

・2023年発刊の『台灣老花磚全圖錄』439ページ康鍩錫著

但し、『全圖錄』は617タパーン収録されてて『建築記憶』の増訂整理版。

◆目次◆(Google翻訳済)
色磁器タイルのご紹介
陶磁器タイル文化の側面
色磁器タイルの技法
各国の彩色磁器タイル文化
東南アジアにおける色磁器タイルの歴史
台湾の彩色磁器タイル文化
台湾では色付きの磁器タイルが広く使用
〈台湾の古いタイルのカタログ〉
  花
  メロンとフルーツ
  動物(花や鳥を含む)
  幾何学模様
  風景部門
  文字の種類
  テキストタイプ
  その他
付録 1: 台湾の色磁器の代表的な建物
付録2:パターン比率一覧表
付録 3: 参考資料

 

どっちも原書なのでめちゃ高い。

まあ、買うなら200ページ近く多い『台灣老花磚全圖錄』14,800円だけど

待って『増訂整理版』ってなによ?

コトバンクで調べたところ、

改訂によってページ数が増加したものは「増訂版」と呼ばれるが

前の版の内容はそのままで新たに『追加』が行われたものは「増補版」と呼ばれる。

 

ん??

200ページも紙面が増えたけど「増補版」じゃなく「増訂版」ってことは

見たい資料が判も大きくなり整理され見やすくなってるだけで

内容は同じってことなのね?

 

じゃあ、『台灣老花磚的建築記憶』で充分だけど

原書は紙の質が悪いのか印刷が鮮明じゃないとのコメントを見かけたの。

でもね、これの日本語版の『台湾 和製マジョリカタイルの記憶』では

「タイル画像1000点以上が総覧できる」と美術史家・国学院大教授の小池女史が評してた。

うん、よしこれ買おう♡(Amazonでも定価だった!)

 

・2023年発刊の『台湾 和製マジョリカタイルの記憶』214ページ康鍩錫著

あれ?原書の『台灣老花磚的建築記憶』より18ページも少ないけど・・・

ま、いっか(笑)。

 

それと他にも日本から出版されてる写真集的なものを発見。

前述のが台湾での和製マジョリカタイルを紹介した本ならば

もう一冊はスリランカ、インド、ミャンマーで使われてる紹介本。

INAXミュージアムが発行してる『和製マジョリカタイルー憧れの連鎖』。

この本では、佐治タイル社製、佐藤化粧煉瓦工場製、月星建陶社製のもの等

他のパターンも多く見られそう!

但し、↑アマゾンさんはありえない程の高額商品で掲載されてるし、メルカリも鬼価格。

ちなみに定価は1,650円よ(笑)

私はなんとか調べ倒して定価で変えたけど

これでうっかり転売ヤー儲けさせるのはホント嫌よね?まだ定価で入手できるのに。

 

それとこの記事を書きながらさらに探したらminneという販売サイトで

台湾の博物館で撮った写真集

シンガポールで撮られた写真集

マラッカでの写真集

を出してる方がいたので、こちらも購入しました。

 

台湾のものは、たぶん、かぶってる写真も多いと思うんだけど

それでもものすっごい気になって夜も眠れないので買いました。

資料ばっかり買いこんでどうするんだ?って感じだけどね(笑)。

 

あ、そうそう。

こちらの写真集を販売されてる方からの情報では

東京の南阿佐ヶ谷にある台湾茶カフェ『茶嘉葉』さんでは

実際にマジョリカタイルを見ることが出来るとの情報をいただきました。

これは是非行かねば!です。

台湾にはもう一度行きたいんだけど、なかなか機会がないのでねー

雰囲気だけでも味わいに涼しくなったらお邪魔したいですな。

 

いあーでもさ?

昨日ジャケ買いした本が届いて、たった1日でここまで調べ上げて

さらに追加であれこれ買うという『沼』予測的中で現在に至ってるんだけど

相変わらずな探査能力に惚れ惚れしちゃう私であーる。

 

ていうのも、マジョリカタイルって見かける度に

「あー素敵ー!」って思えども、名前がわからなくて調べようがなく

たまたま見つけた本がキッカケになって、こんなに世界が広がるとは!

この嬉しさを、多くの人と分かち合いたいというか、伝えたいんだけど

まあ、こんなブログあんま見る人いないからねえ(苦笑)。

 

でも、またーに古いブログ記事にものすごいアクセスある事もあるので

こうやって調べる限りな情報書いておけば、いつか誰かの目に留まって

欲しいものを間違いなく入手できたらいいなって思うのですよ。

で、出来たらいつか、実際にこの感動?というか

私がいいなって思ったものを、誰かと分かち合える日が来るといいと思う。

いあ、私が分かち合えることがなかったとしても

誰かと誰かが分かち合えるキッカケになったら最高よね!

 

と、話はまたも脱線したけど(笑)

今回ネタにした、マジョリカタイルの魅力ってなんだろう?って考えたんだけど

彩色を一つ一つ手作業でやってるところがたまらなく心惹かれるとこなんだと思う。

転写プリントのタイルとか、ぶっちゃけあんま興味ないもん。

 

私がお気に入りで集めてる食器類だって、和食器は手描きのものに魅力を感じるし

洋食器だって、ウェッジウッドのアンティークなタイプの手描きは好きよね。

あとリチャードジノリも手描きタイプは佇まいが素晴らしいもの。

 

前回のブログでも書いたけど、人の手が加わってますって作品は

どんなジャンルでも好きなんだと思う。

こういう文化がもっと復興すればいいけど

没個性で平坦な文化が、蔓延というかすでに世界中に浸透しちゃってるからさ

今後もっともっと、求めても手に入りにくくなるよね。

 

逆に、自分の手で作れるなら、プチ復興というか身の回りたけでも好きで固められる。

さすがに陶器の絵付けまでは手が回らないけど、その雰囲気を大事には出来る。

インスピレーションやオマージュって形で、私のできる範囲のことで作りたい。

 

だからこそ、資料集めと称して気になるものを集めまくってるんだけど

なんか集めてるだけで満足してる最近の私。

病気のせいにはしたくないけど、手術跡はまだ痛いし、ホルモン剤のせいで体調悪いし

下半身の冷えは半端なくて、このクソ暑さの中でも冷房当たると冷たくて痛くなるから

ウール100%の毛布はどこに行くにも手放せないし(だから外出も控え気味)

はーーーって、ため息ついちゃうよ(苦笑)。

 

ま、そんな感じで相変わらず通常営業な私。

色んなところに現実逃避しつつも、割と楽しく暮らしてます。

 

そんなわけで

今日も最後までお読みいただきまして

どうもありがとうございました。

 

また遊びに来てね(*´∀`*)ノシ