女性不動産投資家・女性大家さんの会
Elegant Ownersエレガントオーナーズ主宰
子育て不動産投資家☆五十嵐未帆です。
YouTube最新動画をUPいたしました。
動画はこちら
今回は デッドクロスの意味がわかりません。
わかりやすいように教えてください。
というご質問をいただきました。
※※※
字幕が追加できませんでしたので、
文章で内容を確認したい方はこちらのブログをご覧ください。
五十嵐:デッドクロスとは
「ローンの元金返済額が、減価償却費を上回ってしまう状態」のことです。
・減価償却費=実際にお金は出ないのに費用計上できる
・元金返済 =実際にお金が出るのに費用計上できない
その額が逆転した状態のことを指します。
帳簿上は黒字となり、
現金がないにもかかわらず税金が大きくなって
黒字倒産ということになりかねません。
詳しく説明していきます。
大野:ありがとうございます。
減価償却費もよくわかりません。
というご質問もいただいておりますので、
まずは減価償却費のご説明からお願いいたします。
はい。では、まず減価償却費の説明をしますね。
今回は土地1000万円建物1000万円合わせて
2000万円残存耐用年数10年の木造物件を購入した場合
土地は劣化しないので減価しません。
だから減価償却費は発生しません。
建物は経年劣化するので減価します。
減価した分は建物の金額をさげて費用計上していきますので、
そちらが減価償却費になります。
建物は定額法で減価償却するように決まっているので
取得価格÷耐用年数=減価償却費となります。
この物件の場合1000万円の建物価格÷残存耐用年数10年=100万円が
減価償却費になります。
建物価格と減価償却費の関係を見ると
このようになり、耐用年数がなくなると
資産に計上している建物価格も0になります。
※動画中の図をご参照ください
減価償却費は最初に計上した建物の金額の一部を
毎年同額費用に振り替えるだけなので
実際には支出がない費用ということになります。
次にローンの返済を見ていきます。
先程の物件をフルローン2000万円20年2%元利均等返済の融資を組んだ場合
毎月のローン返済は現預金から支出をしますが、
借入金の残債は負債なので、
元金返済分に関しては、負債の減少になり、費用にはなりません。
返済の中でも利息分は費用になります。
元利均等返済の場合、このグラフのように
ローン返済が進めば進むほどに、費用計上できる額は減っていきます。
そして元金返済の金額が上がっていきます。
※動画中の図を参照ください。
今までの内容を含めて
損益計算書とキャッシュフロー計算の関係を見ていきましょう
損益計算書は売上から販売費および一般管理費を差し引いたのが営業利益になります。
販売費および一般管理費長いので販管費とお話ししていきますね。
減価償却費は販管費に含まれます。
営業利益に営業外利益を足して営業外費用を差し引いたのが経常利益
融資の返済で払う支払利息はこの営業外費用に含まれます。
経常利益に特別利益を足し特別損失を差し引いたものが税引前当期利益
そこから税金が差し引かれて当期利益になります。
普段は営業外利益である雑収入や
特別利益特別損失はほとんど発生しないので今回はいれないで説明してていきます。
現預金の手残り、キャッシュフローの計算は
この当期利益に
実際は支出していない減価償却費を足し
支出しているけど費用計上されていない元金返済分を
差し引いた金額がキャッシュフローになります。
ここまで大丈夫ですか?
大野:
ありがとうございます。
なんとなく、わかるような、わからないような感じです。
難しい単語が並んでいて、なかなか理解が追いつきません^^;
具体的な例を参考に、説明いただけますでしょうか。
数字で見ていきます。
※動画中の表と図をご参照ください。
わかりやすくするため
売上と減価償却以外の販管費は全部同額にしてあります。
減価償却があるうちは利益が少なく、キャッシュフロープラスになっています
減価償却がなくなると減価償却がなくなった分利益は増えますが
元金返済分の支払いは続くのでキャッシュフローがマイナスになっています。
グラフで見ると
青い線が減価償却
赤い線が元金返済分
黄色が当期利益
茶色が税金
緑がキャッシュフロー
元利均等返済の場合、先ほどお話しした通り最初は元金の支払いが少なく
だんだん元金の支払いが大きくなります。
減価償却が切れて元金返済分の方が大きくなったタイミングで
利益が増え
税金が増えるので、税金が増えた分
キャッシュフローがマイナスになってしまいます。
この減価償却費が減少して損益計算書上の当期利益は黒字であっても
キャッシュフローが悪化し、マイナスに転じることをデッドクロスといいます
大野:
ありがとうございます。
グラフで見るとわかりやすいですね。
利益が黒字であってもキャッシュフローが
マイナスになってしまうことはわかりました。
ですが、できればデッドクロスになりたくい方も
多いのではないかと思います。
回避方法などあるのでしょうか?
