大横綱大鵬最後?のインタビュー | のぼこの庵

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大河ドラマの史上最高傑作『独眼竜政宗』(1987⇒2014再放送)と近年の最高峰『平清盛』(2012)の感想です。
ついでに『江~姫たちの戦国~』(2011)、『八重の桜』(2013)、『軍師官兵衛』(2014)、『花燃ゆ』(2015)の感想も。
あとは爺放談?

ある雑誌の2013年1月号に、
先日亡くなった元横綱大鵬のインタビュー記事が載っていました。
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新横綱日馬富士の誕生を話題にしていますので、
少なくとも昨年秋場所終了以降に取材したものでしょう。

自らの生い立ちや苦労話から最近の力士たちへの苦言まで、
最後の最後まで相撲を愛し続けた偉大な横綱の声が、
15ページにわたり掲載されています。

ぶしつけな質問に対しても率直に、飾ることなく答えており、
大鵬の人間としての器の大きさが偲ばれます。

私がとくに興味をひいた内容は次のとおりです。

・生き別れとなった父親の思い出
・全勝対決が八百長扱いされた際の時津風理事長や柏戸とのやり取り
・連勝ストップとなった誤審に対する正直な思い
・「型が無いのが型だ」とは思っていないこと
・「巨人、大鵬、卵焼き」が嫌いだというのは誤解であること

大鵬さんならではの名言もあります。

「筋トレなんて、筋肉を固くするだけですよ。筋トレと鉄砲とは、鍛える筋肉が違うんです」
「私はいまでも言うんです。勝負の判定を、ビデオなんかで決めること自体がおかしい、って」
「(最近の力士も型のない人が多いことについて)左の前ミツ取って、前に出ながら、それがみんな中途半端で終わっちゃってるね。それではたきなんかが多い。基礎を、もう少ししっかりとやってもらいたいな。私自身は鉄砲二千回やっているし、四股も十分踏んでるから、型がなくても、十分に相手に対応できたんですよ。基礎を身体で覚えてるということですよ」
「敏感すぎるくらい敏感でしたよ。勝負は一瞬で終わって、あと、取り返しがつかないんだから」
「天才で大きくなれるの? 身体をしめながら、七十キロあるかないかの体重を、百四十キロまで、倍に太らせている。天才じゃできないよ、これは」
「巨人という名前と、大鵬という名前とを並べてもらってるんだから、光栄に思わないといかんね」
「横綱はいくら若くても、自分が言ったことに、責任をとらなきゃいかん。だから厳しかったですよ。ただ、私が幸せだったのは、いろんなところでうるさく言ってくれる人がいたことです。それは感謝しています」
「そういうこと(苦言)を言ってくれる人がいなきゃいけない。おだてるだけじゃ駄目。言われるほうも、それを聞ける素直さがなきゃいけませんが」

録音も残っているでしょう。
今となっては非常に貴重な資料なのではないでしょうか。