こども奉納相撲大会 ─ 薬師寺 休ヶ丘八幡宮 秋の大祭 平成26年9月14日 ─ | タクヤNote

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元mixi『東大寺』『南都七大寺』コミュニティ管理人で、
現在は古都奈良の歴史文化の紹介、
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解体修理中の白鳳時代の東塔を始めとする、古代の寺院建築を今に伝える薬師寺の白鳳伽藍。その正門である南門から、参道を南に歩くと現れるのが、薬師寺の鎮守である休ヶ丘八幡宮です。

 

 

 


毎年9月第二日曜日に、休ヶ岡八幡宮・秋季大祭が執り行われ、そしてちびっこたちによる奉納相撲大会が行われるのです。今回小生は初めて見に行きました。
休ヶ岡八幡宮は鎮守として薬師寺が管理しています。
明治の神仏分離政策で多くの寺院の鎮守は独立した法人になったので、ここは寺院が鎮守を管理している珍しい例となっています。
ここの本殿は桃山時代の重要文化財。薬師寺には国の宝と呼ぶべき建物が建ち並んでいるというイメージがありますが、そのほとんどは昭和以後の再建なのです。
昭和以前の薬師寺の伽藍は、創建期の東塔と鎌倉時代の国宝である東院堂、それに現在は興福寺の仮中金堂として移転された、室町時代後期の旧金堂の3宇のお堂しかありませんでした。
ゆえに桃山時代の重文・休ケ岡八幡宮本殿は、薬師寺にとってもとても貴重な建物でありました。

小生が休ヶ岡八幡宮に到着したのは、午前10時5分くらい前。
いつもは静かな神社境内なのですが、この日は招待客を含む参拝者でにぎわい、そして本殿前には土俵が。直径3メートルも無い可愛らしい大きさでしたが、本格的に土を盛り固めて俵も埋め込まれている本格的な土俵でした。
まだ祭礼は始まっていないようでしたが、薬師寺僧侶が本殿前で神前拝礼をされていました。

 

 

 

 

 


そして、午前10時を迎えて、大祭開始の発声が。例祭のはじまりは神官による祝詞の奏上です。

 

 

 

 

 


続けて、斎場のお浄めと供物の奉納が斎行されます。お浄めの時は神官が僧侶をお浄めするという珍しい様子もありました。

 

 

 

 

 


そして、舞楽奉納です。お二人の斎女が本殿前で、雅楽(テープ)が流される中を、華やかな舞が披露されました。この雰囲気には式場に大勢いたカメラマンも、ここで一斉にシャッターを切っていました

 

 


 

 

 

 

 

 


こうして祭事が進む休ヶ岡八幡宮は厳かな雰囲気に…と言いたいところですが、鳥居の外は時間の経過と共に騒がしくなっていました。
休ヶ岡八幡宮が騒がしいのは、西向きの鳥居のすぐ向かい側には近鉄電車の線路が通っていて、踏切の警報機がしょっちゅう「カンカン」音を鳴らしていました。しかし、この日の神社の騒がしさの理由は他にありました。

 

 

 

 

 


この日は境内の土俵でこども相撲が斎行されるのですが、エントリーは当日午前10時半からの受付で、ちょうど大祭の最中に始まるということで、大祭が行われている境内の外側には参加希望の子供たちがぞろぞろと集まって来ていたのです。

 

 

 

 

 


エントリーの受付は神社前のテントで行われていたのですが、テントにはエントリーを希望する子供たちで行列が出来る程の大賑わい。子供たちの声でとても騒がしい雰囲気となっていたのです。

 

 

 

 

 


参加者は受付をすると、まわしをなる帯を受け取ります。

 

 

 

 

 


そして、帯を締めるのですが、子供たちもさすがにお相撲取りと同じようにまわしを締めるというわけにはいかないので、帯のように腰に巻きます。
こうして、子供たちは出番を待つのです。

 

 

 

 

 


大祭の方は、協賛者による玉串奉納、薬師寺僧による神前法要、管主・山田法胤師による法話という、寺院が管理する神社らしい形で締められました。

 

 

 

 

 


こうして午前11時ごろには例祭も終了。薬師寺の僧侶の皆さんはここで退出、北の薬師寺へ帰られました。
そして、ここからお待ちかねのこども相撲が始まります。
奉納相撲になり、最初に登場されたのは、まわしを締めた相撲取りのみなさん。多くの大相撲力士を輩出している、名門の近畿大学相撲部の部員の皆さんです。

 

 

 

 

 


相撲部の方々は、普段の稽古の紹介ということで、四股や摺り足、また割りや実際の取り組みを披露されました。目の前で行われた部員による相撲は、小生から見ても迫力でしたから、子供たちの目にはもっと印象に残ったことでしょう。

 

 


 

 

 

 

 

 


そして、いよいよ子供たちの土俵入りです。相撲は近大相撲部の部員さんによる指導で撮られました。
勝負は女の子、小1~小3までの男の子、小4~小6までの男の子というグループ分けで行われます。
土俵際に敷かれた茣蓙に子供たちが呼ばれて、いよいよ白熱の相撲のはじまりです。正直こどもの相撲と安易に思ってましたが、こんなに場がヒートするような展開になるとは、はじめてだった小生は予想していませんでした。

 

 

 

 

 


最初は女の子の部でした。女の子の相撲にはさすがに投げたり倒したりという技はあまり出ず、ほぼすべて押し出しで決まるという取り組みでしたが、その分長く続く勝負が多くて盛り上がりました。

 

 

 

 

 


女の子の部は、スカートで相撲をする子がいたり、相撲の格闘の雰囲気が怖かったのか、ずっと大声で泣き続けながらも土俵に上がる羽目になった子も。そういう子ほどギャラリーからの応援の声も多くて、相撲の場は興奮に沸き立っていました。

 

 

 

 

 

 


いろいろと見どころが多かった女の子の部が終わると、次は男の子の部。
やはり相撲ということもあって、女の子よりも男の子のエントリー人数の方が多く、また年齢によって体力の差が大きいことを考慮して、小1~小3の低学年の部と小4~小6の高学年の部に分けて行われました。

 

 

 

 

 


子供と言っても男の子には格闘の本能があるのでしょうか、投げがあったり倒したり、激しい動きで土俵を走り回り、このような取っ組み合いに水を得た魚のように活き活きとしていたのです。

 

 


 

 

 

 

 

 


そして激しい相撲に、ギャラリーも「ワーッ」と興奮気味に沸き立ち、神社の境内の中は、ちょっとした競技場さながらの雰囲気となっていました。
小さな子供よりも体の大きさが大人に近い高学年の部の相撲の方が迫力あるかと予想していましたが、あにはからずや、小1~小3の低学年の勝負も大きな子供に劣らない大迫力。むしろ体が小さい分、面白さが増して場内の盛り上がりは大きかったのです。

この日も薬師寺では普通に参拝が行われていて、天平時代の風情を今に伝える仏像にお参りをしている参拝客もいたのです。
その薬師寺に隣接するこの場所で、こんなにエキサイトしていることがとても不思議に感じました。

 

 

 

 

 


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