デッドクロスの回避方法についてお話ししていきます。
対策として
1. 物件を購入する時に自己資金を多く入れる
購入時に自己資金を入れておけば、支払うローン自体を減らせます。
返済するローン元金が少なければ利息も少なくなるので、
資金不足を避けられるのです。
動画内の表と図をご参照ください。
先程はフルローン2000万円でお話ししていきましたが、自己資金500万円を入れた場合の話をしていきます。
1500万円20年2%元利均等返済で融資を受けた場合
先程の2000万円の時と比べて
毎年の元金返済分がだいぶ少なくなっています。
先程の2000万円融資の時は80~90万円代の元金返済
今回は60~70万円代と毎年20万円の減少となっています。
元利均等返済なので利息との関係は先ほどと同じ状況です。
損益計算書とキャッシュフローを見ると
減価償却費が少なくなっても元金返済分が少ないので、
デッドクロスを回避し、キャッシュフローはプラスを維持しています。
グラフを見るとこのようになります。
※動画中のグラフをご参照ください。
減価償却費が下がって
元金返済は上がってはいるのですが、もともとの元金
返済が少ないのでキャッシュフローはプラスを維持しています。
ここは借入返済を完済したタイミングですね。
返済し終われば一気にキャッシュフローが改善します。
2.返済方法を「元金均等返済」選択
元金均等返済では毎年支払う元金返済分が一定の金額になります。
今回は2000万円を20年で借りている最初の条件と
一緒で返済方法を元金均等に変えた場合のお話をしていきます。
元金均等返済ですので、毎年の元金返済分は
100万円で一定になります。
グラフで見ると先ほどは元金返済グレーの部分が
上がっていったと思いますが、これが毎年一定で
最初のうち利息は大きいですが利息の支払いが
どんどん減っていって最終的には元金の支払いのみになります。
というような返済方法になります。
損益計算書とキャッシュフロー計算を見ると
減価償却と元金返済が同額で
当期利益とキャッシュフローが10年間は一致しています
減価償却が切れたタイミングで
キャッシュフローが一時的に悪化しますが、
元金返済分はずっと一定で利息が減って利益が出ているので
このタイミングでプラスに転じます。
※動画中のグラフ参照
そしてキャッシュフローもマイナスからプラスに転じています。
このように元金均等返済を選んだ場合
元利均等返済に比べデッドクロスでキャッシュフローがマイナスになる期間が
短く、キャッシュフローも安定します。
その他の対策として
3.納税資金を準備しておく、積み立てておく
デッドクロス時の納税に備えて資金を貯めておきます。
グラフで説明
このキャッシュが出ている時期にマイナスになる
時期に備えて積み立てておくということになります。
返済が払い終えればキャッシュフローは改善し、土地建物は手に入りますので、
ここを持ちこたえられるように準備しておきましょう。
4.新しい物件を購入して減価償却を増やす。
新規物件を購入すれば、
長期間の減価償却ができるのでデッドクロスの回避には有効です。
5.金利交渉・借換え
ローンの金利の見直しをして、元金利息を含めた
返済額を減らしキャッシュフローを改善させる方法です。
6.繰り上げ返済
繰り上げ返済をして利息分を減らせれば、全体で支払う金額を減らせます。
7.売却
デッドクロスが始まる前に売却してプラスのキャッシュフローを確定させます
デッドクロスが始まってしまっても売却によってマイナスのキャッシュフローつまり
手出しをストップさせることが出来ます。
また売却益も得られる可能性があります。
しかし、残債よりも市場価格が低い場合、
返済補填のために多額の手出しが必要になる可能性もあります。
デッドクロスで少しずつ手出しを払い続けるか思い切って損切りするかという
判断になることもありますので、注意してください。
大野:ありがとうございます。
回避する方法があり、少し安心しました。
その他、不動産賃貸業・不動産投資をしていく上で
デッドクロスに関する注意点はありますでしょうか。
ローン額が大きいと、当然デッドクロスが起きやすくなります。
一番危険なのは、将来のことを考えず、
今は手元にキャッシュが潤沢にあるということだけで、
家賃収入だけで生活できると考えてしまうことです。
デッドクロスを回避するためには、
綿密なシミュレーションが大切です。
減価償却額とローン返済額について、
シミュレーションをしておけば
デッドクロスが発生しやすい時期の予測もできます。
シミュレーションの結果を認識し、
不動産投資をする前に無理のない資金計画を立てること、
どのようにキャッシュを貯めて借金額を減らしていくかということが大切です。
はい 今日は以上になります
ご覧くださり有難うございました。
※動画はエレガントオーナーズ会員さまでなくても
誰でも見れますよ~!!
今日もお読みくださり有難うございました(*^-^*)
皆様とのご縁に心より感謝申し上げます。
いつも応援有難うございます